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【vol.50】地域の課題をビジネスで解決する「シェアリング・エコノミー」とは

2018年11月15日

シェアリング・エコノミー」という言葉をご存じでしょうか。これは、個人等が保有する活用可能な遊休資産(=企業が事業目的で取得した資産のうち稼動していない資産)等を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能にするサービスのことを言います。

宿泊のシェアリングエコノミー

シェアリング・エコノミーの定義と対象

近年では民泊(=使われていない部屋や住宅を他者に貸し出すビジネス)が話題になっていますが、不動産のような「場所」、「スペース」だけでなく、「モノ」や「技能」などもシェア(共有)する事例も増えています。

総務省の定義によれば、シェアリング・エコノミーとは、「資産やスキルを提供したいという個人と、提供を受けたいという個人とをマッチングさせるもの」で、インターネットの利用を前提としており、スマートフォンの普及によってそうした個人間のマッチング取引がいつでもどこでもリアルタイムで行なうことが可能になったことや、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活発な利用も普及を後押ししているといわれています。

シェアリング・エコノミーでは、シェアの対象は大まかに①モノ②空間③スキル④移動⑤お金等に分類されます。

①モノ
= 個人間で利用していないモノ
②空間
= 住宅の空き部屋、駐車場、会議室
③スキル
= 家事代行、介護、育児、知識、料理
④移動
= 自家用車の運転者個人が自家用車を用いて他人を運送するライドシェアやカーシェア
⑤お金
= 個人の活動やプロジェクトへの賛同者が資金を提供するクラウドファンディング

以上が代表例ですが、これ以外にも様々なサービスが次々に開発されています。

シェアリング・エコノミーの体系図

宿泊のシェアリングエコノミー

様々な協会や協議会が発足

こうした動きの中、2015年12月、日本国内における「シェアリング・エコノミーの普及と業界の発展」を目的として、「一般社団法人シェアリングエコノミー協会」が設立されました。

また、同協会は2017年末、シェアリング・エコノミー関連の事業を展開する自治体の認定制度も開始。

UberAirbnbなど、シェアサービスの活用により、地域行政課題を解決しようとする15の自治体が参加しています。

認定条件は、下記の通りです。

  • ・配車サービスの『Uber』や民泊サイト『Airbnb』といった協会会員企業のシェアサービスを2つ以上導入していること
  • ・導入したサービスの普及促進のために自治体主導の広報PRを実施していること

今回認定されたのは、秋田県湯沢市、石川県加賀市、岩手県釜石市、鹿児島県奄美市、埼玉県横瀬町、佐賀県多久市、滋賀県大津市、静岡県浜松市、千葉県千葉市、富山県南砺市、長崎県島原市、長野県川上市、福井県鯖江市、北海道天塩町、宮崎県日南市でした。

それぞれ、少子高齢化や人口減少、子育て・教育環境の悪化、財政難など、全国の自治体が抱える共通の課題を公共サービスだけに頼らず、市民ひとりひとりが「シェア」しあうことで解決し、自治体の負担を削減しながら、「サステナブル(持続可能)」で暮らしやすい街づくりを目指しているといいます。

また、日本賃貸住宅管理協会は2018年4月に、IT・シェアリング推進事業者協議会を発足させました。

発足当時、会員企業は128社にものぼり、各社のシェアリングビジネスへの関心の高さが伺えます。

社会課題の解決へ

元来、シェアリング・エコノミーは「共助(助け合い)」という発想や仕組みによって開発されてきたサービスです。

そういった本質を考慮しつつビジネスを展開すれば、地域での就業機会の創出空き家などの遊休資産の活用などを促進していくことで、社会課題の解決の一端を担うこともできるのではないでしょうか。

宿泊のシェアリングエコノミー

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