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【vol.39】宅建業法改正により、賃貸住宅の仲介時にも「ホームインスペクション」の結果説明が義務化

2018年9月27日

2018年4月1日に施行された改正宅建業法により、売買だけでなく、賃貸住宅の仲介時にも「ホームインスペクション(住宅性能調査)」の結果の説明が義務化されました。

ホームインスペクションとは、住宅の設計・施工に詳しい建築家や検査会社の専門家が、住宅の現況について調査を行ない、不具合の有無、補修すべき箇所、及び時期などを客観的に検査することをいいます。

ホームインスペクションの重説義務化によって、不動産会社には今後、どのような影響が及ぶのでしょうか。今後の動向や業界全体の展望とあわせて、詳しくご説明しましょう。

調査

事前にオーナー様から調査結果の写しを取り寄せることが必要に

 ホームインスペクションの結果説明の義務化によって、今までの業務と異なる点は、賃貸借契約を結ぶ際の重要事項説明において、「ホームインスペクション実施の有無」や「調査概要」を書類に記載しておき、そのことについて借主に説明しなければならなくなったことです。

宅建業法改正後の賃貸住宅仲介の流れ

宅建業法改正後の賃貸住宅仲介の流れ

したがって、宅建業法改正後は、その賃貸物件がホームインスペクションを実施済みであるかどうか、事前にオーナー様に確認をする必要が出てきます。

ホームインスペクション済みの物件であれば、「重要事項説明書」に以下の項目等についての診断結果を記載するか、「添付の書類に記載」と明示して、別途書類を添付します。調査をしていないのであれば、重要事項説明書には「ホームインスペクション 無」と記載します。

【ホームインスペクションにおいて検査すべき劣化事象等の例】

  • 1. 構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの
    (例:蟻害(ぎがい)、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等
  • 2. 雨漏り・水漏れが発生または発生する可能性が高いもの
  • 3. 設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの
    (例:給排水管の漏れや詰まり等)

そのため、賃貸借契約を結ぶ際には、仲介会社が事前にオーナー様から調査内容の写しを取り寄せ、重要事項説明書に記載すると共に、契約時に調査内容がどのようなものだったかを借主に対して説明することになります。

重要事項説明書

万一、仲介会社がホームインスペクションの有無を確認せずに、「無」として借主に説明した場合には、「事実の不告知」として宅建業法違反と見なされる可能性があります。悪質な場合には業務停止等の処分もあり得ることから、各仲介会社にはしっかりとした対応が求められます。

その一方で、ホームインスペクションの説明義務がしっかり果たされているかどうかの調査は、なかなか難しいのが現実です。改正宅建業法の本制度については、借主や仲介会社へ充分に周知されていなければなりません。

国土交通省では、住宅の性能を把握できるホームインスペクションについて、誰が検査をしても同様の結果が得られやすくするように、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を2013年6月に策定。

① 構造上の耐久性に関わる調査部位、及び② 雨水の浸入防止に関わる調査部位の基準を、ホームページに参考用テンプレートとして掲載しています。

建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)
▲ホームインスペクションの結果を記載する
「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)」

ホームインスペクションの拡大により新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も

ホームインスペクション

改正宅建業法の施行が新たなビジネスチャンスとなり、経済効果を生み出すことも期待されています。

ホームインスペクションの実施が義務化されたことにより、住宅を調査する専門家は今までよりも数多く必要になり、住宅性能調査の需要も高まります。

また、住宅の劣化部位が早い段階で発見されるようになれば、そこを修理するビジネスや、住宅性能保証をつけて利益を得るビジネスも盛んになるでしょう。

ホームインスペクションを軸に、様々なビジネスがオプションとして生まれると見込まれます。

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