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【vol.62】公示地価発表!拡大する地価の上昇幅、資産デフレは脱却か?

2018年12月26日

都市部への活発な投資を受け、全国で地価が上昇しています。2018年3月27日に国土交通省が全国2万6000地点を対象に実施した調査によると、1月1日時点の公示地価は、全用途平均と商業地で3年連続で上昇し、地価の上昇幅も拡大しました。

三大都市圏では、全用途平均で1.5%、住宅地が0.7%、商業地で3.9%とそれぞれ上昇。地方圏でも26年ぶりに上昇、0.041%のプラスでした。

主要都市圏の上昇率を詳しく見てみましょう。前年に引き続き上昇傾向は商業地で強いものの、低金利政策によって、住宅地でも小幅な上昇基調が続いているようです。

地価の上昇

まず、住宅地における全国上昇率をさらに細かく確認すると、北海道の俱知安町が上位3地点を占め、続いて沖縄県が4~9位の6地点、10位に福岡市となっており、北海道と九州・沖縄がランクインしています。

次に、商業地の上昇率を見てみると、1位は住宅地と同じく俱知安町で、2位には大阪の道頓堀、3位には京都の東九条。商業地では近畿(大阪・京都・神戸)や名古屋で8地点を占めており、地価の伸び率は「西高東低」といった様相です。

変動率上位順位表(全国)

「住宅地」の変動率順位表(価格:円/㎡、変動率:%)

1

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
倶知安-2 北海道 虻田郡倶知安町南3条東1丁目16番9外
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
21,000円 28,000円 33.3%

2

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
倶知安-3 北海道 虻田郡倶知安町宇山田83番29
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
38,000円 50,000円 31.6%

3

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
倶知安-1 北海道 虻田郡倶知安町北7条西4丁目1番33
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
13,500円 17,000円 25.9%

4

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
那覇-19 沖縄県 那覇市おもろまち3丁目6番11
「おもろまち3-6-20」
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
230,000円 270,000円 17.4%

5

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
浦添-6 沖縄県 浦添市西原5丁目681番10「西原5-19-12」
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
98,000円 115,000円 17.3%

6

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
那覇-3 沖縄県 那覇市天久1丁目7番14外「天久1-7-21」
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
228,000円 265,000円 16.2%

7

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
北谷-3 沖縄県 中頭郡北谷町字伊平伊礼原260番7
(50街区3)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
125,000円 141,000円 12.8%

8

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
中城-2 沖縄県 中頭郡中城村字南上原中坂田原840番7
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
97,200円 109,000円 12.1%

9

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
那覇-25 沖縄県 那覇市首里金城町1丁目19番6
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
108,000円 121,000円 12.0%

10

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
福岡東-42 福岡県 福岡市東区千早4丁目2872番外
「千早4-10-1」
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
158,000円 177,000円 12.0%

「商業地」の変動率順位表(価格:円/㎡、変動率:%)

1

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
倶知安-5 北海道 虻田郡倶知安町南1条西1丁目40番1外
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
29,500円 40,000円 35.6%

2

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
大阪中央
5-19
大阪府 大阪市中央区道頓堀1丁目37番外
『道頓堀1-6-10』(づぼらや)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
4,000,000円 5,100,000円 27.5%

3

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
京都南5-5 京都府 京都市南区東九条上殿田町50番2外
(KDDビル)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
1,650,000円 2,100,000円 27.3%

4

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
東山5-7 京都府 京都市東山区四条通大和大路東入祇園町
北側277番(豊田愛山堂)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
1,550,000円 1,950,000円 25.8%

5

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
名古屋中村
5-11
愛知県 名古屋市中村区椿町1501番外
『椿町15-2』(ミタニビル)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
3,900,000円 4,880,000円 25.1%

6

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
名古屋中村
5-22
愛知県 名古屋市中村区名駅2丁目3603番
『名駅2-36-10』(松岡第二ビル)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
2,000,000円 2,500,000円 25.0%

6

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
東山5-9 京都府 京都市東山区三条通大橋東入三丁目
35番7外(GOZAN HOTEL)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
552,000円 690,000円 25.0%

6

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
神戸中央
5-24
兵庫県 神戸市中央区磯上通8丁目329番
『磯上通8-3-5』(明治安田生命神戸ビル)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
2,160,000円 2,700,000円 25.0%

9

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
札幌中央
5-21
北海道 札幌市中央区南6条西3丁目6番31
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
340,000円 424,000円 24.7%

10

標準地番号 都道府県 標準地の所在地
神戸中央
5-18
兵庫県 神戸市中央区明石町47番
(ニッケ神戸ビル)
平成29年公示価格 平成30年公示価格 変動率
1,910,000円 2,380,000円円 24.6%

上昇基調の背景

国土交通省によれば、全国的な上昇基調の背景には「全国的に雇用・所得環境が改善に向かい、利便性の高い土地を中心に住宅地価が回復していること」「訪日客の増加に伴って店舗やホテルの需要が盛んになり、商業地の地価が堅調に推移していること」があるといいます。

また、インバウンド需要の拡大は2017年後半に拡大し、不動産投資の主役はオフィスから店舗・ホテル、物流に移行しました。住宅地での投資は超一等地から、やや割安で利便性の高い一等地に移っているのが今回の公示地価の特徴だと専門家は語ります。

地価の上昇

さらに、日銀の低金利政策に伴う緩和マネーも呼び水となっているようで、オフィスの再開発需要がある利便性が高い主要都市の中心地で、より顕著な回復基調が見られます。

そのうえで、商業地の伸び率が「西高東低」になった理由として「地価が高騰する東京を避けた投資マネー」が西日本に拡がったと考えられます。

3年連続で上昇中

バブル崩壊後に長期間資産デフレが続いてきた中、1992年以降で初めて3年連続の地価上昇が実現したわけですが、内閣府の国民経済計算では「土地資産額(地価総額)」についても、2016年に1,182兆円と、バブル期の6割水準ながら3年連続で上昇しています。

あわせて、株式資産額も90年代後半に300兆円近くまで落ち込んだものの、2016年には700兆円に増加していることから、株式や不動産の価格が下がり続ける「資産デフレ」はストップし、日本経済がようやく負の局面を脱したとの見方もあります。今後は、利便性の高い場所に前向きな投資が生まれると予想されており、消費の底上げも期待されます。

地価

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