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columnNo.6自己資金の投入割合の目安

アパート経営における自己資金の投入割合は、ケース・バイ・ケースで一概には言えませんが、概ね必要資金額の70~90%程度を借入金で調達しているケースが多いと言われています。

今回は、自己資金の投入割合の目安について、決定プロセスを踏まえて考えてみましょう。

資金

まずは銀行からの借入限度額を知る

まず、知っておきたいのは、“銀行からいくら調達できるか”という「借入限度額」についてです。銀行のアパートローン審査において、融資限度額を算定する上での基本的な考え方を見ていきましょう。

ベースとなるのは、融資対象物件(土地+建物)の「担保価格」。ここで言う「担保価格」とは、融資対象物件の時価ではなく、不動産市況の下落リスク等を織り込んで銀行が独自に算出した担保評価額を指します。銀行によってかなり開きがあるのですが、土地であれば路線価をもとに算定した価格と同程度か少し低めの水準、建物(新築時)であれば建築工事費の6割程度、というような時価よりもかなり堅めの水準です。

この金額を事業計画に照らし、賃貸経営から得られるキャッシュフローを返済原資として、建物の耐用年数内に返済できるかという検証を加えます。事業の収益性が低い場合は「担保価格」の水準よりも減額される可能性もあるわけです。

これに借主の属性等(主に資産背景)を考慮した補正を加え、融資限度額を算定していく、というのが基本的な考え方であり、こうして算定された融資限度額が借主にとっては「借入限度額」となります。

すでに土地を所有している方が必要資金額を借入れしやすい

したがって、すでに所有している土地の上にアパートを建てる場合は、土地の取得費は必要なく、アパートの建築費の調達のみを考えるため、必要資金額が「担保価格(土地+建物)」の範囲内におさまることもあり、結果的に「必要資金を全額借入れることができた」というケースも出てきます。

これに対し、土地の取得から始める場合は、かなり不利になります。必要資金(土地の取得費と建物の建築費)は「時価」ベースであるのに対し、融資限度額は「担保価格(土地+建物)」をベースに算定されますので、必要資金の全額を調達することは難しく、かなりの割合で自己資金を投入しなければならないことになります。

自己資金投入割合の目安

続いて、借入限度額いっぱいまで借入れる方が良いのか、できるだけ自己資金を投入し借入れを抑える方が良いのか、というアパートローン借入れにあたっての自己資金投入割合の目安について考えてみましょう。これについては、アパート経営の目的をどこに置いているかによって異なってきます。

収益性を重視したい場合、自己資金の投入割合を高める方が有利です。借入金返済額が少なく、手取金を多く確保することが可能となります。特に土地の取得から始めるような場合(より投資色が強いと言えますが)は、前述の通り借入限度額が必要資金額を下回ってしまうという事情もありますが、物件購入に伴い新たに発生する固定資産税の納税負担も考慮し、手取金を多く確保できるプランにしておく方が良いと思います。

これに対し、相続税対策を主眼に考える場合は、借入金の割合を高める方が有利と言えます。アパートローンは負債ですので、相続財産から多額の債務控除が可能となります。また、アパートローンは返済期間が長く、特に元利均等返済の場合、元金が長期にわたって残るため、節税効果が長続きするのです。一方で借入金の割合を高めると、賃貸経営はやはり不安定になります。当初のうちは支払利息が多く、不動産所得が赤字に陥ることもあるかも知れません。ただし、不動産所得の赤字は一定のルールにしたがって他の所得と損益通算できますので、このような場合は結果的に所得税対策につながるということも押さえておきましょう。

自己資金投入の割合

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