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columnNo.5民泊にまつわるトラブル

今回は、民泊についてお話しします。民泊は、昨今、日本でメディアなどでも大きく取り上げられ、新たな宿泊のカタチとして話題になっています。

民泊

民泊とは

民泊とは、一般の民家を、その所有者やその部屋を借りている人間が、宿泊する場所として客に提供する形態と一般的に定義されています。

民泊については、2018年6月15日から施行されている住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)に詳しく規定されています。この民泊新法では、民泊を「もともと住宅であったもの、かつ、年間の提供日数が180日以下」であるものと定義しています(第2条)。簡単に言うと、自宅ないしその一部を一時的に貸す程度のものであれば、民泊としますよ、という意味です。

民泊に該当すると、民泊新法で定められている一定の義務が、民泊事業者(民泊ホスト)に課されることになります。例えば、宿泊者の衛生確保、外国語による施設利用方法の説明、騒音防止など必要事項の宿泊者への説明義務等です。そして、このような民泊を営むためには、都道府県知事に届け出をする必要があります。

急増する民泊トラブル。
管理規約への明記でトラブルを回避

しかし、民泊利用の増加に伴い、民泊ホストや近隣住民とのトラブルが急増しています。

  1. 宿泊者に乱雑に使われて家の中の物が破損した
  2. アパートに不特定多数の旅行者が立ち入った
  3. マンションのゲストルームが民泊に転用されていた
  4. 民泊利用者がアパートの共用空間で騒いでいた
  5. パーティ―などを開いて騒音が激しかった
  6. ゴミ出しが乱雑だった

といったものです。

民泊トラブル

こうしたトラブルの防止に向けて、すでに対策を講じている家主も少なくありません。

オーナー様のトラブル対策のひとつとして、アパートの管理規約であらかじめ民泊を禁止しておくことが挙げられます。例えば、管理規約で、「専有部分はもっぱら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」との条項があれば、そのアパートで民泊が行なわれた場合には、それは管理規約違反ということになり、民泊の差止めや損害賠償請求が認められる可能性があります。

すでに民泊を禁止する旨の管理規約がある場合には、民泊ホストは損害賠償の請求を受ける可能性があるということになるため、民泊を自制させることができます。

しかし、民泊禁止の管理規約がない場合には、規約の新設や変更を円滑に進めることができるかは不透明です。特に区分所有者が多くいるマンションの場合、居住環境を守りたい区分所有者と、資産活用として建物を民泊に使いたい、あるいはその可能性を残しておきたいと考える区分所有者が混在していることは、多々あります。そのような場合に、民泊禁止の規約変更や新設は決して容易ではないでしょう。

住民同士の日常的なコミュニケーションが大事

また、アパート・マンションの住民同士が積極的にコミュニケーションを取っておくことも有用です。

あるアンケートで、空き家所有者に、空き家の周辺住民とのコミュニケーション頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日」と回答した所有者の空き家では、雑草の繁殖やごみの散乱などの管理問題が発生していなかったそうです。同様のことは民泊にも該当するでしょう。近隣住民同士で日常的にコミュニケーションが取れていれば、周辺に迷惑をかけることになる可能性がある民泊をすることに抵抗を覚えるはずです。

近隣住民同士での円滑なコミュニケーションが取れていれば、トラブルの兆候が見られた時点で、話し合いの場を設け、問題が大きくなる前に自主的に民泊を辞めさせることができます。こうした解決も十分に可能だと思います。その意味で、近隣住民同士での日常的なコミュニケーションは、数少ない民泊トラブルの防御策になりうると思います。

住人同士のコミュニケーション

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