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columnNo.2不動産賃貸業に最適な節税対策
~小規模企業共済とiDeCo~

アパート経営での所得税の節税対策には、「小規模企業共済制度」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」が有効です。それぞれの概要について、ご説明します。

iDeCo 個人型確定拠出年金

小規模企業共済の加入

(1)小規模企業共済とは

小規模な個人事業主や法人の役員等が退職したり事業を廃止したりした場合に、それまでの積み立ての掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度です。つまり、事業主のための退職金制度です。
なお、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

≪小規模企業共済のメリット≫

  • 1.掛金は毎月1,000円から70,000円までの範囲(500円刻み)で自由に選択でき、掛金の全額が所得税の所得控除の対象となります
  • 2.共済金の予定利率は年1.0%(現在)
  • 3.共済契約者が亡くなった場合に遺族が共済金を受け取る場合は、みなし相続財産として相続税の対象となり、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使うことができます。(生前は所得税対策ができ、相続時には相続税対策になります!!)
  • 4.受取方法によっては、控除が受けられます。

    一括で受け取る場合には、退職所得扱い → 退職所得控除の対象

    分割(※)で受け取る場合には、公的年金等の雑所得扱い → 公的年金等控除の対象

    ※分割受け取りができるのは、共済金の額が300万円以上であり、満60歳以上の方

    解約した場合には、原則として一時所得扱い(ただし、解約日において満65歳以上の場合は退職所得扱い)

(2)小規模企業共済の加入資格

小規模企業共済の加入資格は、下表の通りです。

加入できない人
  • 1.兼業で事業を行なっているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)
  • 2.学業を本業とする全日制高校生等
  • 3.会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)で
    あっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  • 4.配偶者等の事業専従者(ただし、共同経営者の要件を満たしていれば
    共同経営者として加入できます。)
加入できる人

常時使用する従業員の数(※1)が20人以下(商業・サービス業の場合に5人以下)の個人事業主または会社の役員、またはその共同経営者(※2)
ただし、不動産貸付業の場合には 事業的規模がある場合に限られます。

  • ※1:常時使用する従業員には、家族従業員や臨時の従業員、共同経営者(2人まで)は含みません。
  • ※2:共同経営者とは、個人事業主とともに経営に携わっている方で次の要件をともに満たす方となります。
    ただし、加入できるのは個人事業主1人につき2人までとなります。
    ・事業の経営において重要な意思決定をしている、または事業に必要な資金を負担している。
    ・事業の執行に対する報酬を受けている。
注意!
給与所得者が副業的に、アパート・賃貸マンションの経営をしている場合は、加入することができません!

(3)小規模企業共済等掛金控除による節税額

小規模企業共済等掛金控除による節税額は、下表の通りです。

課税所得金額※1 加入前の税額 加入後の節税額
所得税
住民税※2
掛金月額
1万円
掛金月額
3万円
掛金月額
7万円
200万円 309,600円 20,700円 56,900円 129,400円
400万円 785,300円 36,500円 109,500円 241,300円
600万円 1,393,700円 36,500円 109,500円 255,600円
800万円 2,034,200円 40,100円 120,500円 281,200円
1,000万円 2,806,000円 52,400円 157,300円 367,000円
  • ※1:課税所得金額とは、その年分の総所得金額から基礎控除、扶養控除、社会保険料控除などを控除した後の金額で、課税の対象となる額を言います。
  • ※2:所得税は、復興特別所得税を含めて計算しています。また、住民税均等割を5,000円として算定しています。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入

(1)iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

加入者が月々の掛金を拠出(積立)し、あらかじめ用意された金融商品で運用し、60歳以降に年金、または一時金で受け取る制度です。
※60歳になるまで、引き出すことはできません。

≪iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット≫

1.掛金の全額が所得控除の対象
自営業者の毎月の拠出限度額は、68,000円であるため、最大で816,000円を所得から控除することができます。
2.運用益が課税対象とならない
運用の過程で得られた譲渡益や利子、分配金はその時点では課税対象とならず、すべて再投資されます。
そのため、実質的な利回りが上昇し、長期の複利運用となり資産形成効果が高まります。
3.受け取るときに、控除が受けられます。
  • ・一時金で受け取る場合は退職所得扱い → 退職所得控除の対象
  • ・年金で受け取る場合は公的年金等の雑所得扱い
    → 公的年金等控除の対象

(2)iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる人

以前は、国民年金保険第1号被保険者(=自営業者)と一部の国民年金保険第2号被保険者(=企業年金[確定拠出・給付を含む]が実施されていない会社の会社員)しか加入できませんでしたが、改正が行なわれ、平成29年1月よりすべての現役世代が確定拠出年金を利用できるようになりました。

(3)iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金の限度額

iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金の限度額は、下表の通りです。

国民年金の種類 企業年金 拠出限度額
第1号被保険者
(自営業者)
年81.6万円(月6.8万円)
第2号被保険者 確定給付型企業年金
(確定給付型企業年金+企業型年金)
年14.4万円(月1.2万円)
企業型年金のみ 年24万円(月2万円)
確定給付型企業年金・企業型拠出年金
ともに実施していない
年27.6万円(月2.3万円)
公務員 年14.4万円(月1.2万円)
第3号被保険者
(専業主婦(夫)等)
年27.6万円(月2.3万円)
  • ・第1号被保険者:自営業者や学生等
  • ・第2号被保険者:厚生年金保険の加入者(会社員等)及び共済組合の加入者(公務員等)
  • ・第3号被保険者:会社員や公務員など国民年金の第2号被保険者(夫など)に扶養される配偶者の方

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