「青色申告とは」

確定申告の手引き

青色申告とは

青色申告とは、帳簿を付けてこれを保存する義務を果たした方に、税金の計算において数々の特典が与えられる制度です。青色申告は不動産所得・事業所得・山林所得のある方が、予め税務署長の承認を受けて初めて認められる制度です。

(1)制度の主旨と特典
一部のモラルの低い方だけが得をしないようにするためには、納税者全員が帳簿を備え付ける習慣を育てることが大切です。そこで、そのような記帳慣習を育成するために青色申告という制度が作られました。
青色申告制度は、帳簿を備え付けてこれに取引を記録し保存するという義務を課する代わりに、その義務を履行した方には、税制上さまざまな特典を与えるという制度で、節税効果の高い特例が数多くあります。ぜひ青色申告の適用を受けて、その特典を利用したいものです。
(2)所得金額の計算
所得税の課税対象である所得金額は、収入金額から必要経費を控除して算出します。しかし、収入も経費も細かい取引の積み重ねの結果として算出されるものであり、目に見えるものではありません。したがって所得計算が正しいか否かを検証するには、1年間の取引が帳簿に正しく記録されていることが前提となります。
(3)青色申告が認められる方
サラリーマンの給与所得のように、経費の集計の必要のない所得には帳簿記録も不要です。そこで青色申告の適用は、不動産所得・事業所得及び山林所得のある人に限り認められ、あらかじめ税務署に「青色申告の承認申請書」を提出するという手続きが要件とされています。これらの点にくれぐれもご注意下さい。
青色申告ができる方 不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかを生ずべき業務を営んでいる方
承認を受けるには 既に事業を営んでいる場合や、その年の1月15日までに新規開業した場合は、その年の3月15日まで(1月16日以降に新規開業した場合は開業から2ヵ月以内)に税務署長に「青色申告の承認申請書」を提出
申告者の義務 帳簿書類の備付け 帳簿書類への取引の記録 帳簿書類の保存
代表的な特典 専従者給与の
必要経費算入
事業的規模で商売をしていれば、家族従業員に支払う給料賞与を、必要経費に算入できます。
純損失の
繰越控除等
青色申告をしている年に生じた赤字の金額は、翌年以降3年間または前年の所得と通算できます。
青色申告
特別控除の適用
所得金額から65万円または10万円を控除できます。

所得金額から65万円の控除を受けるためには、複式簿記による記帳をしていることが条件。それ以外の場合は、10万円の控除を受けることができます。

各種引当金等への繰入 一定の要件を満たせば、貸倒引当金や退職給与引当金への繰入れができます。

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