「おしゃれハウス」

おしゃれハウス

日経BP企画より絶賛発売中 住まいがお洒落だと、人生まで輝いてくる

「おしゃれハウス」
エフエー出版発行(1987年8月25日)
定価 1,200円(税込)
東建コーポレーション株式会社
代表取締役 社長兼会長 左右田 鑑穂 著

この書籍は本コンテンツでお読み頂けます。

序文

東海ラジオ放送でおよそ二年間にわたって、ユニークな番組構成で聴取者の好評を得てきた「左右田鑑穂のビバ・アーキテクチャー建築への招待」の放送内容が新しく著書として出版されることになった。
戦災で焦土となった日本では、極端な住宅難が続き昭和40年代までそれを解消するための政策が国家的に推進されてきた。しかし、世界トップクラスの経済大国に成長した今日、国の住宅政策は、より快適でゆとりのある高い居住水準の確保が主眼となってきた。

そうした豊かな住まいづくりの時代を迎え、これからの新しい住宅環境はどうあるべきか、といったように、住宅の各部分について、建築デザイナーならではのハイグレードな感覚と専門知識を交えながら、的確で大胆なアドバイスと提言がなされているのが、本書の大きな特色であろう。

21世紀時代といっても、もうあと13年のことであり、決して遠い将来ではない。

左右田鑑穂さんは、強くて合理的な構造にプラスして、便利で使い良い機能、さらには文化性と芸術性を加えたデザインという住宅設計三要素の重要性を説いているが、とくに本書のなかでは、建築デザインの重要性とともに、家族のコミュニケーションを良くする住宅設計の大切さを強調している。核家族による親子の離散や、過度な受験戦争、いじめなどが社会問題となっている折から、こうした家族のコミュニケーションや和らぎを重んじた住まいづくりには、大きな意味がある。

住まいはいうまでもなく、家族が幸せで楽しい快適な住生活を送るスペースである。それだけに単なる機能の追求だけではなく、心安らぐ落ちついた雰囲気がなくてはならない。  21世紀時代の家づくりへの提言といっても、左右田さんはやたらと新しさを追うばかりでなく、モダンなセンスのなかにも、日本建築の伝統とか、日本人の郷愁といったものを重んじた建築技法を説いている。

左右田さんは名古屋出身の世界的な建築家黒川紀章氏の主張に共鳴し、黒川氏の持論である“共生の哲学”を自らの建築理論のなかに巧みに採り入れ、数々の独特な建築作品を生み出してきた実績の持ち主である。それだけに、「おしゃれハウス」の内容は、各章とも現実に即した説得力がある。

その意味で、巻末に左右田さんと黒川紀章氏との建築対談も併載した本書は、これから住宅を新築しようとする人たちへの、良き指針となり、家づくりについての参考書的な役割を果たすであろう。

 

昭和62年6月 東海ラジオ放送 専務取締役 伊藤 新

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