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【vol.51】業務効率UPに貢献!業界内で期待の高まる「電子契約」とは

2018年11月21日

賃貸住宅の契約を、インターネットのオンライン上で完結させることを目指した「電子契約書」の取り組みが広がり、某大手不動産会社が契約書類をオンラインで作成できるようにしたと話題となりました。

IT重説の解禁にともない、
オンライン上での契約が可能に

テレビ電話イメージ

※1 ワイプ画面は手元のカメラで写している映像で、説明の相手方に見えている映像

電子契約書の普及の背景には、2017年10月の「IT(情報技術)を活用した重要事項説明」の解禁が挙げられます。

よく知られているように、宅地建物取引業法では、賃貸借契約の前までに宅地建物取引士が入居申込者に対し、契約期間や物件の設備などについて説明すること(重要事項説明)が義務付けられており、入居申込者はこれまで、対面で説明を受ける必要がありました。

しかし、法解釈が変更され、テレビ電話などでも「重要事項説明」が可能になりました。そのため、オンラインでの契約書作成ができるようになり、一連の契約手続きは全てオンラインで完了することができるようになりました。

電子契約書で得られるメリットとは

では、電子契約とは具体的にどのようなもので、導入にあたってどのようなメリットがあるのか、前述の某大手不動産会社が行なった事例を見てみましょう。同社は不動産管理子会社と共同で電子契約システムを開発しています。

このサービスでは、借主はスマートフォンで契約書を受け取り、店舗に出向くことなく契約書を確認し、サインすることができます。また、貸主も同様に管理会社との契約をオンラインで完結させることができます。

こうして、借主、貸主、双方が、

  • ① 印鑑なしでもスマートフォンで契約ができる。
  • ② 店舗に行く必要がなく、効率的に短時間で契約ができる。
  • ③ 紙の契約書の保管・管理が不要となり、PDFファイルを契約書の原本として保管できる。

など、様々なメリットを享受できます。

それだけでなく、 不動産仲介会社・不動産管理会社などの業者側も、印鑑を持参していないお客様に対して契約手続きの案内が可能となり、さらにお客様や「仲介会社・管理会社」の間での契約書類の(郵送での)送付回収業務も軽減されます。

このように、契約書の電子化によって様々な手間(時間)コスト(印紙代や郵送料)が削減できるため、業務効率の向上が期待されているのです。

電子サイン

実証実験の結果、高い割合で高評価を獲得

その一方で、いくら電子契約が便利だとはいっても、実際にお客様や取引先と対面できないことに不安や心配を感じる人も少なくないでしょう。

米国をはじめとする海外においては電子化が進んでいるものの、日本では未だに書面での契約締結が商慣習の主流であり、電子契約の普及が進んでいないという現状があります。

実は、こうした現状を踏まえて、国土交通省では、2017年の「IT重説解禁」に先立って、2015年から2年間に亘って「オンラインによるIT重説」が有効かどうか、社会実験を実施しました。

この実験では、303社の登録事業者が、合計1,071件の実験を行ないました。

その結果、IT重説を実施する側も、受ける側も、それぞれ「説明内容の理解状況についてよく理解できた」「顧客の声や表情も良く確認できた」等、ほとんどの項目で80~90%の高い割合で高評価を示しました。
また、目立ったトラブルがなかったことも確認できています。

こういった背景を考えても、近い将来、不動産契約は「オンライン」が当たり前になるのかもしれません。

(参考資料:国土交通省による「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会
とりまとめ」)

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