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土地活用をはじめたいものの、まずは何からはじめていけば良いのか分からずに悩まれてしまう土地オーナー様も決して少なくないでしょう。土地オーナー様が土地活用をはじめようと思ったときはまず、市場調査からはじめていくことが重要とされています。市場調査をすることで、例えばその土地に賃貸マンションが向いているのか、アパートが向いているのか、駐車場が適しているのか、などを知ることができるからです。
では、具体的にどのような方法で市場調査を行なっていけば良いのでしょうか。今回は、土地活用において欠かせない市場調査の方法や、土地別の人気土地活用法などをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。
土地活用の目的とは?

土地活用は、市場調査の結果をもとに土地活用の方法を選択していくのが基本的な流れです。市場調査をすることで市場や消費者が何を求めているのかが分かるため、それに合った土地活用法を選択することが可能になります。
しかし、成功が約束されている土地活用法をみつけることができても、土地オーナー様がその事業に興味を持てなければ意味がありません。そのため、市場調査と同じくらい土地オーナー様の「事業目的」が重要になるのです。
土地オーナー様の事業目的としては、主に次のようなことが挙げられるでしょう。
- 安定した収入を得たい
- まとまったお金が必要
- 税金対策をしたい
- 地域や社会に貢献したい
- 安定した収入を得たい
- まとまったお金が必要
- 税金対策をしたい
- 地域や社会に貢献したい
例えば、土地オーナー様がまとまったお金を必要としているときに、賃貸マンション経営・アパート経営をはじめても、その目的は達成できません。賃貸マンション・アパートは初期投資がかかるため、むしろ最初は「出費」からはじまります。そのため、まとまったお金が必要な場合には土地の売却が適当かもしれません。
しかし、土地オーナー様が「安定した収入を得たい」「税金対策もしたい」と言う目的を持っていた場合には、土地の売却ではこれら2つの目的は達成できません。この場合、賃貸マンション経営・アパート経営であれば安定した収入を期待できますし、固定資産税や相続税の節税に大きく貢献します。
また、オーナー様の所有する土地の周辺に商業施設が少なく、住民が買い物に困っているような場合には、土地オーナー様が土地活用でビル経営をはじめることでテナントに飲食店やセレクトショップを誘致でき、地域の方々に喜んでもらえます。つまり、土地活用で地域貢献をすることも可能ということです。
市場調査は、土地オーナー様の願いを叶えられるかどうかを測るツールと言っても過言ではないでしょう。
目的を実現するために土地の市場調査(マーケティング)が重要

土地活用のための「市場調査」について解説していきます。
市場調査の基本
市場調査の基本は、次の2項目です。
- ① 需要と供給を調べる
- ② 将来予測を立てる
- ① 需要と供給を調べる
- ② 将来予測を立てる
いずれも重要なので詳しく解説していきます。
① 需要と供給を調べる
市場は需要と供給で構成されています。需要とは、消費者の「欲しい」「必要」と言う気持ちと言っても良いでしょう。一方、供給とは、企業や個人などの事業者が、消費者の「欲しい」「必要」とするモノやサービスを提供する行為です。
土地オーナー様が土地活用をはじめることは、土地活用の市場に参入することを意味します。市場に初めて参入するとき、事前に需要と供給を調べることは必須項目と言えます。
例えば、土地オーナー様が「プレミア感がある高級賃貸マンション経営を始めたい」と言う目的を持っていたとします。
この場合、市場調査では、高級賃貸マンションを求める人がどの程度存在するのか調べる訳です。これを「需要調査」と言います。
次に、その地域で高級賃貸マンションがどれくらい建っているかを調べます。これが「供給調査」です。
需要・供給調査によって、高級賃貸マンションを求める人が多いものの、賃貸高級賃貸マンションが少ない地域であることが分かれば、「土地オーナー様の目的は達成できそうだ」と判断することができる訳です。
② 将来予測を立てる
市場調査は、需要・供給調査だけで終わりません。なぜなら、土地活用は中長期的な視点に立った投資だからです。
現在の需要と供給だけが分かっても、土地オーナー様は不安でしょう。20年30年にわたって土地活用によって収益を上げたいと考えるはずです。
そのため、「その需要はどれくらい続きそうか」「その供給不足はどれくらい続きそうか」と言ったことを調査しなければなりません。これが、将来予測につながる訳です。
需要・供給調査で芳しい結果が出なくても、将来予測が有望であれば、土地活用にGOサインを出すことができるかもしれません。
調査項目
市場調査では、どの項目に着目するかが重要になります。その項目によって、需要・供給調査の結果も、将来予測の結果も変わってくるからです。土地活用の市場調査で着目すべき項目としては、次のような点が挙げられます。
・地域住民のニーズの調査
市場調査では、土地活用の対象となる土地がある地域の住民が、どのような施設を求めているか(ニーズ)を調査します。賃貸住宅を求めているのか、商業施設を求めているのか、駐車場を求めているのか、と言ったことが分かれば土地オーナー様は決断しやすくなります。
・周辺環境の調査
市場調査では、周辺環境を徹底的に調べます。土地活用の対象となる土地が「駅に近いか」「人口はどの程度密集しているか」と言ったことを調べます。
土地オーナー様が明確に土地活用の方法を決めている場合には、同じ土地活用をしている競合相手についても調査したほうが良いでしょう。
また、周辺環境への調査では土地と幹線道路の関係も調べます。商業系の土地活用をする場合、幹線道路へのアクセスの良さがカギを握るからです。
・エリアの調査
市場調査では、土地活用の対象となる土地が属するエリアの特性についても調べます。このエリア調査では、賃料相場、世帯数、人口構成比などを調査します。
・法的規制の確認
需要・供給調査で有利な土地活用法が分かっても、その土地活用を実施できない場合があります。行政機関は、特定の土地活用を特定の地域で行なうことを制限しているからです。
賃貸マンション・アパートを建設するには、住環境について定めた法律の条件をクリアしなければなりません。また、別の法律では景観や日照に配慮する必要もあります。
・都市計画の確認
法的規制の調査では、都市計画もしっかりと把握しなければなりません。
市区町村は、地域内の住環境や経済活動を最適にしようと考えています。そのため、市区町村は条例を設けて、地区ごとの土地活用法を制限する訳です。
条例とは、市区町村がつくる「法律のようなもの」であり、強い拘束力があります。そのため、市場調査で条例による制限が判明した場合には、土地オーナー様の土地活用プランを大幅に修正しなければならなくなる可能性もあるでしょう。
<土地別>人気の土地活用法

土地によって人気の土地活用法は異なるため、市場調査では「その土地で人気の土地活用法」も探っていきます。
都市部で人気の土地活用法
都市部で人気の土地活用法としては、次のような方法が挙げられるでしょう。
- 賃貸マンション・アパート
- ビルや商業施設
- 高級老人ホームなどの介護施設
- 賃貸マンション・アパート
- ビルや商業施設
- 高級老人ホームなどの介護施設
都市部は人口が密集しているため、経済活動に関係する土地活用が人気です。都市部の賃貸マンション・アパート、ビル、商業施設は、多くの人に喜ばれますし、高い収益も期待できるでしょう。
また、高級老人ホームなどの介護施設も都市部の土地に向いています。都市部の介護施設であれば、入居者様の家族も訪問しやすくなるでしょう。
ただし、都市部は土地の価格が高いので建設コストが高くなります。そのため、普通の介護施設では初期投資を回収するのに時間がかかってしまうかもしれません。それを踏まえると、賃料が高く収益性が高い高級老人ホームが都市部の土地向きと言えるでしょう。
郊外で人気の土地活用法
郊外で人気の土地活用法としては、次の方法が挙げられます。
- トランクルーム
- 駐車場
- 介護施設
- トランクルーム
- 駐車場
- 介護施設
住民が多い郊外の土地であれば、トランクルームや駐車場のニーズが高いかもしれません。
介護施設は都市部にも登場しましたが、郊外にも向いています。郊外であれば地価がそれほど高くないので、普通の介護施設でも収支が合うかもしれません。
田舎で人気の土地活用法
田舎で人気の土地活用法としては、次の2つが挙げられます。
- 太陽光発電
- 看板
- 太陽光発電
- 看板
太陽光発電事業は、賃貸マンション・アパートなど他の土地活用と比べて集客を必要としないため、土地価格が安い田舎の土地に向いています。また、太陽光発電事業に乗り出すことで環境問題の解決に貢献できるのも魅力のひとつです。
また、看板事業も人気の土地活用法ですが、これは看板を見てくれる人が多い土地に限定されます。例えば、幹線道路沿いの田舎の土地で、賃貸マンション・アパートや商業施設、駐車場、トランクルームなどの需要が期待できない場合などには、看板事業が向いているかもしれません。
まとめ
有効に土地活用したいなら、プロに相談しませんか

今回は、土地活用において市場調査が極めて重要である理由についてご紹介しました。土地活用の経験がない土地オーナー様が土地活用に乗り出す場合には、パートナーになる土地活用専門会社を活用していくことをおすすめします。
ただし、土地活用専門会社を活用する際には、市場調査をしっかりと行なっている会社を選ぶことが大切です。市場調査の確度は、土地活用の成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。
土地活用のパイオニアである東建コーポレーションでは「4つの適正審査」を実施しており、この適正審査のメニューに「市場調査判定」が含まれております。市場調査で土地の立地条件、周辺施設、賃貸需給動向などのデータをもとに調査・分析し、最適なプランを提案させて頂きますので、土地活用の市場調査についてお悩みの際は、お気軽に東建コーポレーションにご相談下さい。

なお、弊社の賃貸物件検索サイト「ホームメイト」にて、日本全国の市区町村ごとに様々な市場調査データを公開しています。各地域の人口数・世帯数をはじめ、小売店数、飲食店数などや教育施設数・医療施設数などもご覧頂けます。ぜひご活用下さい。

※この記事は、2019年11月時点の情報に基づいて作成されています。
- 逆瀬川 勇造
さかせがわ ゆうぞう - 地方銀行にてリテール業務に従事後、不動産部門のある注文住宅会社にて新築住宅、不動産売買業務に携わる。 金融知識を活かした住宅ローン提案、綿密なヒアリングからのライフプランニング、税金や相続のアドバイスから税理士への橋渡しなど、新築住宅、不動産売買にまつわる金銭問題の解決を得意とする。