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土地はただ所有しているだけではマイナスの資産です。
相続して放ったらかしにしている土地、将来相続するであろう土地は上手に土地活用を行ないたいところです。
土地活用とは

土地活用するメリットは大きく言って以下の3つになるでしょう。
① 大きな収入源になる
まず一番に考えなければいけないのが、収入面です。
土地はただ所有しているだけではプラスを生まないばかりか、固定資産税が発生するためマイナスの資産となります。時代のニーズや地域の特性をつかみ、市場調査を的確に行えば、有効な資産運用方法となるでしょう。
② 税金対策になる
土地にかかる費用の代表格が税金です。固定資産税・都市計画税、相続税、所得税など土地にまつわる税金は多くあります。有効な土地活用は有力な税金対策となります。
③ 地域貢献になる
空き地や空き家を放置していると近隣トラブルになることがあります。
逆に土地を有効に活用できれば、地域の方々に大きなメリットが生まれます。「土地が田舎でも活用できるのか?」「狭小地でもできるのか?」といったご相談をよく頂きます。結論から言えば、それぞれの土地状況に合わせた活用法があります。
- 土地状況に合わせた活用法
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◆ 利便性は良いが狭い土地
アパート、駐車場、コンビニエンス・ストア、コインランドリーなど
◆ 利便性は悪いが広い土地
太陽光発電、サービス付き高齢者向け住宅など
◆ 利便性が悪くて狭い土地
戸建賃貸、トランクルームなど
「資金がないのに土地活用できるのか?」と聞かれることもありますが、金融機関からの借り入れという方法がありますし、共同活用の土地信託、等価交換なら基本的に地主様の負担はありません。
人気の土地活用方法16選

土地活用は、売る・貸す・自己活用(住宅/商業施設)・共同活用の4種類に大別できます。ここではさらに細かく分類し、人気の土地活用方法16種類を見ていきましょう。
売る
1売る
土地を売却すればまとまったお金を得ることができ、土地を維持するための費用からも解放されます。
売却時には仲介手数料や登記費用をはじめとした諸経費がかかる他、譲渡所得に対する所得税・住民税がかかります。事前にしっかりと試算して、売却計画を立てる必要があります。
貸す
2貸す
土地を貸せば地代を得ることができます。
ただし、「普通借地権」は一般的に借り主の権利が強くなるため、注意が必要です。「定期借家権」であれば契約期間満了時に土地が戻→ります。
自己活用(住宅)
3アパート
アパート経営は土地活用の王道と言えます。
簡単に言えば、世間で「大家さん」と呼ばれているものです。そのメリットは、なんと言っても長期間にわたる家賃収入が得られること。アパートの家賃は景気の浮き沈みの影響を受けにくいので、長期の安定収入となりえます。
アパートと一言で言っても、建築構造・躯体、間取り、階数、デザインなど様々であり、予算や周辺環境、収益性などの希望に応じたプランを選択できます。
4賃貸マンション
賃貸マンション経営もアパート経営と同じく大家さんになることですが、初期費用、維持費用はアパートよりも高くなります。
規模が大きくなる分、収益性も上がります。アパートと比較すると、都心エリアで利便性が良いところに建っていることが多いです。
5戸建賃貸住宅
戸建賃貸経営の魅力は、比較的高い家賃でも入居者を見つけやすいことです。
賃貸用の戸建物件は、アパート・マンションと比較すると絶対数が少ないと言えます。世帯をもっている人の中に、一軒家に住みたいという潜在的ニーズがあります。またマイカー持ちをターゲットとするならば、駅から遠い立地でも建てることができます。
6シェアハウス
シェアハウスは、複数の入居者で1つの物件をシェアするスタイルの賃貸住宅です。アパート、賃貸マンションよりも費用対効果が高く、収益性が良いのが魅力ですが、入居者間のトラブルなど管理のコミュニケーション・コストが高くなる傾向にあります。
7サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認サービス・生活相談サービスといった介護・医療の面で高齢者の安心を支えるサービスを提供する、バリアフリー構造の住宅を言います。競争の激しい一般的なマンションと差別化できるので、駅から離れているといった立地条件でも高い収益性が見込めます。
→ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)による土地活用について詳しく見る
8賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、オーナー様ご自身が居住する自宅と賃貸住宅の部分がある住宅です。居住部分が51%以上であれば、不動産投資ローンより金利の低い住宅ローンの利用ができるのが最大の魅力と言えます。
9簡易宿所
一時期大変話題となった民泊ですが、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行によってブームは下火となりました。
そこで注目され始めたのが、民泊施設を経営するという手法です。
住宅宿泊事業法だと年間180日までしか営業ができないのに対し、簡易宿所は日数制限がないのが最大のメリットですが、旅館業法における簡易宿所営業の許可を取得するといった様々な手続きが必要となります。
自己活用(商業施設)
10駐車場
駐車場経営には月極駐車場方式とコインパーキング方式があります。
月極駐車場方式は始めやすい土地活用法のひとつ。
少ない初期投資で始められること、管理も楽なことが特長です。
コインパーキングは時間ごとに貸す駐車場のことで、月極駐車場よりも高い利回りを狙えますが、駅に近いなどの好立地でなければ経営は難しいと言えるでしょう。
11太陽光発電
太陽光発電は田舎の土地でも収益が見込めます。
その土地に太陽光発電システムを設置することによって、売電収入を得る方法です。10kW以上の産業用太陽光発電であれば、20年間売電価格が固定されるため、20年先までの安定した収入が見込めます。
12トランクルーム
トランクルーム経営は、立地条件を問わず比較的少ない費用で始められる土地活用法です。駐車場と同じく、他の活用方法への転用が容易と言えるでしょう。
13コインランドリー
近年注目されているコインランドリー経営ですが、比較的小さい土地でも始められ、管理も容易なところが人気となっています。
コインランドリー経営では、エリアの潜在ニーズや競合店の動向を調べたり、常に新規集客をめざしたりする経営努力が必要となります。
14コンビニエンス・ストア
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニエンス・ストアを経営するというのは、土地活用の範疇を超えた方法ですが、そういった選択肢がないわけでもありません。コンビニ企業に土地を貸すというのであれば、事業用定期借地権で契約することになります。ロードサイドでは需要が高いと言えるでしょう。
共同活用
以上解説してきた自己活用のリスクをもっと減らしたいという方には、共同活用という方法がおすすめです。共同活用には、土地信託と等価交換があります。
15土地信託
土地信託は、信託会社・信託銀行などに土地の運用を任せ、その運用利益の一部を受け取る方法です。運用利益のことを信託受益権と言います。
16等価交換
等価交換は、オーナー様が不動産会社などに土地を出資し、その土地の上に建てられた建物のうち、出資した比率分だけ土地と建物を取得する方法です。建物の建設資金がなくても実現できるので借入が発生しませんが、収益は自分が建てたときより少なくなります。
土地活用を検討する際に注目すべき6コのポイント

1費用/予算
土地活用方法によって費用/予算は大きく異なります。一般的に費用が大きくなれば、収入も大きくなります。
費用は現金で賄うのか、金融機関からの借り入れなのかによっても事情は変わります。借り入れを増やせばレバレッジ(テコ)を効かせられますが、金利上昇リスクなどを抱えることになります。
2収益性
収益は収入-費用ですから、収入を最大化させ、費用を最小化するのが鉄則になります。ただし収益性=利回りが大きくなるということは、リスクも大きくなることを意味しますので、その他の項目と照らし合わせ、慎重に検討しましょう。
3税金
土地活用の大きなメリットのひとつに節税効果があります。
代表的な節税に固定資産税、都市計画税があります。
アパート、賃貸マンションなど住宅系の土地活用方法では、空き地に比べて土地に課される固定資産税は最大で6分の1に、都市計画税は最大で3分の1に軽減されます。
所得税の節税にも効果的です。サラリーマンではできなかった経費計上ができるので、税務上の所得の圧縮ができることと、不動産所得と給与所得が通算できますので、税務上(帳簿上)の不動産所得を赤字にすれば所得税が大幅に節約できます。
相続税では、土地が時価の約70~80%の評価額となり、建物は時価の約30~70%になります。
更地をそのまま相続するよりも、建物を建てた方が相続税対策になると言えます。また、アパートなど賃貸用の建物を建てるとその土地は「貸家建付地」となり20%程度評価を下げることができます。
4転用性
転用性も土地活用を考える上で、需要な指標になります。
例えば賃貸マンションなどを建てると、少なくとも数十年のスパンで経営を考えることになります。16種類の土地活用方法で転用性が高いと見込まれるのは、駐車場経営です。設備が少なく、契約期間も短いためです。
5立地
立地条件はどんな土地活用方法でも考慮しなければいけない条件。
最寄り駅からの距離・時間、周辺の生活施設、周辺の公共施設、周辺の嫌悪施設、日当たりなどが挙げられます。
賃貸マンション経営やコンビニエンスストア経営などでは立地条件がシビアになる一方、太陽光発電では一定の広さと日当たりさえ良ければ有効となるでしょう。
6法令の制限
土地活用は様々な法令の規制を受けます。所有地によっては、希望する建物の建設や利用が認められない場合も多々あります。
不動産にかかわる法律は非常にたくさん。
民法、建築基準法、宅地建物取引業法、都市計画法、借地借家法、農地法、消費者契約法など多岐に渡ります。
それぞれ6コのポイントを挙げましたが、土地活用で大切なことは土地活用によって何をしたいのかというビジョンを持つことです。先祖代々の土地を守りたいのか、できるだけ収益を上げたいのか、税金対策・相続対策なのかによって活用方法は当然変わります。
土地活用の軸がしっかりしていないと他人任せとなり、主体的な判断ができなくなってしまいます。
また土地活用は、上記のように様々な専門的な知識が必要となりますので、専門家にしっかりと相談しましょう。地主様の主体的な決断と専門家のチームプレーが土地活用成功の要なのです。
まとめ 土地活用、賃貸経営に関するご相談

土地活用をお考えなら、東建コーポレーションの建築商品をご検討下さい。
これまでご紹介してきた16種類の土地活用法に対応する様々な建築商品を取り扱っていますので、お客様のニーズやご要望に沿った建築商品を提案させて頂くことが可能です。
土地活用に関する様々なご質問やご相談、建築商品の資料・パンフレット送付のご希望がございましたら、ぜひともお気軽にお問合せ下さい。
※この記事は、2019年7月時点の情報に基づいて作成されています。
- 逆瀬川 勇造
さかせがわ ゆうぞう - 地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。 金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。