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columnNo.24不動産オーナー(個人)に相続が発生した場合の手続

不動産オーナー様の懸念のひとつに、今もっている収益不動産を誰に引き継がせようか?ということがあると思います。

自分が亡き後、自分の意思を、確実に反映させるには「遺言」という手段がありますが、遺言を遺す前に万が一のことが起こることもありえます。

不動産オーナー様の遺言書作成

また、「遺言書は書かない。話し合いで決めればいい」という考えを持った不動産オーナー様もいらっしゃいます。

このように遺言を遺さずお亡くなりになった不動産オーナー様の相続人は何をすれば良いのでしょうか?

今回は、不動産オーナー様がお亡くなりになった場合の相続の手続きについてお話しさせていただきます。

相続開始後の手続き

人が亡くなると、市役所への死亡届の提出から始まって、多くて70種類以上の手続きが必要になります。このお話をすると、皆さん一様に不安そうな表情をされますが、市役所への死亡届の提出など、葬儀業者の案内により知らないうちに手続きが終わっていることも多いようです。

しかし、お亡くなりになった方の賃貸アパート経営の引継ぎや、残した財産の引継ぎは、きちんと手続きをしなければ終わることはありません。

アパートの引継ぎとは?

個人が賃貸アパート経営をしているということは、簡単に言えば、そのアパートを所有し運用しているということです。

このような場合は、アパートの所有権は相続財産ということになり、お亡くなりになった方が「遺言書」を残していれば、その「遺言書」どおりに当該アパートの所有権が相続人に引き継がれ、その引き継いだ相続人がアパートの経営を続けていくことになります。

では、「遺言書」がない場合は、どのような手続きが必要となるのでしょうか?

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遺言書がない場合の手続き?

相談者の中には、「生前、亡くなった父は私にアパート経営を任せると言っていた」と主張される方がいらっしゃいますが、「遺言書」がない場合は証拠がないため、相続人全員で協議して誰が相続するか決める必要があります。

この遺産分割協議をするための前提として、亡くなられた方の相続人を確定しなければなりません。

具体的には、被相続人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍、相続人全員の戸籍などを取得し、相続人を確定していきます。

被相続人が、本籍を全く異動していなかった場合は、この戸籍集めは簡単ですが、転籍を繰り返しているなどの理由により、遠方の戸籍を取得しなければならない場合や、ご兄弟姉妹が相続人の場合などは、膨大な数の戸籍が必要になります。

また、戸籍は個人情報が記載されているため、取得できる者が法律で決められていますので、取得のために役所の窓口に行く場合には、必要書類などを事前に確認することが肝要となります。

「遺産分割協議書」の作成と相続登記

その後、戸籍等で確定した相続人全員で協議して、被相続人の財産を誰が取得するか決めていきます。そして、後々の証明のために協議内容を文書にまとめることが必要となり、この文書を「遺産分割協議書」といいます。

被相続人の財産に関する協議

「遺産分割協議書」への財産の記入の仕方も注意が必要で、亡くなった方の名前、亡くなった日や相続人全員で協議した旨、アパートやその他の財産がきちんと特定されていないと財産の引継ぎができない場合もあります。今回のような、不動産の所有者の名義を変更する「相続登記」には、この「遺産分割協議書」が必要となります。

法律的には、相続人全員の協議で決めればいいのですが、その協議の結果をもって、アパートの土地建物の名義を取得した人の名義に変更登記をして、アパートの事業の引継ぎを完了させることになります。

この「遺産分割協議書」を内容に不備がなく作成することは、賃貸アパート経営の引継ぎには必要不可欠となります。

このように取得者が決まった後には、所有者変更の相続登記をした後、借主さんに対し、賃貸人が変更した旨の通知をして、賃料の振込先を、その取得する相続人の口座に変更することとなります。

これで、アパートの経営の引継ぎ完了となります。

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