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【vol.43】既存住宅市場のさらなる活性化へ。 中古住宅流通市場8兆円、リフォーム市場12兆円に(国交省)

2018年10月24日

中古住宅流通・リフォーム市場を20兆円へ拡大する「新住生活基本計画」が、国土交通省により、2016年3月に閣議決定されました。

「新住生活基本計画」では、2025年に中古住宅流通市場規模を8兆円に、リフォーム市場を12兆円とする目標が設定されています。

国交省は、この目標を達成するためには、良質な既存住宅が次世代へ流通していく、「新たな住宅循環システム」の構築が必要であるとしています。また、住宅の省エネ化や長期優良住宅化リフォームへの支援、インスペクション(診断)や瑕疵保険などの活用も行なっていく考えです。

リフォーム

住宅をよみがえらせる「買取再販事業」

日本は欧米に比べると既存住宅の取引が少なく、中古住宅流通の市場が成熟していないのが現状です。

そこで、国は新たな住宅循環システムの一つとして、「買取再販事業」の整備を掲げています。「買取再販事業」とは、買取再販事業者が既存住宅を買い取り、増改築をした上で販売することを言います。

まず、買取再販事業者が中古のマンションを購入後、業者により状態の確認、カギの交換、不用品の処分、リフォームが行なわれます。

さらに、マンション名を変えたり、ホームページを一新したりすることで、そのマンションを現代風によみがえらせるのです。

その結果、事業者側は、短期間で売ることができますが、リフォーム代など再販の準備に必要な費用を差し引かれることから、通常の仲介による売却に比べて、利益が少ないというデメリットがあります。

買取再販事業

しかし、ユーザーは良質な既存住宅を手に入れることができることになり、事業者の供給する住宅の質が上がると期待されています。

また、「買取再販事業」の工事で、一定の品質向上が認められた既存住宅については、所有権移転登記に係る登録免許税の税率が0.3%から0.1%に減税されるようになりましたが、この適用期限も延長される見込みです。これにより、改修工事の質向上を促し、さらには安心・安全な取引にもつながると考えられます。

実際の買取再販の市場規模はというと、矢野経済研究所は、2016年1~3月の推定成約件数(戸数)は1,979件で、販売総額は推定で約588億円、4~6月は1,814件で、約573億円になると発表しました。

この半年間のデータから、年間の買取再販型の中古マンション市場は、約8,000件2,000億円規模になると判断しています。成約価格については1~3月が1戸当たり平均2,970万円、4~6月が平均3,160万円と推計しました。

不要になった住宅を買い取り、リフォームして販売する「買取再販事業」の市場規模は、年間で最大500億円程度になると予想しています。

中古マンションの流通と市場の活性化

2017年の税制改正では、省エネ化や耐震化、バリアフリー化といった既存住宅のリフォームを行うことで、翌年の固定資産税を一定割合減額するという特例措置の延長も引き続き適用されました。

買取再販事業の整備に加えて、これらのリフォームにより住宅の価値を高め、リフォーム市場の活性化につなげていく狙いです。

また、好立地の土地がなくなり、地価上昇や建築費の高騰が叫ばれている今、シニア世代が相続時にマンションを売却すると想定すると、今後も中古マンションの流通と市場の活性化は続いていくことでしょう。

中古マンション

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