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columnNo.16~ 2020年民法改正 ~ 家賃滞納と法定利率

2020年に施行される新民法。今回は、法定利率の改正について解説します。

アパート経営では、入居者様の家賃支払いが滞ってしまった場合に、滞納分の請求額計算で、「法定利率」が問題となる場合があります

一体どういうことか、詳しくみていきましょう。

法定利率は、家賃滞納の損害金の計算基準になる?

アパートなどの賃貸借契約書に、家賃滞納時の遅延利息の利率を定めていない場合や、定めていても契約書記載の利率の方が法定利率より低い場合は、遅延利息は法定利率によって計算することになります。この点は、民法改正前後で変更ありません。

家賃督促状

法定利率が変動性になる?

現行民法の「法定利率」の根拠条文を見てみましょう。アパート経営などの商行為に適用される法定利率は、商法により年6%と定められています。

この商法の規定が2020年4月以降は廃止となり、法定利率については、改正民法第404条に規定されることになりました。

この改正により法定利率は

① 改正民法施行から3年間は3%

② その後は、経済状況に応じて変動する(変動は3年に一度)

こととなります。

言い換えれば、法定利率が、市中金利と同様に、変動することになります。

※変動金利の計算方法については、非常に複雑なので割愛させていただきますが、簡単に言えば短期貸付金の平均利率と比較して1%以上の開きがあるときには変更する、というものです。(小数点以下は切り捨てのため、0.5%の開きでは法定利率は変動しません。)

  • 【現行法制】
  • 商法第514条(商事法定利率)
  • 商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は、年六分とする。
  • 改正
  • 【改正民法施行後の法制(2020年4月1日以降)】
  • ・商法第514条→廃止!
  • ・改正民法第404条第2項から第5項
  • 2 法定利率は、年3パーセントとする。
  • 3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、
    3年を1期とし、1期ごとに、次項の規定により変動するものとする。
  • 4 省略
  • 5 省略

アパート経営に対する影響は?

改正民法では、家賃滞納が発生した場合、下記のとおり「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点」つまり「支払期限の翌日」の法定利率を適用することになっています。

したがって、改正民法施行後は、遅延利息を請求するときに「支払期限の翌日」の法定利率と契約書で定めた遅延利息の利率を確認し、利率の高い方で利息を算出することが必要となります。

  • 【現行民法 第419条第1項】(金銭債務の特則)
  • 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
  • 改正
  • 【改正民法 第419条第1項】(金銭債務の特則)
  • 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。
  • ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

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