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columnNo.2未成年者との賃貸借契約について

オーナー様と未成年者が賃貸借契約を結ぶことになる場合…例えば、高校を卒業し、就職や進学のために1人暮らしを新たに始める未成年者と賃貸借契約をするといった際に、オーナー様が気を付けなければならない点としてどのようなことが考えられるでしょうか。また、民法上においても、未成年者との賃貸借契約の効力には問題はないのでしょうか。今回は、未成年者との賃貸借契約についてお話します。

未成年者との賃貸借契約

未成年者との賃貸借契約は法定代理人の同意が必要

民法には以下の規定があります。

【民法第5条(未成年者の法律行為)】※一部抜粋
  1. 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
  2. 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

賃貸借契約は、上記で言う「法律行為」に該当します。そのため、未成年者と賃貸借契約を締結するには、法定代理人の同意が必要です。

ここで言う法定代理人とは、原則として親権者である父母を意味します。つまり、未成年者と賃貸借契約を結ぶ場合は、親権者である父母両方の同意が必要になります。もし、同意がない場合は、未成年者本人や法定代理人が賃貸借契約を取り消すことができます。

父母同意のない未成年者との賃貸借契約であっても
「追認」の意志表明があれば有効

仮に未成年者が何らかの方法で父母の同意を得ず、賃貸借契約を結んでしまい、後で父母の同意がない未成年者だと判明した場合はどうなるのでしょうか。

この場合、法定代理人が賃貸借契約を有効なものとして認めるか、もしくは未成年者本人が成人に達した後に、賃貸借契約を有効なものとして認めれば、賃貸借契約の効力は有効となります。

これを法律用語で「追認」と言います。

また、仮に「追認」の意思が表明されなくても、法定代理人や成人に達した未成年者本人が、以下の行為をした際には、原則として「追認」したものとして扱われます。

【第125条(法定追認)】※一部抜粋

次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。
ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

  1. 全部又は一部の履行
  2. 履行の請求
  3. 更改
  4. 担保の供与
  5. 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部
    又は一部の譲渡

上記(1)に該当する行為としては、法定代理人が賃料や敷金を支払うことが考えられます。この場合は賃貸借契約を取り消すことはできない、ということになります。

法定代理人が連帯保証人になっている場合はどうなる?

賃貸借契約の締結に関し、法定代理人の同意はないが、法定代理人が連帯保証人になっている場合はどうでしょうか。

保証人は人的担保の供与と考えられることから、上記(4)の「担保の供与」に該当します。また、賃貸借契約の連帯保証人になったということは、その前提として賃貸借契約を認めたものと考えることができます。つまり、連帯保証人として名前が書かれた書面が賃貸人に提出されているのであれば、賃貸人への「追認」の意思表示があったものと考えることができます。したがって、このような場合も、未成年者や法定代理人は賃貸借契約を取り消すことはできない、ということになるでしょう。

とはいえ、未成年者との賃貸借契約の効力に疑義を生じさせないためには、最初から法定代理人の同意書面を取り付けておくことです。賃貸借契約を締結するに際し、賃借人が未成年者なのか成年者なのか、未成年者であるならば法定代理人である親権者からきちんと同意書面の提出を受けられるのかを事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

親権者からきちんと同意書面の提出を受けられるのかを事前にしっかりと確認しておくことが重要

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