建築施工マニュアル


3.工場製作
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  [1] 製作精度
    1. 鉄骨の製作にかかる精度及び製品精度は、「共仕」7.3.2では、特記がなければ「建築工事共通仕様書」によるとしている。

  [2] 工作図と現寸
    1. 工程に支障のないよう日数及び時間的に充分な余裕をもって、製作工場と打合せをする。
    2. 設計図書に基づいて設計・仕様を正確におり込んだ工作図を作成させ、内容、納まりなどを確認したのち、承認をする。
    3. 現寸は製作工場にて作成し、監督員が立会いの上、確認する。

  [3] 鋼製巻尺
    1. 鉄骨製作巻尺は JIS B 7521 の一級品を使用する。
    2. 工事現場用と鉄骨製作用の基準巻尺を一定の張力(50N程度)にて、テープ合せを行う事。目盛り差の判定値は一般に10mにおいて0.5mmである。
 
作成図

テープ合せ


  [1] 鉄骨部材

 
 
【 コラム 】
【 C形鋼 】

 
【デッキプレート】
【 溝形鋼 】

  [2] 用語
 

1.

クリアランス …………… すきまの意味で柱継手は5mm、梁継手は10mmが標準である。

  2. 表面粗さ ……………… 鋼材の切断面、高力ボルト接合面などの表面粗さで、表し方はJIS B 0601(表面粗さの定義及び表示)に定められている。

  3. ミルスケール(黒皮)…… 圧延の際、鋼材の表面に生じる比較的強い黒色の錆。

  4. けがき ………………… けがき針、たがね又はポンチを用い、形板、定規などに合せて、鋼材に加工の形状、位置、大きさなどを表す作業。

  5. 切断及び曲げ加工  
  (ⅰ) 機械切断法  [1]せん断 [2]切削 [3]摩擦熱 各々による。
  (ⅱ)

ガス切断法

  (ⅲ)

電気切断法



 
  [1] 摩擦接合部の処置
    高力ボルト接合は、高力ボルトで締めつけられた部材の摩擦力で、応力を伝達するように設計された接合法である。
接合面にミルスケールが介在すると、ミルスケールは硬く板状に剥離するため、接合面の摩擦力が確保できない。したがって、このミルスケールは完全に除去しなければならない。接合面は赤さび状態または所定の粗さに保ち、すべり係数μ=0.45以上を確保することが原則である。
建築鉄骨の場合、母材はディスクサンダーまたはサンダーがけ、スプライスプレーはショットブラストまたはグリットブラストがけとするのが一般的である。

  [2] 赤さび面確保の方法
    摩擦面の処理方法には、ディスクサンダーがけとショット(グリットを含む)ブラストがある。写真1はショットブラストによる処理面を、写真2にはディスクサンダーがけによりる処理面の状態を示す。ディスクサンダーがけの場合の表面は、できるだけ平滑に仕上げること、またショットおよびグリットブラストの場合、使用する鋼粒があまり古くないことが望ましく、適時取り替えることが重要である。
いずれの処理も目的はミルスケールを除去し、処理された面に所要の摩擦(すべり)耐力を発生させること

  [3] 所定の表面粗さ確保の方法
    摩擦による接合部の保持については、接合面の表面粗さが関係してくることは論をまたない、ショットブラスト、グリットブラスト(サンドブラストは不可)を鋼材面に施すと、当然のことながら、その表面は平滑でなく、ある程度の粗さが生じるものである。ブラスト処理のままで接合する場合、その定量的表現として粗さ50S以上確保できれば十分な接合部耐力を得られることが明らかになっている。その条件は表1のとおりである。

 
写真1 【ショットブラスト

写真2 【ディスクサンダーがけ

  工場製作要領書のチェック項目は下表による。
 
 
チェック項目