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【vol.16】10月から「家賃債務保証登録制度」がスタート

2018年2月16日

家賃債務保証会社を知っていますか?
家賃債務保証会社とは、簡単に言うと部屋を借りるときの保証人を民間の企業が代行するというものです。近年、家賃債務保証会社の利用者数は増加傾向にあるといわれています。実際に、管理会社が結ぶ賃貸借契約の約91%がなんらかの保証を求めており、そのうち約60%が家賃債務保証会社を利用しています。(参考資料:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(平成28年度)家賃債務保証会社の実態調査報告書)

この背景には、高齢単身者の増加や賃貸入居者の両親が定年後で保証人になれないなどの理由が考えられます。更に、保証する限度額(極度額)の設定が要件化されることにより、連帯保証人の確保が難しくなることを考えると、保証会社の利用増加は今後も見込まれます。

連帯保証人イメージ

一方で、家賃債務保証に関わるトラブルは増加傾向にあることが、消費者生活センターに寄せられた相談内容によってわかりました。

内容としては、「身に覚えのない保証会社からの請求」、「保証契約を結んだ覚えがない」、「保証人がつけられないから保証会社を利用したのに、保証会社から保証人を求められた」などです。これらをみると、利用件数は増加していますが、消費者がまだまだ家賃債務保証についての知識が乏しいことからトラブルになっていることもあるのではないかと思われます。

これらを解決するべく、昨年の10月から「家賃債務保証登録制度」がスタートしました。また、このことは、別記事でも記載していますが「住宅セーフティネット法」施行とも関わりがあります。

登録する会社の条件

家賃債務保証会社は、現行では監督官庁がなく、「自主ルール」に則って経営が行なわれ、督促や回収業務に関しても各社のやり方に任せるしかありませんでした。

しかし、今後は「社内規則の整備」や「社内研修の実施」、「業務経験を有する役員等が従事」などの要件を満たしていなければ登録できないなど、業務ルール等を整備されました。具体的には、家賃債務保証会社は、一定の要件を満たした企業が登録されます
登録の基準は、下記の通りです。

 

登録の基準

  • ◆以下の基準等に適合する家賃債務保証業者を登録
  • ・暴力団員等の関与がない
  • ・安定的に業務を運営するための財産的基礎(純資産額1,000万円以上)
  • ・法令等遵守のための研修の実施
  • ・業務に関する基準を規定した内部規則・組織体制の整備
  • ・求償権の行使方法が適切である
  • ・相談又は苦情に応ずるための体制整備
  • ・法人の場合、家賃債務保証業を5年以上継続していること又は常務に従事する役員のうちに、家賃債務保証業務に3年以上従事した経験がある
  • ・使用人(事務所の代表者)について家賃債務保証業の経験が1年以上 等

家賃債務保証会社の登録メリットは、適正に保証業務を行なう安心できる保証会社ということが証明されることです。また、オーナー様としても上記の要件を満たしている保証会社となれば、利用する際にある一定の信用基準を得られるといえるでしょう。

家賃債務保証会社関連図

仲介会社は契約内容の説明義務あり

登録制度と一言で言っても実際のところ、どのように変わるのでしょうか?
具体的には、次のようなことがルール化されています。

登録した家賃債務保証会社は、「従業者証明書を携帯させる」、「賃借人ごとの弁済履歴を記録した帳簿の備付け」、「回収した金銭は分別管理する」、「登録業者であることを表示する標識を掲げる」、「違約金等について消費者契約法に反する契約の制限」など業務的なものです。

また、毎年業務と財産状況を国交省に報告する義務もあり、純資産が1,000万円を下回ったら、登録は取り消しされます。

仲介イメージ

その他、保証委託契約を結ぶ際に、書面交付と契約内容の説明をする必要があります。これは、実務上、仲介不動産会社が行なわなくてなりません。
しかし、説明をするとなると契約業務が今まで以上に時間がかかってしまい、手間がかかります。この業務を仲介不動産会社が怠った場合でも、登録している家賃債務保証会社が罰せられることになります。

新しい登録制度がスタートすることで、賃貸経営をされるオーナー様、消費者様(入居者様)にも家賃債務保証や制度について認知していく必要がありますね。

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