東建コーポレーション

アパート経営 節税コラム 間野税理士
2018年1月29日

column
No.12
気付かないうちに損していませんか?
確定申告が必要な方・必要のない方の条件とは

毎年2月16日~3月15日の間に行なう「確定申告」ですが、どのような場合に申告をしなければならないのか、またしなくてもよいのか迷うところです。ここでは、確定申告が「必要な方」、「必要のない方」、「必要ないが申告をした方がよい方」それぞれについて説明します。

確定申告が必要な方

① 事業所得や不動産所得がある方

個人事業を行なっている場合や、アパート経営等、所有している不動産の賃貸を行なっている方は、原則として確定申告をする必要があります。個人事業を行なっている場合には、年間の収入から必要経費を差引いて事業所得の計算をします。不動産の賃貸を行なっている場合にも同様に不動産所得の計算をします。
これらの所得を他の所得(給与所得や雑所得(年金)など)と合算し、所得税の計算をすることとなります。

② 土地・建物を売却した方

土地・建物を売却した場合には、売却した金額から必要経費(購入した時の金額、仲介手数料など)を差し引いて譲渡所得の計算をします。譲渡所得の金額がプラスになる場合には確定申告の必要があります。この譲渡所得は他の所得と合算をせずに、単独で税金の計算をすることとなります。

なお、売却する土地・建物をその年の1月1日において所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、それぞれにおいて所得税・住民税の税率が異なります。

「短期譲渡所得」の場合は、「譲渡所得×39.63%が税金の額(所得税、及び復興特別所得税:30.63%、住民税:9%)」となり、「長期譲渡所得」の場合は、「譲渡所得×20.315%が税金の額(所得税、及び復興特別所得税:15.315%、住民税:5%)」となります。

また、自宅を売却した場合の3,000万円の特別控除や、土地を交換した場合の特例などは、確定申告をしないと適用することができませんので注意が必要です。

【 売却する土地・建物の所有期間に応じた税率 】

所有期間 所得税、及び
復興特別所得税
住民税
短期譲渡所得
30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得
15.315% 5% 20.315%

短期譲渡所得:売却する土地・建物の所有期間がその年の1月1日において5年以下

長期譲渡所得:売却する土地・建物の所有期間がその年の1月1日において5年超

③ 2ヵ所以上から給与を受け取っている方や、給与収入が2,000万円を超える方

年間の収入が給与のみの方については、確定申告が必要ない方がほとんどですが、2ヵ所以上から給与を受け取っている方や、年間の給与収入額が2,000万円を超える方は確定申告を行なう必要があるので注意が必要です。

確定申告B(第一表)
▲確定申告B(第一表)
確定申告B(第二表)
▲確定申告B(第二表)

確定申告が必要ない方

①所得金額の合計金額が所得控除以下の方

事業所得や不動産所得がある方でも、各所得の合計金額がマイナスとなったり、各所得を合算した金額が所得控除の合計金額以下になる場合、所得税は発生しないため、確定申告は不要となります。

但し、青色申告特別控除は申告をしてはじめて適用できるものなので、申告が不要かどうかの判断をする際は、青色申告特別控除がないものとして計算をする必要があります。特に65万円の控除については、申告期限内に確定申告書を提出することが要件となっており、期限を過ぎてしまうと申告をしても控除を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。

② 給与所得以外の所得の合計金額が20万円以下の方

給与を1ヵ所のみから受けていて、年末調整をされている方は確定申告を行なう必要はありませんが、給与以外にも所得があると原則確定申告を行なう必要があります。但し、給与所得以外の所得の合計金額が20万円以下の場合は確定申告をする必要がありません。

③公的年金以外の所得の合計金額が20万円以下の方

公的年金を受け取っている方で、その所得金額が所得控除の額を超える場合や、公的年金以外に所得がある方は、原則として確定申告をする必要があります。
但し、以下の場合には確定申告をする必要がありません。
・公的年金等の収入金額が400万円以下で源泉徴収がされている。
・他の所得の合計金額が20万円以下である。

確定申告は必要ないが、した方がよい方

① 青色申告をしている場合で所得がマイナスとなる方

各所得金額の合計金額がマイナスになる場合には確定申告をする必要がありませんが、青色申告をしている場合には「純損失の繰越し控除」という特典があります。
これは、所得の合計金額がマイナスとなる場合には、そのマイナスの額を3年間繰越し、その間のプラスの所得と相殺できるというものです。これを受けるためには確定申告をする必要があります。

②所得金額がマイナスでも源泉徴収税額がある方

事業所得や不動産所得の所得金額がマイナスであっても、給与や年金から源泉徴収をされている場合は、確定申告をすることによって還付金を受け取ることができる場合があります。
アパート経営等の賃貸経営を行なっていて、新たにアパート・賃貸マンションを建築した方や大規模修繕をして多額の修繕費や経費が生じ、不動産所得がマイナスになった場合、確定申告をして給与や年金の源泉徴収税額の還付を受けることができます。

③上場株式等の売却損が出ている方

上場株式や投資信託を売却し、年間を通して損失が出ている方は、確定申告をすることによってその損失額を3年間繰越し、その間の上場株式等の売却益と相殺することができます。
また、ある証券会社内の口座では損失が出ていて、他の証券会社内の口座では利益が出ている場合も、確定申告をすることによってその損失と利益を通算することができます。


土地活用トップへ戻る