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【vol.3】電子錠とスマートロック 「内見」の概念すら変える鍵の進化

2017年11月30日

賃貸住宅でも需要が大きいセキュリティー設備。
その中でも近年進化が著しいのが“玄関ドアの鍵”です。“玄関ドアの鍵”と聞くと、シリンダーキーを思い浮かべる方は多いでしょう。事実、一般住宅でも賃貸住宅でも、まだまだシリンダーキーが主流ですが、ピッキング犯罪が横行し、その対策として「ディンプルキー(ピッキングしにくいよう、特殊な形状になっている鍵)」が登場。その後、テンキー式やカード式の鍵も導入されるようになりました。

ここ数年では、「電子錠」、「スマートロック」などが出てきており、ホテルのようにドアそのものがオートロック式になってきています。
ここでは、最新の鍵である電子錠とスマートロックの機能を見てみましょう。

スマートロック

手持ちのICカードで開錠可能な「電子錠」

賃貸業界に「電子錠」と呼ばれる鍵が登場したのは、10年程前のことと言われています。その後、参入企業が徐々に増え、今では日本製から外国製まで様々な商品が存在します。電子錠の特徴は、鍵で開錠の操作をしないこと。基本的には、専用のカードや小型のリモコンで操作します。

また、「Suica」や「Pasmo」といった「フェリカ(ソニーが開発した非接触型ICカードの技術方式)」搭載の交通系ICカードを機器本体に登録することで、施錠の操作をできるようにする機能もあります。その他に暗証番号を入力して操作する方法もあり、様々な施錠方法があります。また、ドアを閉めたら自動で閉まるオートロック機能が付いている商品もあります。既存物件にも導入可能であり、簡単な工事で設置できます。

“施工なし、低価格”が売りの「スマートロック」

2014年くらいから登場したのが、自分のスマートフォンを機器本体に登録することで、スマートフォンで開錠できるようにする「スマートロック」です。電子錠との大きな違いは、施工が必要ないと言うこと。機器本体を、シリンダーに粘着テープで貼るだけで導入できます。また、1万5,000円~3万円前後と安価なのも特徴です。

その他、交通系ICカードも登録できますし、もともとの鍵も、もちろん利用することができます。さらに最近では、車と同じように、登録しているスマートフォンが近づくと、自動で開錠する機能などもあるそうです。

また、ネット環境を使ったシステムのため、履歴を残すことができるのも特徴です。そのため、“誰がいつ開錠したか”というログ(記録)がすべて残せます。

ログ

「内見」の概念を変える鍵の進化

スマートロックがもっとも画期的な点は、遠隔操作や一時的なパスの提供ができることです。オーナーとして登録している利用者が外出しているときであっても、家族などの訪問者に対して、一時的に開錠できる権限を渡すことができるのです。

これは、管理会社にとって朗報でした。現状、仲介店舗や現地で行なっている内見時の鍵の受け渡しが、スマートロックによって簡単になると考えられたのです。また、物件に備え付けた簡易的なキーボックスに鍵を保管している会社も多く、防犯上の問題が指摘されていました。スマートロックを導入することで、こちらも解決するのではと期待されています。近い将来、入居希望者が単独で内見することが一般的になるでしょうし、民泊などの鍵の受け渡しにも利用できるため、こちらも話題になっています。

最近では、スマートロックの機能を搭載した電子錠も登場しているため、電子錠とスマートロックの差は、ほぼなくなってきています。さらに、IoT機器(※)と連動するように設定してパッケージ販売している会社も登場しているため、スマートフォンを使うことで、外出先から鍵を開け、室内のエアコン、テレビ、照明などを操作することが可能になっています。IT技術の発展とともに、ますます進化する鍵事情。今後も目が離せません。

※IoT機器:「Internet of Things」の略。様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することで相互に制御する仕組みのこと

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