建築施工マニュアル


4.型枠
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  [1] 関係法令の遵守
    型枠の設計又は施工に欠陥があると、重大な事故につながる恐れがあるので、建築基準法施行令及び、労働安全衛生規則などの関係法令を守って、施工に万全を期する事。

  [2] 型枠の構成
    型枠の構成は、コンクリートに直接接するせき板、せき板を支える支保工及びせき板と支保工を緊結するセパレータ、締付け金物などからなる。


 
型 枠

  [1] せき板
    1. せき板材料には、通常使用している合板のほかに、メタルフォーム、アルミ合金パネル、プラスチックフォームなどがある。

せき板に合板(合板パネル・コンパネ)を使用する場合は「コンクリート型枠用合板の日本農林規格」(平成9年8月改正)に定められている。

    2. 「表面加工品以外」の合板を用いる場合は、型枠の転用を図るため、通常、はく離剤を塗付する。


  [2] はく離剤
    1. せき板とコンクリートのはく離性が良好である事。
    2. せき板あるいはコンクリートの成分と反応し、コンクリートに悪影響を与えないもの。
    3. 木製せき板のように、吸水性のあるものは、その吸水性を減少することができるもの。
    4. はく離剤自身による汚れをコンクリート面に残さない事。


  [3] 型枠締付け材
      型枠締付け材には、各種のものがあるが、耐力試験などにより製造業者が、許容引張力を保証しているものを用いる事。


  [4] 型枠支保工
      鋼管(単管、パイプばた)、鋼管支柱(パイプサポート)、木製ばた、鋼管枠(枠組足場によるもの)、その他(組立鋼柱鋼製仮設梁など)があり、(社)仮設工業会の定めた「仮設機材認定基準」に適合する製品を使用する事。


 
【はく離剤塗布】

はく離剤塗布

型枠締付け材
  [1] 型枠の組立て
    1. 型枠はコンクリートの鋳型となるものであるから、打込み作業時の各種の外力に対して十分な強度と剛性を有し、かつ所要の寸法許容差を超えることのないように、組立てられたものでなければならない。
    2. 型枠の組立ては、解体が容易にできるようにしておく。

  [2] 作業工程と主要管理項目
    1. はく離剤の性能の承認
    2. せき板の形状、寸法
    3. スペーサーの材質、位置
    4. 木片、おがくず、泥および異物の除去
    5. 型枠の位置および寸法
    6. コンクリートの仕上がりの状態、部材の位置および断面寸法精度
    7. ひび割れ、たわみ、じゃんか

 
型枠の組み立て

  [3] 型枠の存置期間及び取外し
    (1) 型枠の取外しは,型枠の最小存置期間を経た以後に行う。
    (2) 型枠の最小存置期間は、表1及び表2により、コンクリートの材齢またはコンクリートの圧縮強度により定める。寒冷のため強度の発現が遅れると思われる場合は、圧縮強度により定める。
なお、圧縮強度により定める場合は、コンクリートの試験結果及び安全を確認するための資料により、監修職員の承諾を受ける。
    (3) 片持梁、ひさし、長大スパンの梁、大形スラブなどの型枠を支持する支柱、または施行荷重が著しく大きい場合の支柱などは、必要に応じて、存置期間を延長する。
    (4) スラブ下及び梁下のせき板は、原則として、支柱を取外したのちに取外す。
なお、支柱の盛替えは行わない。
    (5) 使用した紙チューブは、型枠取外し後に取り除く。
    (6) MCR工法の場合は、次による。
      1. 気泡性緩衝シートをコンクリート面に残すようにして、型枠を取外す。
      2. モルタル塗りの直前に、シートをコンクリート面に残さないようにはがす。
      3. 躯体に残ったステープルは取り除く。
      4. 1から3以外は、この項の規定による。

 
 
せき板の最小存置期間


支柱の最小存置期間