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【vol.52】タクシーもコンビニも「無人化計画」が進行中、その背景と可能性とは?

2018年11月22日

AI(人工知能)の登場によって、近年では様々なサービスの無人化が進むと予測されてきました。

そういった予測が、数年のうちに現実になることを予感させるニュースが続々と発表され始めているのをご存じでしょうか。

シンガポールから東南アジア諸国へ

近年で、最も衝撃的なニュースといえば、東南アジアの「配車アプリ」最大手であり、シンガポールを拠点に活動している「Grab(グラブ)」が発表した、完全自動運転車を使った「無人タクシー」を遅くとも4年後の2022年までに商用化するというものです。

Grabは、既に自動運転用のシステムを手掛ける米国のベンチャー企業、Nu Tonomy(ヌートノミー)と提携し、シンガポールでの実証実験に成功しています。

また、同サービスは、シンガポールから運用を開始し、その後に周辺国への展開を視野に入れているといいます。

無人タクシーイメージ

自動運転に必要なAI技術については、資本関係にあるソフトバンクグループのノウハウを活用しているそうです。

こういった成長戦略の背景にあるのは、「シェア経済」が成長する東南アジアで「タクシー配車・ライドシェア(相乗り)」における首位の地位を強固なものにするというシナリオです。

言い換えると、「政府が自動運転の普及に積極的なシンガポールからサービスを開始し、(それが成功すれば)需要の高い近隣の東南アジア諸国にサービスを展開していく」ということです。

世界でも人口集中と経済成長が著しい東南アジアでは、交通渋滞や環境汚染、交通事故などの発生件数も増加し続けています。Grabの戦略を考慮しても、AIを使った自動運転や交通システムの整備は、世界中で最もアジア地域に求められているのだということがよくわかります。

すでに進んでいる無人レジ

AIによる無人化実現の可能性は、他の場所やサービスにも散見されます。

例えば、今年初めに、インターネット通販最大手のAmazon.com(アマゾン)が、米国のシアトルでほぼ無人のコンビニエンスストア「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」を開業したことが話題になりました。

この店舗では驚くことに、AIによる画像認識や深層学習の技術を駆使することによって「棚から品物を取り、そのまま外に出るだけ」で会計が済む仕組みになっています。

まず事前に、スマホに専用のアプリをダウンロードし、Amazon.comのアカウントと紐づけます。

そのスマホをお店に設置してあるQRコードにかざして入店すると、店内の至るところに設置されたカメラが、その人(客)の選んだ商品をセンサーで認識します。

そのままお店を出れば、選んだ商品の金額が自動的に計算され、クレジットカードで精算されるというものです。

無人コンビニイメージ
Amazon Goの場合は商品を持ち上げるだけでアプリのカートに自動的に追加されますが、商品を戻すとアプリのカートから自動的に削除される仕組みです(画像はイメージです)。

このセンサーは、事前に登録されたプロフィール情報をもとに、AI技術により顧客がどのような人物であるかということも探知することができます。

Amazonはここから得られるデータをもとに、解析を行ない、購買意欲をあげるための情報、例えば何時頃にどんな商品が売れているかなどを割り出し、マーケティングに活かそうとしています。

経済産業省でも2018年2月にファミリーマートなどと連携した客が自分で会計する無人レジの実証実験が実施されています。価格情報などを搭載したICタグを貼り付けた商品を陳列し、客は機械にカゴをかざせば会計が完了するというものです。

実験結果を踏まえ、2025年までに大手コンビニ全店舗での導入を目指すといいますが、ICタグの生産コストは1枚あたり10円超がほとんどで、数十円の商品も扱うコンビニエンスストアでの普及の壁になっているそうです。

経産省は技術開発に向けた補助金などを通じ、1円程度にコストを下げることを目指しているといいますが、同じ無人化でも、AIの開発に注力し、さらなるビジネスの飛躍を目指すAmazonとは違って、深刻化する人手不足の改善や在庫管理の効率化につなげることが目的のようです。

不動産業界における無人化サービス

各所で準備が進む「無人化」ですが、不動産業界で「無人化」があるとしたら、それはどういった場面で起こりえるのでしょうか?

VR内見といった無人で内見ができるサービスはすでに始まっています。

今後はさらに加速するという人手不足の解消やコスト削減のために、あらゆる分野で無人化にすることも考えられるでしょう。

また、ビジネスの発展という側面からは、コスト削減、効率化という観点だけでなく、物件探しや契約、あるいは物件管理の際にAI技術を使うことに挑戦し、顧客のニーズを探っていくことも重要であるはずだと、海外の事例からも予測できるのではないでしょうか。

VR内見

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