• 文字サイズ

columnNo.4アパート経営における連帯保証人

今回は、アパートローン借り入れにおいて原則必要となる連帯保証人について考えてみましょう。

連帯保証人

保証人と連帯保証人の違い

まず、連帯保証人とはどういうものなのかを保証人との違いに着目しながら解説していきます。

保証人は主たる債務者(アパートローンの借り主)が返済できなくなった場合、代わりに返済の義務を負います。しかし、保証人は次の権利を持っています。

  • (1)催告の抗弁権
    債権者がいきなり保証人に保証債務の履行を請求してきた場合、まずは主たる債務者に請求するよう主張できる権利
  • (2)検索の抗弁権
    主たる債務者に資力があり、かつ執行が容易であることを証明すれば、保証債務の履行を拒絶できる権利
  • (3)分別の利益 
    複数の保証人がいる場合、各保証人は債務額を保証人の頭数で平等に分割した額についてのみ保証債務を負えば良いという権利

これに対し、連帯保証人には(1)催告の抗弁権、(2)検索の抗弁権、(3)分別の利益、を主張する権利は認められていません。つまり、保証人は主たる債務者が返済できない場合のみ保証債務の履行義務を負うのに対し、連帯保証人は法的には主たる債務者と同じ重さの責任を負っているということです。

このように説明すると「人の良かった父は同僚の連帯保証人になったばっかりに闇金業者に返済を迫られ一家離散。まだ幼かった私は……」という、いつかドラマで見たようなシーンが脳裏をよぎり、不安になる方もいるかもしれません。

しかしながら、アパートローンの返済において、連帯保証人が借り主を飛び越えて保証債務履行請求を受けるような事態はまず起こりえないので、過剰に怖がる必要はありません。アパートローン借入時に銀行が連帯保証人を求める理由を掘り下げて考えてみると、より一層ご納得いただけると思います。

アパートローンで銀行が求める連帯保証人

以下は、各銀行のホームページ上におけるアパートローンの商品説明において、保証人という欄に記載されている内容です。

  • みずほ銀行
    「事業承継見込みの法定相続人(未成年者を除く)1名以上を連帯保証人としていただきます」
  • 三井住友銀行
    「法定相続人の内、事業承継見込みの方等、原則1名以上の方の連帯保証が必要です」

このように、銀行が求める連帯保証人像は「①不動産賃貸事業の承継見込みであること」「②法定相続人(担保物件を相続する人)であること」の2点を満たす人であるということが分かります。

30年を超えることもあるアパートローンの長い融資期間の途中で、借り主が亡くなってしまうケースは十分想定されます。借り主が亡くなったからと言って、賃貸経営がうまく回っている限り、銀行は連帯保証人に残債を即座に完済して欲しい訳ではありません。そんな事態が相次げば、「貸出残高」や「貸出金収支」の数字に大きく響いてしまいます。「不動産賃貸事業(から生まれるキャッシュフロー)」と「担保物件」のセットをしっかり引き継ぎ、アパートローン取引を継続してくれることを望んでいるのです。

したがって、アパートローン借入時に銀行が連帯保証人を求めるのは、不測の事態に備えた人的担保という意味合いも勿論ありますが、それと同等かそれ以上に、長期安定的なアパートローン取引継続のための布石という意味合いがあると言えます。

団体信用生命保険の加入により
連帯保証人なしで融資が受けられる可能性も

なお、連帯保証人を確保することが困難な場合、銀行指定の団体信用生命保険に加入することにより、連帯保証人なしでの融資を実現できる可能性もあります。この場合の留意点は3つ。1つ目は、借入額や借入時・完済時の年齢に上限が設けられているケースが多いこと。2つ目は、金利が0.3~0.5%程度上乗せされること。そして3つ目は、借り主の死亡により債務が消滅することで相続税対策にはならないこと、です。

団体信用生命保険の仕組み
団体信用生命保険の仕組み

ページの先頭へ