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columnNo.23減価償却費は建物の構造で大きく変わる

アパート経営における経費のうち、代表的なものとして「減価償却費」が挙げられます。今回は、建物の構造と減価償却費の関係を中心にお話ししていきたいと思います。

建物の構造と減価償却費の関係

そもそも減価償却費とは?
~建物の減価償却費を中心として~

建物等の固定資産を建築・購入すると、建築会社等に建築費用を支払いますが、取得した時に支払った全額が「必要経費」になるわけではありません。

建物等の固定資産は、時の経過によってその価値が減っていくため、税務上定められた「法定耐用年数」に基づいて、毎年の価値減少分を「減価償却費」として必要経費に計上していきます。

このため、「法定耐用年数」が短ければ毎年の減価償却費が大きくなり、逆に「法定耐用年数」が長ければ毎年の減価償却費が小さくなります。

アパート経営における減価償却費のうち、その多くを占めるのが「建物」といえますが、建物の法定耐用年数はどのように決められているのでしょうか。

建物の法定耐用年数は、「構造」と「用途」により決められています。主な法定耐用年数と定額法の償却率は以下の通りです。

【建物の主な法定耐用年数】

構 造
SRC造・
RC造(※1)
重量鉄骨造
(※2)
軽量鉄骨造
(※3)
木造
用 途
事務所 50年 38年 30年 24年
住宅 47年 34年 27年 22年
店舗用 39年 34年 27年 22年

※1:鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)

※2:骨格材の肉厚が4ミリ超

※3:骨格材の肉厚が3ミリ超4ミリ以下

【減価償却 定額法における建物の主な償却率】

構 造
SRC造・
RC造(※1)
重量鉄骨造
(※2)
軽量鉄骨造
(※3)
木造
用 途
事務所 0.020 0.027 0.034 0.042
住宅 0.022 0.030 0.038 0.046
店舗用 0.026 0.030 0.038 0.046

※1:鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)

※2:骨格材の肉厚が4ミリ超

※3:骨格材の肉厚が3ミリ超4ミリ以下

例として、1億円の建物を建築した場合における1年あたりの減価償却費の金額を見てみましょう。

減価償却費は、「建物の建築費☓償却率」で計算されます。

具体的な金額は、以下の通りです。

【例:1億円の建物を建築した場合 1年間の減価償却費の金額】

構 造
SRC造・
RC造(※1)
重量鉄骨造
(※2)
軽量鉄骨造
(※3)
木造
用 途
事務所 200万円 270万円 340万円 420万円
住宅 220万円 300万円 380万円 460万円
店舗用 260万円 300万円 380万円 460万円

※1:鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)

※2:骨格材の肉厚が4ミリ超

※3:骨格材の肉厚が3ミリ超4ミリ以下

1年あたりの減価償却費を比べると、木造であれば鉄筋コンクリート造(RC造)の倍以上の減価償却費を必要経費にすることができます。

ただし、当然ですが最終的に減価償却費の累計として必要経費にできる合計金額は、建築費の1億円なのは変わりありませんので、木造(住宅)であれば22年しか経費を計上できません。

万が一、耐用年数を誤って減価償却費を計上してしまうと、毎年の必要経費が大きく変わってしまうので、建築初年度に正しい耐用年数を確認し、適切な減価償却費を計上することが重要となります。

減価償却費と損益通算について

次に、減価償却費と損益通算について説明していきます。

アパート経営においては、固定資産税や管理費、さらに、アパートを見に行くための交通費など、「アパート経営を行なうための支出」は全て必要経費として計上することができます。但し、金融機関への返済元金については、借りたお金の返済であるため経費にはなりません。

ところで、「アパート経営を行なうための支出」といえば、アパート経営を始めるために、一番最初に「アパートの建築費」という大きな支出をしています。そのアパートの建築費を毎年按分して経費計上できる必要経費が「減価償却費」であり、税務上定められた「法定耐用年数」に基づいて算出されます。

アパートの建築費を元に算出される減価償却費による所得税、住民税の節税効果は非常に大きなもので、実際にはアパート経営による実収入があるのに、「税務上は赤字」、ということも起こり得ます。

その場合、アパートオーナー様の給与所得などの個人所得と合算することができ、これを「損益通算」といいます。

損益通産(合算)のイメージ

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