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【vol.72】2019年で制定後10年! 長期使用製品安全点検・表示制度の概要

2019年6月26日

安全点検

石油温風暖房機やガス給湯器などの長期使用による劣化に起因する事故が2008年頃に相次いで発生しました。

その結果、法改正が進められ、2009年4月に長期間の使用に伴う劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、特に重大な危害を及ぼすおそれの多い9品目については、点検制度として長期使用製品安全点検制度が定められました。

経済産業省は、これを「9品目の製造、または輸入事業者に加えて、小売販売事業者、不動産販売事業者、建築事業者、ガス・電気・石油供給 事業者などの事業者、さらには消費者等、それぞれが適切に役割を果たして経年劣化による事故を防止するための制度」としています。

長期使用製品安全点検制度 9品目

屋内式ガス瞬間湯沸器
(① 都市ガス用・② LPガス用)
屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用・LPガス用)
屋内式ガスふろがま
(③ 都市ガス用・④ LPガス用)
屋内式ガスふろがま(都市ガス用・LPガス用)
⑤ 石油給湯器
石油給湯器
⑥ 石油ふろがま
石油ふろがま
⑦ 密閉燃焼式石油温風暖房機
密閉燃焼式石油温風暖房機
⑧ ビルトイン式電気食器洗機
ビルトイン式電気食器洗機
⑨ 浴室用電気乾燥機
浴室用電気乾燥機

また、経年劣化による重大事故の発生率は少ないものの、以下の長期間の使用による事故の件数が多い5品目については、長期使用製品安全表示制度として、標準使用期間と経年劣化の注意喚起等の表示が義務化され、消費者等への注意喚起が行なわれています。

製造者、または輸入業者に製品の点検の義務がある一方で、点検を確実に実施するためにも、これらの製品を購入した所有者が所有者情報を提供する必要もあります。

この条件は、賃貸物件の附属設備においても同様に適用されるため、賃貸物件のオーナー様は物件内の該当設備について管理する義務があるのです。点検をしていない場合の罰則は規定されていないものの、何らかの事故が起こった時に責任を問われる可能性がありますので、本制度の概要については、しっかりと確認しておきましょう。

長期使用製品安全表示制度 5品目

長期使用製品安全表示制度 5品目
対象製品には上記のようなラベルが貼られています(メーカーにより多少デザインが異なります)。
① 扇風機
扇風機
② エアコン
エアコン
③ 換気扇
換気扇
④ 洗濯機
洗濯機
⑤ ブラウン管テレビ
ブラウン管テレビ

長期使用製品安全点検制度の概要

長期使用製品安全点検制度は、下記の項目により構成されています。

  • ① 特定保守製品の指定
  • ② 特定保守製品の製造・輸入を行なう事業者による保守情報の製品表示等
  • ③ 情報伝達サークル制度の構築
  • ④ 特定保守製品の点検その他の保守の体制の整備
  • ⑤ 点検の実施
  • ⑥ 国の役割

この中で該当製品を所有する一般の消費者や賃貸物件のオーナー様に関係してくる項目は、② 特定保守製品の製造・輸入を行なう事業者による保守情報の製品表示等⑤ 点検の実施となります。

賃貸マンション経営・アパート経営のオーナーが特定保守製品の利用で留意する点

まずは、② 特定保守製品の製造・輸入を行なう事業者による保守情報の製品表示等によって表示されている情報をしっかり確認しておきましょう。

※特定製造事業者等の氏名又は名称及び住所・製造年月・設計標準使用期間・点検期間の始期及び終期・点検その他の保守に関する問い合わせを受けるための連絡先・製造番号などの特定保守製品を特定するに足りる事項

特定保守製品のラベル一例
上記の内容は一例です。対象製品に貼られている本体表示ラベルをご確認下さい。

次に、⑤ 点検の実施については、経済産業省によると、この制度において特定保守製品の所有者(消費者・オーナー様等)は「当該特定保守製品について経年劣化に起因する事故が生じた場合に他人に危害を及ぼすおそれがあることに留意し、特定保守製品の保守に関する情報を収集し、点検期間中に点検を行う等その保守に努める責務が課せられている」としています。

また、所有者は「特定製造事業者等に対して所有者情報を提供する責務があり、これによって特定製造事業者等は、所有者に対して特定保守製品の点検時期や、特定保守製品の適切な保守に関する通知を行うことが可能となる」としています。

つまり、賃貸マンション経営・アパート経営のオーナー様を含む全ての特定保守製品の所有者は「点検期間中に点検すること」を忘れずに対応し、「メーカーからの連絡が受けられるように、所有者情報を提供する」必要があるのです。

賃貸事業者は一般の所有者よりも安全意識を強くもつようにとの記載

経済産業省によると、全ての特定保守製品の所有者は、安全を確保の意識をもって点検その他の保守に努めることが求められているといいます。

特に「特定保守製品を賃貸する事業者は、一般消費者である所有者よりも、点検その他の保守を実施して賃借人を保護する社会的責任を有していることから、法律上の責務は分けて規定されており、安全意識の向上にとりわけ努める必要がある(消費生活用製品安全法第32条の14第2項)」と強調。

賃貸住宅の専有部分も含め、管理を管理業者に委託している場合であっても、点検の必要性を伝え、適切に対応していくことが求められます。

すでに所有している特定保守製品はもちろんのこと、今後新たに該当製品を購入する機会があれば、必ずメーカーへの所有者情報の提供と、点検期間の確認を行ないましょう。

定期点検

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