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【vol.76】土地活用に新しい形が登場。「コンセプト型賃貸住宅」とは

2019年10月23日

総務省が2019年7月に発表した「住民基本台帳に基づく人口動態調査」によると、日本国内に住む日本人の数が1億2477万6364人となり、前年と比べて43万3239人も少なくなっています。総人口は2008年をピークに、年々減少傾向にあります。

また、相続税などの節税を目的とした賃貸住宅の建築が一気に増え、需要と供給のバランスが崩れたことにより、供給過剰になっている現実もあります。

これまでの賃貸住宅業界は、新築物件だったり、立地が良かったりするだけで、入居希望者は自然と集まってきた時代でした。しかし、これからは人口減少による市場飽和を見据え、土地活用として新たに賃貸経営を始める際には、他物件との差別化を図ることが重要です。

そこで近年、「コンセプト型賃貸住宅」と呼ばれるアパートやマンションが登場しています。ここでは実際にどのようなものなのかをご説明します。

コンセプト型賃貸住宅

「コンセプト型賃貸住宅」の種類

特定のコンセプトを決め、その内容に沿って建てられた賃貸住宅を「コンセプト型賃貸住宅」といいます。これまでの賃貸経営で一般的であった「単身者向け」や「ファミリー向け」、「ペット可」といった大きなくくりではなく、より細かくターゲットを絞ったものになっています。

立地や築年数、設備などで劣る賃貸住宅であっても、物件のコンセプトに沿った趣味を持つ人や、同じ思いを持った人などをターゲットにすることで、一定のニーズを満たすことができるのがメリットです。

コンセプト型賃貸住宅の例

① ペット共生型

ペット用の玄関ドアや足洗い場、ドッグラン、キャットタワーなど、ペット用の設備が付いている物件をいいます。「ペット可物件」とは異なり、「ペットと快適に暮らせること」をコンセプトに建てられています。

ペット共生型

② 音楽マンション

遮音性が高く、ピアノやギターなどの楽器の演奏が24時間可能な物件です。音楽スタジオやライブハウスが併設しているところもあります。また、防音効果が優れているため、音楽をするためだけでなく、夜中の活動が多い方などにも需要があります。

音楽マンション

③ ワイン好き向け

ワイン好きな方に向けて作られています。建物内にソムリエがいる共有のワインカーブ(貯蔵庫)が設置されていたり、その場でワインを試飲できるサービスが付いていたりします。ワインパーティーのコーディネートなども行なっています。

ワイン 好き向け

④ DIY可能

入居者自身が部屋の中を自由に装飾することや改修などの手を加えることができます。例えば、壁紙を張り替えたり、ペンキで塗装したり、壁に棚を取り付けたりすることが可能です。また、DIY専用の作業スペースが併設される物件も出てきています。

DIY可能

⑤ ガレージ付き

車やバイク好きをターゲットにした賃貸住宅です。住宅の1階部分の土間を広くし、ガレージを作ることで、建物の中に駐車できるスペースを設けています。ガレージ内では、車やバイクの手入れができるのが魅力です。

最近では、ガレージだけではなく、それ以上に付加価値を付け、部屋の一部にハンモックが付いている物件もあるそうです。ハンモックの上で寝転がったりすることができ、小さなお子様がいるご家庭などに人気です。

ガレージ付き

住み手の暮らしを豊かにする「コンセプト型賃貸住宅」

ここでご紹介したのはほんの一部です。「コンセプト型賃貸住宅」といっても数多くの種類があります。また、これからも様々な種類の「コンセプト型賃貸住宅」が出て来るでしょう。

これまでの賃貸経営は立地や設備が良ければ、入居者が決まる時代でした。しかし、今後は住み手が求める部屋を作り、住み手の暮らしを豊かにできる部屋であることが、賃貸経営を行なう上で何より重要なことなのかもしれません。

ターゲットを絞り、専門性に特化した「コンセプト型賃貸住宅」は、他物件との差別化が図れることから、一歩先を行く土地活用の形といえるでしょう。

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