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columnNo.26賃貸経営の法人化による相続対策

よくあるご質問の中に、今は個人で不動産事業をしているが、法人を設立して、不動産事業を法人に移したほうが良いだろうか?といったものがあります。

賃貸経営の法人化による相続対策

不動産事業を個人事業として行なった場合と、法人として行なった場合の違いを法律の観点、特に相続の観点から検討してみます。

個人事業の不動産オーナー様が相続する際の問題点

例えば、以下のような個人事業の不動産オーナー様を想定します。

  • 所有収益物件:土地2筆、共同住宅2棟
  • 推定相続人 :子ども3人

このような不動産所有状況で、不動産オーナー様が財産を平等にお子様に相続させるためにはどうすれば良いでしょうか?

個人事業のままですと、「全ての不動産を持分3分の1ずつの共有とする。」、もしくは「『2人に引き継がせ、もう1人には相当額の金銭等を引き継がせる』といった内容の遺言を作成する」といった方法が考えられます。

しかし、不動産を共有にすると、その不動産を処分しようとしたときに、共有者全員の合意が必要となって、運用がしにくくなるといった問題があります。また、不動産を引き継げなかった相続人は、その後の収益を享受することができないことになります。

不動産の財産を平等に相続する方法は?

特定の相続人に引き継がせることの合意がとれていれば良いのですが、特に決めていない場合には不公平感がでてしまう可能性もあります。

では、株式会社(※)に不動産事業を引き継がせた後、この不動産オーナー様に相続が開始した場合、どうなるのでしょうか?

※法人には何種類かありますが、今回は株式会社を例に記載しています。

法人化により相続(遺産分割)がスムーズに

不動産オーナー様が設立した株式会社へ不動産を移し、不動産事業を株式会社が行なうようになると、不動産オーナー様の財産は「不動産」からその会社の「株式」に変わることになります。

不動産と違い株式はひとつの不動産を所有している法人でも複数の株式を発行できるので、仮に不動産オーナー様に相続が発生しても、子どもたちにそれぞれ平等に株式を残すという遺言を作成しておけば、財産を公平に分配することができます。

例えば、簡単な例として3株発行して、遺言でそれぞれ1株ずつ相続させるとしておけば、そのとおりに相続されていきます。

不動産は株式会社の単独所有なので、会社の判断で不動産の処分ができます。不動産の共有のように株主全員の合意は必要がありません。

株式会社を間にはさんで相続人みなさんで不動産を間接所有し、不動産の管理、運用、処分権限は株式会社がもっているというイメージです。

不動産を法人化して、相続人皆で間接所有する

当然、株式会社の運営を誰に任せるか、相続開始後の株主構成など、法人がスムーズに運営できるよう考える必要はあります。

このように、個人の不動産オーナー様が法人化を検討する場合には、節税等の経済的視点だけでなく、相続等を見据えた法律的な観点を加えてみてはいかがでしょうか。

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