東建コーポレーション

アパート経営 節税コラム 間野税理士
2018年5月14日

column
No.17
自宅の土地は相続税が安くなる?小規模宅地等の特例とは?

相続税の計算で一定の土地については、大幅に相続税が軽減される制度があるのをご存知でしょうか。自宅の土地、不動産賃貸用の土地、自営業者の事業用の土地がこれに当てはまり、「小規模宅地等の特例」といいます。不動産を所有している方にとっては、この「小規模宅地等の特例」を活用することで相続税が大幅に変わります。

相続税対策

どのような土地が小規模宅地等の特例に該当するのか

小規模宅地等の特例は、亡くなった方(被相続人)や生活を共にする家族(同一生計親族)の自宅の土地、不動産賃貸用の土地、自営業者の事業用の土地を相続し、一定の要件を満たした場合にその土地の評価額を最大80%減額してもらえるというものです。

小規模宅地等の区分 限度
面積
減額
割合
① 特定事業用宅地等(個人事業で使っている土地)
※④の貸付事業の用に供されている宅地等を除く
400㎡ 80%
② 特定同族会社事業用宅地等
 (会社の事業で使っている土地)
③ 特定居住用宅地等(自宅の土地) 330㎡
④ 貸付事業用宅地等
 (アパート・マンション・貸家・駐車場・貸地等の
  不動産賃貸用の土地)
200㎡ 50%

※小規模宅地等の特例は、上記の区分の中で選択制になります。

例えば、③ 特定居住用宅地等で330㎡まで80%の減額をすると、④ 貸付事業用宅地等は減額できません。その逆も同じで、④ 貸付事業用宅地等で200㎡まで50%の減額をすると、③ 特定居住用宅地等の減額はできません。

ただし、① 特定事業用宅地等または② 特定同族会社事業用宅地等と、③ 特定居住用宅地等がある場合には限度面積730㎡(400㎡+330㎡)まで併用が可能です。
自営業者にとって、大きなメリットがあるといえます。

自宅の土地の80%減額の内容(特定居住用宅地等)

自宅の土地については、330㎡まで80%減額ができますが、そのためには下記の要件を満たさなければなりません。尚、平成30年度の税制改正において、内容の一部が改正されましたので、注意が必要です。

《 特定居住用宅地等の適用要件 》

赤色の文字が平成30年度の税制改正の変更点です。

小規模宅地等
の区分
取得者 適用条件
被相続人の居住の用に供されていた宅地等 ① 被相続人の配偶者 要件なし
  • ② 被相続人と同居している者
申告期限まで引き続き、居住・所有していること
  • ③ 被相続人と別居している者
  • ●被相続人に配偶者がいないこと
  • ●被相続人に同居の相続人がいないこと
  • ●相続開始前3年以内に、日本国内にある、以下の者が所有する家屋に居住したことがないこと
  • ・自己または配偶者
  • ・3親等内の親族
  • ・特別の関係のある法人
  • ●相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがないこと
  • ●申告期限まで引き続き、所有していること
被相続人と生計を一にする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 ① 被相続人の配偶者 要件なし
  • ② 被相続人と生計を一にしていた親族
相続開始の直前から相続税の申告期間まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人
  • 配偶者(一般的には奥様)は自宅の土地を相続すれば、無条件で330㎡まで80%減額できます。
  • 親と同居していた子は、申告期限(死亡日から10ヵ月)まで居住・所有していれば、330㎡まで80%減額できます。
  • 親と別居していた子は、親が一人暮らしで、子が賃貸住宅(賃貸アパート・マンション等)に住んでおり、申告期限(死亡日から10ヵ月)まで所有していれば、330㎡まで80%減額できます。

尚、二世帯住宅については、建物内部で行き来できない、いわゆる完全二世帯住宅でも同居として取り扱われ、小規模宅地等の特例の適用が可能です。ただし、1階と2階を登記上分ける、区分所有登記をされている場合は、別居とみなされますので、小規模宅地等の特例は適用できません。

二世帯

不動産賃貸用の土地の50%減額の内容(貸付事業用宅地等)

アパート・マンション・貸家・駐車場・貸地等の不動産賃貸用の土地については、貸付事業用宅地等として200㎡まで50%の減額が適用できます

適用要件
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等を親族が取得し、申告期限まで引き続き、貸付・所有していること
被相続人と生計を一にする親族の貸付事業の用に供されていた宅地等を親族が取得し、申告期限まで引き続き、貸付・所有していること

ただし、先に述べた通り、自宅の土地について、330㎡を80%減額した場合は、貸付事業用宅地等の減額はできませんので、注意してください。

尚、330㎡未満の自宅の土地の場合、80%減額を全て使いきれていないため、残りの部分の面積については、貸付事業用宅地等の減額ができます。その場合、下記のような計算をします。

[ 例.自宅の土地:220㎡、アパートの土地:300㎡の場合 ]

  • ① 自宅の土地:220㎡ ⇒ 80%減額
  • ② アパートの土地:300㎡ ⇒ 66.7㎡まで50%減額
  • 計算式200㎡-200㎡×220㎡/330㎡=66.7㎡

貸付事業用宅地等の特例も平成30年度の税制改正において、
内容の一部が改正されました。

改正点:
相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等については、特例の対象から除外する。ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模(5棟10室基準)で貸付事業を行っている場合を除く。
※平成30年4月1日前から貸し付けている宅地等については適用しない。

税制改正により、相続開始前3年以内に開始した賃貸用の土地で事業的規模を満たさない方は、50%減額ができなくなりました。ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業をしていた被相続人が、亡くなる前3年未満に新たに貸付事業をした宅地については、引き続き、50%減額ができます。

駐車場の場合の注意点

駐車場

月極駐車場で貸付事業用宅地等の特例を適用する場合は注意が必要です。アスファルト舗装やコンクリート舗装、砂利敷きなど、構築物として認められるものは対象になりますが、何も手を加えていない駐車場(土など)や砂利敷きでも砂利と土が混在しており、構築物として認められないものは、対象になりません。

このあたりの判断は非常に微妙になり、国税庁と納税者の間で裁判で争ったケースも見受けられますので、税理士等の専門家に相談するとよいと思います。


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