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【vol.15】知ると知らないとでは大違い!2017年だけで5つも変わった賃貸経営に関する法律の話
<後編>

2018年2月6日

前編では改正民法と民泊新法についてお話しました。

後編では、賃貸経営をされるオーナー様に知っておいて頂きたい住宅セーフティネット法IT重説(ITを活用した重要事項説明)家賃債務保証会社登録制度について解説していきたいと思います。

住宅セーフティネット法

住宅セーフティーネットイメージ

法律や国土交通省令で定められた住宅確保要配慮者(低額所得者・被災者・高齢者・障碍者・子供を養育している者・外国人など)の入居促進に関する法律「住宅セーフティネット法」の一部改正が、2017年4月26日に公布されました。
この法律は、住宅を確保するのが困難な人々に対して、その住居確保を支援する制度です。

住宅セーフティネット法では、要配慮者の入居を拒まない住宅を賃貸人が都道府県等に登録。登録された住宅に対して、国と地方公共団体が協力して改修費を支援します。改修費は、補助金として国が3分の1、交付金として国が3分の1、地方が3分の1の割合で支出します。

また、今回の法改正により、低所得者の入居負担軽減のために支援措置が追加されました。こちらは入居者に対して行われる経済的支援です。家賃低廉化に要する費用は、上限4万円として国と地方が半分ずつ支援します。家賃債務保証料の低廉化に係る補助は、上限6万円として、こちらも国と地方が半分ずつ支援する形になります。

総務省統計局によると、2013年時点での空き家の数は全国におよそ820万戸と発表されました。空き家が増えると周辺地域の治安悪化や犯罪の増加に繋がる傾向があり、住宅市場の供給バランスにも影響すると言われています。
このような空き家問題と、住宅確保要配慮者の入居差別問題を同時に解決できる手段として、住宅セーフティネット法は期待されています。

IT重説

2017年10月から解禁となった「ITを活用した重要事項説明」(以下、IT重説)は、対面以外の方法で、賃貸借契約における重要事項を説明することを言います。IT重説は、テレビ電話やテレビ会議システムなどを使用するもので、時間とコストが大幅に削減されるため、遠隔取引には大きなメリットとなりそうです。

例えば、福岡から東京の物件に賃貸借契約を申し込んだ人がいた場合、今まではたった10分の重要事項説明のために、数万円の飛行機代を払い、数時間かけて東京の不動産会社に行く必要がありました。しかしIT重説であれば、福岡にいながらにして、東京の不動産会社とテレビ電話するだけで契約が可能です。今までと比べると、お金も時間もそれほどかかりません。

今後はこのIT重説を皮切りに、契約までの流れが一貫してIT化される時代がやってきます。すでにVR(バーチャルリアリティ)を活用して物件を内見できる遠隔接客型の仲介店舗も出てきました。

不動産業界はこのように続々とIT化されていくため、これらの新技術を活用しない手はありません。これらの普及にはまだ時間がかかるかもしれませんが、急な転勤や法人契約の場面など、今後も様々な場面でIT化によるメリットを受ける人が増えることが予測されます。

IT重説イメージ

家賃債務保証会社登録制度

近年、少子高齢化や人間関係の希薄化により、親族から連帯保証人を確保することが難しくなっています。そのため、家賃債務保証会社のニーズは高まる一方ですが、悪質な保証会社による取り立てトラブルも相次いでいます。

そこで国は、悪質な保証会社を排除する目的で、家賃債務保証会社を登録制にしました(2017年10月25日施行)。
これにより、悪質業者の取り締まりが強化され、賃貸経営をされるオーナー様や入居者様は一定の基準を満たす保証会社を安全に探すことができます。

安全な保証会社かどうか事前に知ることができれば、それも入居者にとっては物件探しのひとつの基準になります。
オーナー様とこの制度の間に直接的な接点はないかもしれませんが、ホームページ上などでも情報が公開されるため、悪質な保証会社を見分ける基準になることは間違いないでしょう。

以上、直近の賃貸管理業の法改正についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。これらの法改正は、入居者が安心して賃貸住宅に住めるように考えられたものです。

『情報を制する者が経営を制する』この時代。
「いつの間に法律が変わったの?」とならないためにも、アンテナを張っていち早く情報を取り入れておくことが重要です。2017年は大きな法改正が5件もあり、これからも時代に合わせた法改正が頻繁に行われるでしょう。賃貸経営をされるオーナー様は日々、様々な情報に目を向けてみてください。

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