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columnNo.25譲渡税の特例で不動産売却時の税金を安くする方法とは?

土地を売却したことによって生じた所得を「譲渡所得」といい、譲渡所得に対する税金を譲渡税といいます。譲渡所得については様々な特例があり、その特例を受けることにより譲渡税を軽減することができます。

今回は、譲渡税の特例の一つである「事業用資産の買換え特例」について、ご説明します。

土地の売却

事業用資産の買換え特例

事業用資産の買換え特例とは、事業の用に供している土地建物等(譲渡資産)を譲渡し、一定の期間内に土地建物等(買換資産)を取得し、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供した場合、譲渡資産の譲渡益のうち買換資産に対応する部分の70~80%に相当する部分については課税を繰り延べることができる制度です。

ただし、譲渡資産の譲渡益が非課税になるわけではなく、また譲渡資産の譲渡益のうち買換え資産に対応する部分の20~30%に相当する部分については、課税が繰り延べられることはありません。

事業用資産の買換え特例を受けるためには、売った土地建物等が事業に使われていたものであり、かつ買い換えた土地建物等を事業に使うことが必要です。

この事業には農業、製造業、小売業、サービス業等さまざまなものがあり、事業に準ずるものに供されている土地建物等も事業用資産となります。

譲渡所得の金額の計算方法

譲渡所得の金額の計算方法
譲渡所得の金額の計算方法
※1
・大都市等※3以外の地域から大都市等への買換えの場合 …25%
・大都市等以外の地域から特定地域※4への買換えの場合 …30%
・上記以外の場合 …20%
※2
・大都市等以外の地域から大都市等への買換えの場合 …75%
・大都市等以外の地域から特定地域への買換えの場合 …70%
・上記以外の場合 …80%
※3
大都市等とは、東京23区を除く首都圏既成市街化地、首都圏近郊整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部をいいます。
※4
特定地域とは、東京23区をいいます。

買換資産の留意点

①買換資産が土地等の場合
買換資産が土地等であるときは、取得する土地等の面積が、譲渡した土地等の面積の5倍以内であることが必要です。その5倍を超える部分の面積の土地等については、買換資産に該当せず、特例の対象となりません。
また、10年超所有している事業用資産を売却し、事業用資産の買換えの特例(7号買換え)を受ける場合には、買換資産の土地等の範囲を事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもののうちその面積が300㎡以上のものに限定されています。
②買換資産の取得時期・事業の用に供すべき期限
買換資産は原則として、(1)譲渡資産を譲渡した前年、(2)譲渡資産を譲渡した年、(3)譲渡資産を譲渡した翌年のいずれかに取得する必要があります。 また、買換資産は、その取得の日から1年以内に事業の用に供する必要があります。
③買換資産の取得時期・取得価額
買換資産の取得時期は、譲渡資産の取得時期を引き継がず、その資産の実際の取得の時期となります。
また、買換資産の取得価額は、その資産の実際の取得価額ではなく、以下のようになります。
譲渡所得の金額の計算方法
譲渡所得の金額の計算方法
譲渡所得の金額の計算方法
※1
・大都市等※3以外の地域から大都市等への買換えの場合…25%
・大都市等以外の地域から特定地域※4への買換えの場合…30%
・上記以外の場合 …20%
※2
・大都市等以外の地域から大都市等への買換えの場合 …75%
・大都市等以外の地域から特定地域への買換えの場合 …70%
・上記以外の場合 …80%
※3
大都市等とは、東京23区を除く首都圏既成市街化地、首都圏近郊整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部をいいます。
※4
特定地域とは、東京23区をいいます。

具体例

事業用資産の買換えの特例(7号買換え)を適用した場合と、適用しなかった場合について、具体例で譲渡税額を比較してみましょう。

【具体例】
 
駐車場として使用してきた土地を売却し、新しく土地を購入してアパート経営を行なう場合
取得費:250万円/譲渡費用:200万円/所有期間:10年超
具体例
具体例

注意点

事業用資産の買換えの特例は、あくまでも課税の繰り延べであるため、どのような買換資産を取得するかで、その後に発生する税金の負担に差がでてきます。

買換資産として土地を取得した場合には、将来、取得した買換資産を売却する時まで課税が猶予されているにすぎません。

従って、将来、買換資産を売却した時には猶予されていた税金を支払う必要がでてきます。

買換資産として建物等の減価償却資産を取得した場合には、減価償却費の計算の基となる取得価額が圧縮されるため、減価償却費が少なくなり、毎年の所得税の負担が大きくなるので、注意が必要です。

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