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【vol.17】空き家を活かす、住宅セーフティネット法。一部改正で何が変わる?

2018年2月21日

空き家を活用し、住宅確保要配慮者(低額所得者・被災者・高齢者・障がい者・子供を養育している者・外国人など)が賃貸住宅を借りやすくなる「住宅セーフティネット法」の一部改正が2017年4月26日に公布されました。

この法律は、住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)の入居を拒まない、空き家を活用した賃貸住宅の登録制度です。住宅を借りることに苦労している人に対して、住居の提供を支援し、賃貸人・賃借人の双方に公的な補助を行うというものです。

要配慮者イメージ

住宅セーフティネット制度の枠組み

今回の一部改正により、新たな住宅セーフティネット制度の枠組みができました。改正内容は以下のとおりです。

・住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度

・登録住宅の改修・入居への経済的支援

・住宅確保要配慮者のマッチング

・入居支援経由

住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度は、賃貸経営をされるオーナー様が要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を、都道府県に登録する制度です。
登録基準は、床面積が一定の基準以上であること、耐震性を有すること、一定の設備を設置していることなどです。この項目で、要配慮者の範囲(低額所得者・被災者・高齢者・障がい者・子供を養育している者・外国人など)も定められました。

次に、国と地方公共団体が協力して改修費補助を行う、登録住宅の改修・入居への経済的支援制度です。用途変更のための改修や間取り変更、耐震改修工事といった改修費は、1戸あたり50万円(共同居住用は1戸あたり100万円)を上限としています。補助率は、国が費用の3分の1まで、地方公共団体を通じた補助は、国が3分の1、地方が3分の1を補助します。

空室イメージ

今回の法改正により低額所得者の入居負担軽減のための支援措置も追加されました。こちらは入居者に対して行われる経済的支援です。家賃は最大で4万円まで補助されますので、家賃5万円のお部屋の場合、実質的な出費は1万円になります(国費による補助金限度額は2万円。地方公共団体が同額を支援してくれた場合に最大金額の4万円になります)。
保証会社へ支払う家賃保証費は最大で6万円まで補助されます。

その他にも入居者への支援として住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援があります。これは、都道府県が指名した家賃債務保証等の居住支援団体が、登録住宅の情報提供や入居相談を行い、要配慮者が安心して家賃債務保証を受けられるように支援するものです。また、生活保護受給者の住宅扶助費を代理納付する要否を判断するための手続きが創設されます。

これにより、家賃滞納のケースにおいて、賃貸経営をされているオーナー様から福祉事務所に直接通知できるようになりました。
代理納付が必要と判断されれば、市町村より支給される生活保護費の中から、家賃相当額が直接オーナー様に支払われるようになります。

要配慮者が安心して暮らせる社会に

「住宅セーフティネット法」は、要配慮者が安心して暮らせる住まいを確保するための制度です。改正内容を理解し、適切な運用をすることが必要です。

(株)野村総合研究所によると、2033年には空き家の数が2,146万6,000戸に達すると発表されています。空き家が増えると周辺への悪影響や犯罪の増加、住宅市場の供給バランスにも影響すると言われています。この空き家問題と、住宅確保要配慮者の入居差別問題を同時に解決できる手段として、「住宅セーフティネット法」は期待されています。

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