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【vol.14】知ると知らないとでは大違い!2017年だけで5つも変わった賃貸経営に関する法律の話<前編>

2018年1月31日

賃貸契約イメージ

昨年は賃貸業界にとって大改革の年でした。
というのも大きな法改正が5件もあったからです。その中で最もインパクトがあったのは、120年ぶりに可決した改正民法と言えます。新民法により、個人保証の制限や敷金の定義も法律で明文化されました。その他、民泊新法や住宅セーフティネット法、IT重説(ITを活用した重要事項説明)、家賃債務保証会社登録制度についても新たな動きがありました。

賃貸経営されるオーナーの皆様にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、賃貸経営をする上で切り離すことのできない法改正になっています。

「情報を制する者は経営を制す」という言葉があるとおり、知ると知らないとでは雲泥の差です。この法改正はどれも重要な話になりますので、ライバルと差をつけるためにも覚えておいて損のない話ばかりです。

それではまず「改正民法」及び「民泊新法」について、賃貸経営されるオーナー様の目線で触れていきたいと思います。

改正民法

2017年5月26日、120年ぶりに民法が改正されました。これは民法制定以来、120年ぶりの抜本改正です。賃貸経営されるオーナー様が把握しておきたい賃貸借契約にかかわる内容は大きく分けて4つあります。

1.「敷金」の返還義務について

「保証金」や「預かり金」など、地域によって異なっていた呼び名が「敷金」に統一されました。
また、敷金は家賃などの担保に充てられるものと定義し、退去時には基本的に、貸主は敷金を返還しなければいけないことが明文化されました。

2. 原状回復について

今までは敷金から原状回復費用を差し引いた額を返還していましたが、借主が普通に生活してできた傷や汚れの修繕費は差し引くことができなくなりました。また、原状回復の負担割合も明文化されました。

3. 保証の限度額について

連帯保証人が個人である場合は、あらかじめ保証の限度額を定めておくことが必要になりました。定められていない契約書は無効となります。

4. 賃料等の減額について

エアコンや水回りの居室設備が損失し、使用できなくなってしまった場合、賃借人の請求がなくても賃料等が減額されることになりました。

以上4点が今回の民法改正に伴い、法律で明文化されたポイントです。施行後は有識者によって見解が異なっていた解釈も統一され、敷金の返還に係わるトラブルも減ると見込まれています。

民泊新法

民泊新法

近年、海外からの観光客が増えたことで、日本でも急激に民泊サービスが普及してきました。しかしその一方で、近隣住民からの苦情も増え、民泊が社会問題にまで発展しています。そこで国は、民泊サービスを健全に普及させる目的で、2017年6月9日に「住宅宿泊事業法案」を定めました。
通称、「民泊新法」と呼ばれるものです。

民泊新法下の民泊サービスは、今までの旅館業法には当てはまらない、新しい営業形態となります。主な特徴は以下のとおりです。

【 民泊新法が定める民泊サービスの主な特徴 】

1. 宿泊(営業)日数は年間180日以内

2. 都道府県知事に商号や氏名、住所、図面、誓約書などの届け出が必要

3. 宿泊者の衛生、快適性、利便性の確保

4. 宿泊者名簿の作成

5. 周辺地域への説明、苦情の対応

6. 標識の掲示や再委託の禁止、賠償保険の加入など

※市区町村の定める条例によって異なる可能性があります。

民泊新法は、民泊サービスの定義を細かく定めることで、民泊に起因するトラブルを減らし、民泊業界を盛り上げることが目的です。早ければ2018年1月にも施行予定であり、宿泊施設の不足や空き家問題などの解決も期待されています。

民泊新法が施行されれば、これから民泊サービスを始めてみたいとお考えのオーナー様にとっては、またとないチャンスになるでしょう。今までは「簡易宿所」としての営業許可を取る必要があり、ハードルが高かったといえますが、今後は比較的気軽に参入することができるようになります。

しかし、気軽だからと言って近隣住民への配慮を怠り、宿泊者への対応をおざなりにすれば、トラブルに繋がることは必至です。追い風が吹いているからといって、楽して稼げる良い儲け話ではありません。
通常の賃貸経営と同様に、使用者の立場に立って部屋を提供し、健全な民泊サービスを徹底することに努めましょう。

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