【vol.18】空き家の不正利用が増加!定期清掃と巡回で犯罪を防げ!
2018年3月2日

今、賃貸住宅業界では「空き部屋の不正利用」が大きな問題になっています。
例えば、偽造されたクレジットカードを使い、インターネットで購入した商品を空き部屋に届けさせるなどの犯罪や、宅配ボックスを受け取り手段として悪用されていると言います。
神奈川県警による空き家利用の犯罪実態報告では、2015年の検挙数は20件12人、2016年が44件31人、2017年は1~3月末までで13件6人。
全て賃貸物件の空き部屋だということです。
現行犯での逮捕者が増えるにつれ、これらの犯罪は、いわゆる「オレオレ詐欺」から派生したものだと判明してきました。
また、空き部屋を不正に利用しているのは外国人が多いと言います。
オーナー様の立場からすれば、無断で空き部屋を占拠されている上に、犯罪に利用されていることになり、たまったものではありません。
また、犯罪に利用されているだけではなく、室内には商品が入っていた箱やゴミが放置されていることもあるそうです。
酷い場合だと、大量のタバコの吸殻が放置されていたり、トイレが汚されていたりすることもあるようで、オーナー様にとっては泣きっ面に蜂です。
こまめな清掃や不定期の巡回が犯罪防止に繋がる
このような「空室の不正利用」を招く要因はいくつかあります。
まず、第一に挙げられるのが空室の案内看板です。
街を歩くとよく見かける「空室あります」と書かれた案内看板。
この看板を掲げるのは、業界では一般的でしたが、これは、空室を探す犯罪者にとって好都合であり、目印を与えるようなものです。
また、犯罪者グループの事前準備も緻密に行なわれるようになり、賃貸物件検索サイトから空室を探して不正利用するケースもあります。
次に外付けの鍵ボックスです。
これは、以前から安全面で不安視されていました。
鍵ボックスの暗証番号を定期的に変更することが一番の対処法ですが、実際そうしているケースは少なく、犯罪集団の間では物件名と暗証番号がセットで出回っていることもあります。

こうした犯罪を事前に防ごうとして、警察も動き出しています。
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会(以下、日管協)にも、警察庁からどうすれば犯罪を防げるのかと要請があったそうです。
日管協総合研究所の研究所員・主任相談員である長井和夫氏は言います。
「犯罪防止に有効な手段は、管理会社が建物の巡回を定期ではなく、不定期に行なうことです。」
いつ、管理会社が巡回に来るかわからないとなれば、犯罪者も躊躇するようです。
また、警視庁では不動産会社に「配送厳禁」と記載されたシールを配布しています。
このシールを郵便受けに貼付することで、この部屋は空き部屋だと配送業者が認知できます。
すると入居者がいないのに宅配便を届けるのはおかしいことに気づき、空き部屋の不正利用の抑止になります。
この手の犯罪は、対策を実施しても新たな犯行手口が生まれるという「いたちごっこ」の部分もあります。
しかし、賃貸住宅が犯罪の温床とならないためにも注意深く新しい情報を把握し、その都度対策を考えていくことが大切です。