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土地活用には「流れ(工程)」があります。
例えば、土地オーナー様が賃貸マンション経営・アパート経営に着手する場合、土地活用専門会社への相談、事業計画や資金計画づくり、建物の設計・施工、入居者様募集、入居者様管理、建物管理、家賃の回収といった流れになります。
土地活用を行なう際の各工程では、具体的にどのようなことを行なっていけば良いのでしょうか。
本記事では、「賃貸マンション経営・アパート経営を開始するまでの流れ」と「土地を貸すときの流れ」を詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
土地活用の目的を明確にする

土地活用においては、「土地活用の目的を明確にすること」が一連の流れにおけるスタート地点になります。
すべての土地活用に共通するスタート地点
賃貸マンション経営・アパート経営を始める場合でも、土地を貸す場合でも、または、その他の土地活用法であっても、「土地活用の目的を明確にすること」は、すべての土地活用に共通するスタート地点となります。
土地活用の目的が曖昧ですと賃貸マンション経営・アパート経営が良いのか、土地を貸したほうが良いのか、それともその他の方法が良いのかを見極めることはできません。
様々な目的がある
土地活用の目的はオーナー様の事情によって異なりますが、例としては次のような目的が挙げられるでしょう。
- 固定資産税や相続税の納税資金をつくりたい
- 相続税を節税するために土地の評価額を引き下げたい
- 固定資産税や所得税を節税したい
- 老後の安定収入の手段を得たい
- 遊休土地から収入を得たい
- 土地を活用する事業を拡大して投資リスクを減らしたい
目的が定まると「最適な土地活用法」が決まる
例えば、相続税を節税するために土地評価額を引き下げたい場合には、賃貸マンション経営・アパート経営が向いているでしょう。賃貸マンション・アパートを所有地に建てると、現金を相続するときと比べて、相続税の額を大幅に減額できる可能性があるからです。
このように、目的を明確にすることで自分に適した土地活用法が決めやすくなるわけです。
また、「遊休土地から収入を得たい」と言う目的であれば、土地を貸すことが最も手っ取り早いでしょう。ただし、一度土地を貸すと「10年単位」で貸し続けなければならなくなることがあります。契約期間中に土地オーナー様がご自身で土地活用を始めたいと思い立っても、活用することはできません。
その場合、まずは最小の設備で始められる駐車場経営を始め、土地活用の「勘所」を掴んだところで本格的に賃貸マンション経営・アパート経営に乗り出す、という方法もあります。
オーナー様の希望や経済合理性も加味する
土地オーナー様の最終目的が賃貸住宅の経営である場合、「とりあえず遊休土地から収入を得られれば良い」と考えて、駐車場経営から始めようと考える人もいます。
確かに駐車場経営は、賃貸マンション経営・アパート経営よりも簡単に始められる土地活用法ですが、駐車場を整備してその後撤去するには費用もコストも時間もかかってしまい、ロスが発生します。
それならば、最初から思い切って賃貸マンション経営・アパート経営に乗り出したほうが良いかもしれません。
土地活用法には、様々なバリエーションがあります。多くの選択肢があるということは土地オーナー様にとって大きなメリットですが、その反面、最適な土地活用法の選択が難しくなる可能性も否めません。
したがって、土地活用法を選択する際には、目的を明確にし、ご自身の希望や経済合理性などを加味した上で決めたほうが良いでしょう。
賃貸マンション経営・アパート経営を
開始するまでの流れ
賃貸マンション経営・アパート経営を開始するまでの流れ

賃貸マンション経営・アパート経営を始めるまでの流れをみていきましょう。基本的には次の順番で進めていき、安定経営に乗せていくという流れです。
- 相談
- 市場調査
- プラン設計
- 本設計と契約
- 行政への申請と建築
- 完成、引渡し
- 入居者様募集と貸し出し
- 管理
それぞれ重要な工程ですので、ひとつずつ解説します。
相談
相談は、土地オーナー様が土地活用すべきかお悩みの段階から行なうことができます。
土地活用の専門会社に相談すると、「土地活用の目的設定に関するアドバイス」や「土地オーナー様の本音を踏まえたプランの提案」を受けることができます。
また、明確に「賃貸マンション経営・アパート経営がしたい」と言う目標をお持ちの土地オーナー様であれば、相談段階から「調査」や「プラン設計」の概要について説明を聞くこともできます。
市場調査
賃貸マンション経営・アパート経営の市場調査では、土地オーナー様の土地の立地条件や周辺施設の状況、住環境、人口動向、賃貸住宅の入居需要、入居者様になり得る人たちのニーズなどを把握・分析します。
例えば、当初アパート経営を検討していた場合でも、市場調査の結果によって「高級賃貸マンションの需要が強い」と言うことが分かれば、賃貸マンション経営に切り替えたほうが良いと判断することができるわけです。
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プラン設計
市場調査の結果に基づき、事業計画や資金計画、資金調達方法、建築計画といったプランを設計していきます。
土地オーナー様だけでプランを設計するのは難しいため、土地活用専門会社のサポートを受けるケースがほとんどです。実際は土地活用専門会社が土地オーナー様の要望を聞きながらプランの素案を作成し、それをもとに修正を繰り返していくことになります。
本設計と契約
土地オーナー様がプランの内容に納得できた場合には、土地活用専門会社は本設計に入ります。本設計で作成するのは、役所に提出するような詳細な図面です。
そしてその後、土地オーナー様と土地活用専門会社との間で賃貸建物の工事請負契約を締結します。
行政への申請と建築
賃貸マンション・アパートを建てるには、行政への申請を行なわなければなりません。ただ、これも土地活用専門会社などに代行してもらうことができます。
そして、賃貸マンション・アパートを建てていきます。実際の建築工事に入る前には地鎮祭を行ないます。
完成、引渡し
建築工事が完成したら、役所の完了検査を受け、賃貸マンション・アパートが完成します。
物件は土地オーナー様に引渡され、この段階で土地オーナー様は賃貸マンション・アパートのオーナー様になります。
※建築に入った段階で入居者様の募集活動を始めますが、こちらは次の項目で解説します。
管理
入居者様が入居を開始すると、オーナー様の主な業務は管理になります。建物管理、入居者様管理、家賃回収管理など、どれも重要な仕事ばかりです。
ただし、こうした管理も、土地活用専門会社によるサブリース契約や管理委託契約によって、代行してもらうことができます。
完成後、不動産を貸すまでの流れ
入居者様の募集活動は、賃貸マンション・アパートの建築が始まった段階から取り掛かります。賃貸マンション・アパートが完成している段階で、全室の入居者様が決まっていることが理想的と言えるでしょう。
新築の賃貸マンション・アパートは注目度も高いため、一気に入居希望者様が現れるケースも少なくありません。そのような入居希望者様を集めるためにも、入居者様募集は最初が特に重要と言えるでしょう
入居希望者様はオーナー様にとって重要な「お客様」ですから、一人ひとり丁寧に対応する必要があります。こういった点に関しても、土地活用専門会社のサポートを受けることが可能です。
土地を貸すときの流れ

続いて、土地オーナー様が自身の土地を貸すときの流れを確認していきましょう。
土地を貸す際の主な流れは賃貸マンション・アパートと同じですが、「建物建築」と「入居者様募集」がない分、シンプルになります。
相談、市場調査
相談と市場調査は、賃貸マンション経営・アパート経営と同じです。土地オーナー様の希望と市場調査の結果をもとにして、地代などの賃貸条件を決めます。
また、現状のまま貸し出すのか、整地して貸し出すのか、といった詳細もこの段階で詰めていきます。
土地の借り手を探す
地代が決まったら、土地の借り手を探します。不動産会社の物件情報サイトに、貸し出す土地の条件を掲載したり、現地に看板を立てたり、チラシを配布したり、近隣の企業などに営業をかけたりします。
地代の交渉と借地契約締結
借り手が見つかったら、借地契約を締結します。しかし、契約前に借り手から地代の値下げを要請されるかもしれません。土地オーナー様が値下げに応じられれば契約を結びます。値下げに応じず、両者合意に至らなければ、借り手探しを再開します。
借地権の種類に注意を
借地権には、「普通借地権」「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「一時使用目的の借地権」があります。
それぞれ、土地オーナー様によってメリットとデメリットが異なるため、土地活用専門会社と相談の上で、どの借地権を採用するかを決めます。
借地契約では、存続期間や更新について厳格に定めましょう。また、借地権の設定も慎重に行ないましょう。
事業開始と管理
借地契約を締結したら、いよいよ土地を貸す事業がスタートします。
土地オーナー様の主な業務は、地代の徴収、管理の他、土地の管理などになります。
まとめ
土地活用専門会社は「流れ」をしっかり解説します

土地活用を行なう際には、適切な流れで適切な手順を踏んでいく必要があることがお分かり頂けたのではないでしょうか。「土地活用の流れが知りたい」「賃貸マンション経営・アパート経営はどうやって始めるのか」といった疑問をお持ちの際には、ご自身で解決策を見つけるだけでなく、ぜひ土地活用専門会社も有効にご活用下さい。
土地活用の東建コーポレーションでは、蓄積されたノウハウを活用し、土地オーナー様にとって最適なプランをご提案させて頂いております。それぞれの工程の具体的な内容や注意すべき点など、担当者が実際に使用した計画書などを用いてサポートさせて頂きますので、ぜひお気軽にご相談下さい。
※この記事は、2019年11月時点の情報に基づいて作成されています。
- 逆瀬川 勇造
さかせがわ ゆうぞう - 地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。 金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。