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【vol.9】シェアハウスもコンセプトの時代へ <前編>

2017年11月30日

シェアリングエコノミー”という言葉をご存知でしょうか?テレビのニュースや雑誌などで一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。日本語に直訳すると「共有経済」です。

インターネット上のプラットフォームを介して、場所やモノ、時間、スキル、お金などを個人(法人)間でシェア(賃借や売買)していく新しい経済のことを言います。つまり、使われていない資産や土地などを有効活用することで、新たな価値を生み出そうというものです。

日本では2012年からこの言葉が登場し、2016年が“シェアリングエコノミー元年”と言われています。今ではありとあらゆるものがシェアされる時代になり、“シェアリングエコノミー”という言葉も世間に浸透してきました。そして、“家”のシェアもまた、例外ではありません。

シェアハウスの台頭

首都圏を中心に、若者の間で急速に広まった「シェアハウス」は、今や全国に広がっています。シェアハウスとは、1戸の住居を複数人で共有するスタイルの住宅のことを指します。寮母さんはいませんが、現代版の下宿をイメージすると分かりやすいでしょう。

リビングや台所、浴室・トイレなどを共同で使い、個室は入居者様それぞれにあてがわれているのが特徴です。光熱費やインターネット代が家賃に含まれていることが多く、お得な条件も見られることから、社会人のなかにも一度は入居を考えている人は多いようです。

日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の調べによると、貸しルーム事業者は、全国で約600事業者(2013年時点)おり、2006年以降、新規参入事業者が大幅に増加しています。また、シェアハウスの物件紹介などをしている株式会社ひつじインキュベーション・スクエア(東京都渋谷区)の調査によると、シェアハウスの住戸数は、1万9,208戸に達し、年率 30%程度(2013年時点)で供給数が増加しています。各種メディアでも取り上げられ、一種のトレンドとして認知されるまでになりました。

シェアハウス

自分好みのコンセプトを選べる

近年は、シェアハウスごとに特定のコンセプトを掲げる事業者が目立ち始めています。国土交通省「平成25年貸しルームにおける入居実態等に関する調査結果概要」によると、シェアハウス事業者への質問で、「一貫した貸しルーム事業のコンセプトがある」と回答したのは全体の40%を占め、続いて「貸しルームごとにコンセプトがある」は35%となりました。データが示す通り、事業戦略を持った運営事業者が多いことが分かります。

一方で、入居者様はどうでしょうか。どのような人がシェアハウスに住んでいるのかと言うと、2011年に行なわれた調査では男性の占める割合が多い結果となりましたが、2013年の調査では女性の方が多いという違いはあるものの、男女比はほぼ均衡しているという結果になりました。また、入居者様の年齢は、25~30歳が占める割合が最大で、30~35歳、35~40歳と続きます。

シェアハウスの入居理由については、シェアハウスの最大の利点である「家賃が安いから」が64.3%で最も多い割合を占めました。続いて「初期費用が安いから」(39%)、「即入居が可能だから」(35.7%)となっています。また、コンセプトを重視している事業者側に対して、「コンセプトが気に入ったから」という入居者様の声は13.3%でした。

こうした結果から、入居者様がシェアハウスを選択する理由は、一般に賃貸住宅を選択する場合の理由と同様の傾向が見えますが、ある一定数は、シェアハウスのコンセプトを重視していることが分かります。そうした中、国際交流型や趣味共有型、生活支援型など様々なコンセプトのシェアハウスが登場しています。

後編ではコンセプト型のシェアハウスの特徴をご紹介します。コンセプトを掲げることで、どのような層に需要があるのかなどを紐解いていきます。

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