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【vol.2】賃貸住宅における「住宅用火災警報器」の設置率は94.7%!義務化から10年作動確認

2017年11月30日

2017年の5月、福岡県北九州市にある賃貸アパートで火災が起き、入居者6人が死亡するという痛ましい事故がありました。火災は深夜に発生し、就寝中であったため逃げ遅れたことが死亡の原因と報道されています。皆さんのご自宅や所有している賃貸住宅には、「住宅用火災警報器」が設置されていますか?

2006年6月に消防法が改正され、賃貸住宅への住宅用火災警報器の設置が義務化されました。
住宅用火災警報器とは、火災により発生する煙を感知し、警告音や音声アナウンスにより火災の発生を知らせる住宅設備です。総務省では2008年から毎年、住宅用火災警報器の設置率を調査の上、発表していますが、毎年徐々に上昇傾向にあります。2008年6月当時は35.6%でしたが、2016年6月時点では、81.2%となりました。賃貸住宅における設置率は、なんと94.7%に達しています。

住宅用火災報知器

住宅用火災警報器を設置している場合、
死者の発生率は3分の2に減少

アメリカでは、日本に先立つこと約30年、1970年代の後半から住宅用火災警報器の設置が国によって推奨され、各地の州法で義務付けされました。2010年時点の設置率は96%となっています。これにより、住宅火災による死者数が6,000人程度から2,500人程度に減少したという統計結果も出ています。

日本ではどうでしょうか。住宅火災における死亡者数は、毎年1,000人前後です。2013年から2015年にかけて消防庁が実施した効果分析によると、住宅用火災警報器を設置している場合、設置していない場合と比べ、死者の発生率は約3分の2、床損傷面積や損害額は約2分の1にまで減少しています。

また、火災の発生件数自体にも変化が生じています。2005年の住宅火災件数は1万7,014件、死者数が1,220人でしたが、2014年には、住宅火災件数は1万1,855件、死者数は1,006人となっており、住宅用火災警報器の設置が義務化された2006年以降は減少傾向にあります。

住宅防火関係

【データ引用:総務省消防庁のホームページ「住宅防火関係」より】

死亡の原因の54.1%を占める「逃げ遅れ」を防ぐために、消防庁は住宅火災警報器の設置を盛んに呼びかけています。その一方で、2014年の統計の結果からは「死者の7割が高齢者である」ということも明らかになっています。高齢者の方や目・耳の不自由な方のために、音や光の出る警報装置もありますので、不安な方は検討してみるのもいいかもしれません。

死因は逃げ遅れが多いこと。
警報機は寝室に設置しましょう

“住宅用火災警報器の設置は義務であるが、違反に対する罰則がない”ということで普及が懸念されたにもかかわらず、実際の設置率が高くなっていることは喜ばしいことです。しかし、設置だけしていても、いざというときに作動しなければ意味がありませんので、定期的に作動確認することが大切です。

住宅用の火災警報器設置が義務化されてから10年が過ぎましたが、日本火災報知器工業会は、10年を目安に火災警報器を交換することを推奨しています。古くなった火災警報機は電池切れを起こしていたり、電子部品が劣化していたりする可能性があるため、早めに交換するのがよいでしょう。交換するときには、本体側面などに「設置年月日」をしっかりと記載し、正常に作動するかどうか確認しましょう。

住宅用火災警報器は、寝室に設置するのがもっとも効果的です。冒頭で触れた事故もそうですが、近年の住宅火災による死亡の要因は「逃げ遅れ」が5割超と最も多いため、寝室への設置は必須です。火災が最も多く発生するのは8~21時の間であるにもかかわらず、火災による死者数は就寝時間帯である23~4時にもっとも多くなっていることからも、眠っている間の危険性の高さが伺えます。

寝室が2階以上にある場合は、階段室にも火災警報器を設置することになっています。これは、寝室からの避難経路を確保するためです。階段室には煙が集まりやすいため、避難時には注意しましょう。
地域によっては、市町村条例によって、台所などにも住宅用火災警報器の設置が必要となっている場合もあります。
詳しくは、管轄の消防署へ確認してみましょう。

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