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【vol.58】年々増加する二地域居住・お試し移住。その背景とは

2018年12月19日

都会と地方の両方に生活拠点(住居)を持ち、往復しながら生活するという二地域居住、期間を決めて田舎暮らし等を体験するお試し移住といった、新しい暮らし方が増えています。

どれくらいの人がこういった生活に興味を持ち、実際にやってみたいと考えているのか、国土交通省は調査を行なうなど、積極的な取り組みをみせています。

二地域移住

連携を取ることが重要

国土交通省のホームページによると「複数の生活拠点に居住・就業する二地域居住二地域就労は、豊かに生活を楽しむ住まい方のひとつであるだけでなく、農山漁村の活性化につながるとともに、都市住民の地方移住の促進にもつながる」とされています。

国土形成計画(全国計画)(2015年8月14日閣議決定)や、まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015年12月24日閣議決定)においても、同省はこれらの促進を進めることの重要性を示しています。

また、このような動きのなかで、さらなる促進を図るためには、官民が主体となり、協力して取り組むことが重要視されているようです。

試験的に導入

こういった連携の例として、茨城県では、総合人材サービス業のパーソルプロセス&テクノロジー(東京都江東区)のグループ会社、ワークスイッチコンサルティング(同)、パーソルテンプスタッフ(同)とともに進める「平成29年度トライアル移住・二地域居住推進プロジェクト」の実証成果の報告会を開催しました。

同プロジェクトは、試験的ではあるものの、東京都内で働いている従業員が、転職することなく移住するトライアル移住と、東京都と茨城県の間を行き来して暮らしていく二地域居住を推進する取り組みです。

茨城県が事業主体となり、実証実験の調査についてはワークスイッチコンサルティングが企画、運営はパーソルテンプスタッフが実施するという役割分担で進められています。

また、田舎の自治体では、地方創生を掲げた「移住」の推進が目立ちます。

青森県十和田市では、移住希望者の「移住前に十和田暮らしを体験してみたい」というニーズに応えるため「温泉付移住お試し住宅」をオープン。

温泉付住宅に家族で滞在しながら、移住についてじっくり考える機会を提供しているようです。

十和田

暮らし方の変化

従来は、移住や二地域居住といえば、仕事をリタイアしたあとに、田舎に別荘などのセカンドハウスを持ち、自由に生活を送るイメージでした。

しかし、最近では現役で働いている50代以下の方々もこういった生活を選択するようになってきました。

「ふるさと回帰支援センター」の調査によると、昨年1年以内の移住相談件数(約3万3,000件)のうち、20~40代が全体の約70%を占めていたそうです。

現代ではインターネットにつながる環境さえあれば、どこに住んでいても仕事ができるため、仕事の拠点を都会や田舎、関係なく、どこにでも置けるようになってきたということが要因のひとつと考えられるでしょう。

つまり、今の若者は、都会では文化・ビジネスなどの流行を意識した生活を送りつつ、時には田舎で暮らし、自分の畑で野菜を作るといった異なる環境違った経験によって視野や可能性を拡げているのかもしれません。

確かに、地方は自然が多く、都会よりも優れた子育て支援が充実している場所もあります。そのため、平日は都会で仕事をし、休日になると田舎に移動して、ゆったりと子育てをするという暮らし方も増えています。

移住にしても同様で、パソコンとインターネット、スマートフォンさえあれば都会で受けた仕事や作業を、遠く離れた地方で進め、時折都会へ出張するというスタイルが増えています。

移動

こうして都会と地方(田舎)の長所を同時に味わえるのが「二拠点生活」の醍醐味ですが、注意すべき点もあります。

それはまず、両拠点を行き来するための交通費です。二拠点の距離が遠いと、それだけ移動するのにお金がかかるため、負担が大きくなります。

また、住居費についても、賃貸住宅に住んでいると、二拠点分の家賃がかかるため、最近では、家賃の安いシェアハウスなどを拠点とする若者も増えているようです。

二地域居住の拡がりの背景にある事情とは、暮らし方、働き方を含めた生き方に多様性が出てきているという状況です。

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