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columnNo.2銀行のアパートローン審査で重視される
3つのポイント

前回は「銀行からお金を借りて不動産事業を行う」ということについて、銀行の立場も踏まえながら考えてみました。そして、アパートローンの審査の過程では、銀行員との連係プレーと信頼関係の醸成が重要であるとご説明致しました。

今回は、銀行のアパートローンの審査において重視される3つのポイントをご紹介するとともに、ご自身の資産の全体像を把握する上で有効な「バランスシート」の作成についてご説明致します。

  • ポイント①
    賃貸事業計画
  • ポイント②
    担保価格
  • ポイント③
    個人属性

ポイント① 賃貸事業の事業計画

アパートローンの審査で最も重要なのは、借入れの目的となる賃貸事業の事業計画です。銀行は、借主サイドから入手した資料をもとにキャッシュフローのシミュレーションを行い、資金ショートに陥ることなく、建物の耐用年数内に返済可能であるかを検証します。

このとき、賃料収入は空室リスクを考慮し、満室時の水準に一定のストレスをかけたものを用い、金利も現行の水準より高めの水準を適用します。また、税金や大規模修繕費などの支出も当然のことながら織り込みます。

借主の年収を返済原資とする住宅ローンでは、借主の年収の安定性を裏付ける勤務先や勤続年数といった項目が重視されますが、アパートローンは賃料収入を返済原資とする事業性のローンですので、賃貸事業の事業計画の妥当性がまず問われるのです。

賃貸事業の事業計画

ポイント② 融資対象物件の担保価格

次に、融資対象物件の担保価格。アパートローンを借入れる際は、融資対象物件を銀行に担保として差入れます。アパートローンの借入期間は長期間にわたるため、不測の事態により返済不能の状態に陥る可能性がないとは言えません。いざという時には、銀行は担保物件を処分して回収を図ることから、担保価格が重要になってくるのです。

銀行により担保の評価額はかなり開きがあることも多く、一概には言えないのですが、土地の担保価格は路線価をもとに算定した価格と同程度か少し低めの水準、建物の担保価格(新築時)は建築工事費の6割程度と言われています。これらの土地と建物の担保価格合計が借入希望額を上回っている場合は、大きな問題とはなりませんが、逆に借入希望額を下回っている場合は、追加担保の差入れなどを求められます。

融資対象物件の担保価格

ポイント③ 個人属性

最後に、借主個人の属性、特に資産背景が挙げられます。アパートローン審査の2本柱はあくまでも「事業計画」と「担保価格」ですが、審査上この2つが全く問題ないケースは少なく、借主の資産背景にかかわるプラスの情報が、最後に銀行の審査の背中を押すケースも多いと思われます。

借主の資産背景は、賃貸事業の事業計画が崩れても返済に充当できる資力はあるか、担保物件の価格が大幅に下落しても追加担保として差入れ可能な不動産はあるか、という観点から審査上の判断材料となります。

加えて、借主が今後、様々な分野で取引拡充(運用商品販売、他の物件を対象とした更なるアパートローン貸出、遺言信託の成約など)が見込まれる顧客であるかどうかという営業政策上の判断材料にもなるのです。銀行は資産背景の豊かな顧客との取引開始・拡充の機会を常に狙っており、当該アパートローンの採り上げがその糸口になると判断すれば、少なくとも営業現場の姿勢は随分積極的になると思われます。

個人属性

バランスシートを作成してみよう

したがって、ご自身の資産背景にPRすべき点があれば、積極的にPRしておくべきだと思います。そのためには、ご自身の「バランスシート」を作成し、資産背景を「見える化」しておくことをお勧めします。借方に資産(金融資産、動産、不動産など)を列挙し、いずれも時価で金額を記入します。貸方に負債(借入れなど)を記載します。資産と負債の差額がご自身の純資産額(時価)となり、銀行へのPRのポイントになります。

円滑な資金調達のために、まずは「己を知る」ことから始めてみましょう。

バランスシートを作成してみよう

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