【vol.64】入居者に人気の設備ランキング 2018年度版発表!昨年との違いは?
2019年1月9日

全国賃貸住宅新聞が入居者に人気の設備ランキング2018年度版を発表しました。
毎年発表されている本調査ですが、今年は9月3日~10月5日にかけて、全国322の不動産会社を対象にアンケートが実施されました。昨年から目立った変化はないものの、新たな項目がいくつかランクインしています。
2018年度版は、昨年との比較も行ないながら、ランキングの詳細を確認してみましょう。
無料のインターネット設備や宅配ボックスは
相変わらず人気
「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」
設備ランキング
単身者向け物件 | ファミリー向け物件 | ||
---|---|---|---|
1位 → 前回1位 |
インターネット 無料 |
1位 → 前回1位 |
インターネット 無料 |
2位 ↑ 前回3位 |
宅配ボックス | 2位 ↑ 前回3位 |
追い炊き機能 |
3位 ↓ 前回2位 |
エントランスの オートロック |
3位 ↓ 前回2位 |
エントランスの オートロック |
4位 ↑ 前回圏外 |
備え付け 家具・家電 |
4位 → 前回4位 |
宅配ボックス |
5位 → 前回5位 |
浴室換気乾燥機 | 5位 → 前回5位 |
システムキッチン |
6位 ↓ 前回4位 |
ホーム セキュリティー |
6位 → 前回6位 |
ホーム セキュリティー |
7位 → 前回7位 |
独立洗面化粧台 | 7位 ↑ 前回8位 |
ガレージ |
8位 ↑ 前回9位 |
防犯カメラ | 8位 ↑ 前回9位 |
ウォークイン クローゼット |
8位 ↓ 前回5位 |
ウォークイン クローゼット |
9位 ↓ 前回7位 |
浴室換気乾燥機 |
10位 ↓ 前回9位 |
システムキッチン | 10位 ↑ 前回圏外 |
太陽光パネル (入居者個別売電) |
出典:全国賃貸住宅新聞(2018年10月15日号)
この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる設備ランキングでは、昨年1位だった、無料のインターネット設備が今年も1位にランクイン。
単身者向けでは4年連続、ファミリー向けでは3年連続の1位です。
無料のインターネット設備の人気は老若男女を問わない結果となっており、昨今では入居者様にとって欠かせない設備だといえます。
毎月の通信コストを考慮すれば「2,000円~3,000円程度家賃が上がったとしても、自宅での通信費が無料の方がいい」という消費者心理がうかがえます。
テレビを見るよりも、スマートフォンやパソコンでネットを通じてYouTubeやNetflixの動画を見ることが多い今の入居者ニーズを考えれば、納得の結果だといえるでしょう。

「単身者向け」の宅配ボックスは、昨年の3位から2位に上昇。ネット通販に代表されるEC市場がますます拡大する中、インターネット経由で様々な商品を購入する入居者様にとっては、再配達の手間を省くためにも、宅配ボックスが欠かせないようです。
TVモニター付きのインターホンやエントランスのオートロックなど、セキュリティーに関わる設備は昨年とほぼ同順位にランクインしており、防犯設備の充実も入居の判断には欠かせないものといえます。
昨年ランク外から登場した新たな項目も!
昨年のランキング圏外から新たにランクインした項目は、興味深い内容となっています。
まず、「単身者向け」4位にランクインした備え付け家具・家電は、テレビや冷蔵庫、洗濯機など、生活する上で必須の家電に加えて、ベッド、テーブル、椅子などを指しているものです。
家具の中でも特に、引っ越しの際にかさばってしまうベッドや、窓の規格によって寸法が異なってくるカーテン等は、備え付けにすることで賃料アップにつながるといいます。
こうした傾向を踏まえて、法人契約の社宅などには、家具家電を備え付けておく不動産オーナー様も多いとのことです。
無料インターネットや宅配ボックスにも通じる点ですが、入居者様や契約者様の手間と負担に配慮した設備の人気が高い傾向があります。

新たに「ファミリー向け」でランクインしたのが太陽光パネル(入居者個別売電)です。昨今は自然災害による停電なども多く発生しており、太陽光パネルや蓄電池を設備条件として検討する入居者様も増加しています。
これらの設備を求める入居者様は長期入居を前提としている場合が多いため、「導入にコストのかかる設備とはいえ、長い目で見れば不動産オーナー様にとってもメリットがある」といった回答もあげられています。
入居者目線で見ても、節電・売電が可能なことは魅力的で、多少家賃が高くても、太陽光パネルのある物件は検討対象になるようです。
台風の影響か?洗濯機は絶対に屋内という判断
「この設備がなければ入居が決まらない」
設備ランキング
単身者向け物件 | ファミリー向け物件 | ||
---|---|---|---|
1位 → 前回1位 |
室内洗濯機置き場 | 1位 ↑ 前回3位 |
室内洗濯機置き場 |
2位 → 前回2位 |
TVモニター付き インターホン |
2位 → 前回2位 |
独立洗面化粧台 |
3位 → 前回3位 |
独立洗面化粧台 | 3位 ↓ 前回1位 |
追い炊き機能 |
4位 ↓ 前回3位 |
洗浄機能付き便座 | 4位 → 前回4位 |
TVモニター付き インターホン |
5位 → 前回5位 |
インターネット 無料 |
5位 → 前回5位 |
洗浄機能付き便座 |
6位 → 前回6位 |
エントランスの オートロック |
6位 → 前回6位 |
システムキッチン |
7位 → 前回7位 |
備え付け照明 | 7位 ↑ 前回8位 |
エントランスの オートロック |
8位 → 前回8位 |
宅配ボックス | 8位 ↑ 前回9位 |
インターネット 無料 |
8位 → 前回9位 |
ガスコンロ (二口/三口) |
9位 ↓ 前回7位 |
ガスコンロ (二口/三口) |
10位 ↑ 前回圏外 |
システムキッチン | 10位 → 前回10位 |
エレベーター |
出典:全国賃貸住宅新聞(2018年10月15日号)
「この設備がなければ入居が決まらない」との設問では、全体的に昨年と同様の順位となっていますが、室内洗濯機置き場が単身向け、ファミリー向けの双方で1位を獲得しました。
単身者を見れば、前回に引き続いての1位となり、「防犯を考えれば、屋外で洗濯をしたくない」などという声が多く寄せられています。ファミリー向けでは、昨年の2位から1位へとランクが上昇しています。
この点について、全国賃貸住宅新聞は「2018年は特に台風などの被害が大きかった」というように、台風や豪雨の際に屋外へ置いたものが多大な被害を受けてしまうという点を指摘しています。
災害時に備えた設備設計が重要だといえます。

いかがでしたでしょうか。新たにランクインした項目も考慮すると、入居者様はより一層便利で安全・快適な住居を求めているということがわかります。
今回の結果は、入居者様の手間や負担、災害時の状況にまで配慮した快適な空間について考えるいい機会になるかもしれません。