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【vol.5】「賃貸住宅管理業者登録制度」と「賃貸 不動産経営管理士」とは?

2017年11月30日

2011年から任意の登録制度としてスタートした「賃貸住宅管理業者登録制度」が一部改正となり、2016年9月から登録が義務化されました。この義務化によって、賃貸管理会社の事務所ごとに1名以上の「賃貸不動産経営管理士」、
もしくは管理事務経験が6年以上の実務経験者を置くことが必須となりました。

不動産経営管理士

ルールを明確にしてトラブルを減らす「賃貸住宅住宅管理業者登録制度」

まず、同制度が創設された背景をみていきましょう。
国土交通省の「民間賃貸住宅に関する市場環境実態調査(2010年)」によると、約1,770万戸ある民間賃貸住宅のうち8割強は個人所有で、さらにその8割は管理会社に委託されています。つまり、全体の6割以上にあたる民間賃貸住宅は、個人ではなく管理会社によって運営・管理されているのです。

今まで、賃貸住宅管理業務に関する業界の統一ルールはありませんでした。そのため、管理会社により原状回復や家賃回収など管理業務の対応が異なる場合があり、結果として借り手を混乱させることになりました。
また、一部の悪質な管理会社による更新料の過剰請求、家賃滞納者に対する強引な取り立てや、敷金の返還に関するトラブルなどの苦情が、国民生活センターに数多く寄せられていました。

このようなトラブルを防ぐために2011年に創設されたのが「賃貸住宅管理業登録制度」です。同制度は、賃貸住宅管理業務に一定のルールを設けることで、入居者様と賃貸経営をされるオーナー様を保護する役割があります。

賃貸管理に必要となる資格「賃貸不動産経営管理士」

今回の「賃貸住宅管理業者登録制度」の登録義務化で注目されているのが、「賃貸不動産経営管理士」です。賃貸不動産経営管理士は、全宅連(全国宅地建物取引業連合会)、公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会、公益社団法人 全日本不動産協会の3団体で構成された「一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会」が実施する、業界統一の資格制度です。

この資格は、賃貸不動産管理に必要な知識・技術・技能などを持っていることを証明する資格です。具体的には、建物の維持管理や不具合への対応、契約終了時の原状回復工事など業務知識の他、入居者様や賃貸経営をされるオーナー様へのコンサルティング、重要事項の説明などを行ないます。売買・仲介に必要な資格が「宅地建物取引士」であるのと同様に、賃貸管理に必要な資格は賃貸不動産経営管理士と言うことになります。

一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会の発表によると、改正後に行なわれた「賃貸不動産経営管理士試験」の受験者数が、前年比で3倍に増えたと言います。今回の改正に伴う経過措置が2018年6月までとされ、資格取得を急いだ人々が多くいたためと推測されます。

賃貸管理業に関する今後の展望

今、賃貸住宅業界では、管理業務の重要性が日々増してきています。そのため、業界の健全化を目的として、“賃貸管理に関する法整備”や“賃貸不動産経営管理士の国家資格化”が検討されています。

また、サブリース事業者(賃貸不動産経営管理士、もしくは管理事務経験が6年以上の実務経験者に限る)は、サブリース契約を結ぶオーナー様に対し、家賃が将来変動する可能性について、書面と口頭で説明することも併せて義務化されました。

これまでもオーナー様に対し、サブリース契約の詳細を説明する規定はありましたが、より厳格化されることになりました。これは、サブリース契約の内容が分かりにくく示されていることなどが原因で、トラブルが発生したためです。管理業務が法のもとにルール化されることは、入居者様と賃貸経営をされるオーナー様の双方にメリットをもたらします。どこの不動産会社へ行っても、賃貸アパート・マンションの管理が適切に行なわれていれば、入居者様は安心して賃貸住宅に住むことができます。

また、登録事業者・管理業者の情報公開は、賃貸経営をされるオーナー様が管理会社を選ぶときの判断材料ともなります。これらの理由から、一刻も早い法整備と賃貸不動産経営管理士の国家資格化が望まれています。

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