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columnNo.1融資を受けるということ
~「金融機関からお金を借りて事業を行う」ということの基本的な成り立ち~

土地活用・賃貸経営を考える上で、資金調達は極めて重要な位置付けを占めます。

今回からの連載コラムの中で、アパートローンの借入れや借換えのための参考情報をお届けして参りたいと思います。これから土地活用をお考えになる皆さん、すでに賃貸経営をなさっている皆さんの一助となれば幸いです。

今回は「銀行からお金を借りて不動産賃貸事業を行う」ということについて、銀行の立場も踏まえながら考えてみましょう。

銀行からお金を借りて不動産賃貸事業を行う

銀行員にとっての融資とは

まず、銀行員にとっての融資について。銀行は預金者や金融市場から調達した資金を融資したり、金融市場で運用したりして収益を確保しています。どこにも融資できないとなると商売が成り立ちません。そこで、銀行は各営業部店に新規貸出や貸出残高の厳しいノルマを課しており、それは当該営業部店の各行員に割り振られます。ノルマの達成度合いはボーナスの額や出世にも直結していくので、皆、必死です。したがって、銀行員は基本的に融資を実行したいと思っているということを押さえておきましょう。

ただし、貸し倒れが発生すると、収益どころか大きな損失が発生してしまいますので、銀行には融資実行前にその安全性を検証するための審査上の様々なルールや手順が存在します。サッカーに例えると、銀行員は審査という強力ディフェンス陣を突破(説得)してシュートを決める(融資を実行する)必要があり、ここに銀行員としての苦悩もあれば快感もあるわけです。

銀行が取扱うアパートローンの位置付け

次に、銀行が取扱う各種融資の中での、アパートローンの位置付けを考えてみます。アパートローンは、賃料収入を返済原資とする事業性のローンで、借入れに際しては、融資対象物件を銀行に担保として差し入れます。保全面が確保されており、資金使途も明確な融資です。他行との競合もあるでしょうが、金利競争は住宅ローン程熾烈ではないでしょう。そういう意味でアパートローンは、銀行にとってかなり「おいしい」融資であると言えます。企業の設備資金需要が弱く、少子高齢化の進行により住宅ローンも伸びない、という中で、平成27年の相続税の税制改正を引きがねとする相続税対策ニーズも追い風となり、地方銀行等を中心に近年、急速にアパートローン融資を伸ばしていったのです。

しかしながら、人口減少に向かう中でのアパートローンの過熱はやはり不健全。懸念を感じた金融庁が監督姿勢を強めたこともあり、昨年からアパートローンは前年比減少に転じ、急激に減速しています。

銀行が取扱うアパートローンの位置付け

アパートローン審査は借主と銀行担当者が
膝を突き合わせて交渉する人間臭いもの

今後は「アパートローンは、賃料収入を返済原資とする事業性のローン」という大原則に立ち返り、銀行によるアパートローン審査時の事業計画の妥当性の吟味がより厳格になってくるものと思われます。

しかし、彼らも基本的に融資を実行したいと思っているということを思い出して下さい。借主も銀行も「アパートローン実行」という目指すゴールは一緒であり、本来「Win-Win」の関係が成り立つはずなのです。「他行の定期預金を預け替えて欲しい」「保証人を増やして欲しい」というような条件を突き付けられ、腹が立つこともあるかもしれませんが、もしも自分が貸す側だったら?と考えると、納得できるかもしれません。

アパートローンの審査は決して機械的な数字審査ではありません。借主と銀行担当者が膝を突き合わせて話し合い、譲歩し合う中で突破口を見出していく人間臭いものです。銀行員がシュートを決めるためには、借主の絶妙なアシストが必要なのです。そして、無事融資が実行されたとき、お互いの間に戦友にも似た深い信頼関係が醸成されていることでしょう。

アパートローン審査は借主と銀行担当者が膝を突き合わせて交渉する人間臭いもの

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