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【vol.7】タワーマンションを利用した「タワマン節税」に“待った”の声。税法改正により、高層階への課税額が上がります。

2017年11月30日

タワーマンション

2017年度税制改正の大綱では、タワーマンションにおける固定資産税と相続税の課税基準が変更され、“高層階程課税額が高額になる”という見直しが行なわれました。対象となるのは、高さ60m、20階以上のタワーマンションで、2018年以降に引き渡す新築物件になります。今回の改正の要旨は「高層階は増税」、「低層階は減税」、「中層階は税額据え置き」というもので、階層の差異による取引価格の違いが考慮されています。

具体的には、中間階を基準として、そこから1階上がるごとに約0.26%税率が上がり、1階下がるごとに約0.26%税率が下がります。例えば、40階建てのタワーマンションの場合、中層階に課される固定資産税額が年20万円だとすると、最上階の40階では約21万円、1階では約19万円となります。他にも天井の高さが基準値を超えていたり、付帯設備が豪華だったりすると、別途増額となる場合があります。

タワーマンション

タワーマンションにおいて、固定資産税額の算出方法が見直しへ

固定資産税とは、固定資産の所有者に対して課される税金です。分譲マンションの場合は、固定資産税評価額を床面積の割合で按分して負担額を計算します。床面積が同じであれば、高層階と低層階の固定資産税額は同額ということです。

しかし、実際の取引価格はどうでしょうか?高層階のほうが高値で取引されているのは誰もが知っている事実です。高層階と低層階では、その価格には大きな差があるにも関わらず、それが税額には反映されていません。そのため、低層階に住んでいる人も高層階と同じ水準の固定資産税を納めることとなり、「不公平」との指摘がありました。

また、この固定資産評価額は相続税額の算出にも用いられるため、富裕層は高層階の税額が相対的に低いことに目を付けました。そして、固定資産税や相続税の節税対策として高層階を購入する動きが広がっていったのです。

「タワマン節税」とは

タワマン節税」とは、資産をタワーマンションに組み替えることで、相続税評価額を下げ、負担を減少させることを指します。それではなぜタワーマンションを保有することが節税になるのでしょうか?その理由は、税金を計算する際に使われているマンションの財産価値の評価方法にあります。

固定資産税や相続税は、各戸の広さに応じて平等に割り振られるため、多くの世帯が入居しているタワーマンション程、一人当たりの面積割合が減り、税金が安くなります。また、高層階のほうが取引価格が高いにも関わらず、低層階と同じ広さなら評価額は同額です。そのため、高層階程、税法上の評価額を実際の取引価格よりも低く抑えることができるのです。

その結果、土地・建物にかかる税額が按分で計算されるのに加え、高層階であれば、実際の資産価値が高くても、税額を安く抑えられるというわけです。これがタワマン節税の仕組みです。

タワーマンションの保有が節税になる理由

  • 1. 土地・建物の評価額が按分されて安くなる
  • 2. 高層階の物件であれば、取引価格に対して評価額を安く抑えられる

タワーマンション 今後の展望

政府は、資産家だけが得をするタワマン節税について、課税の公平性において問題があるとし、今回の税制改正を実施しました。しかし、既存のタワーマンションについては、すでに高層階を購入した住民から強い批判が予想されるため、現状のままの税率を適用する方向です。また、これまでは居住階数に関係なく、広さに応じて管理費や修繕積立金が設定されていました。今後は、高層階の負担を多くするかわりに、議決権などを多く与えるなど、様々なケースが考えられるでしょう。

これから制度が整備されていくとはいえ、既存の中古物件への影響も出てくるかもしれません。今後、タワーマンションの購入を検討する人は、税制の動きにも注意を払う必要がありそうです。

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