建築施工マニュアル


2.塗膜防水
下のリストボックスから項目を選択すると、各項目へジャンプすることができます。
写真をクリックすると大きい写真を表示できます。
  常に作業に適した服装、装備で、安全保護帽の着用を徹底する。
  資材の落下、墜落防止に留意し、必要な安全対策を講じる。
  プライマー、ウレタン防水材などの溶剤系の材料を使用する場合は有機溶剤による中毒症状を起こさぬ様、換気に注意する。又、塗布作業中は火気厳禁とする。
  絶えず作業場の整理整頓に注意し、関係者以外は立入禁止とする。
 
塗膜防水


 
 <ウレタン系塗膜防水 露出仕様>
 ウレタン系塗膜防水露出仕様の標準仕様書です。
  [ ウレタン塗膜防水:バルコニー・廊下 標準施工仕様書 ]


 
  [1] 材料の保管及びチェック
    1. 破損・損傷のない様に留意する。又、雨に濡れない様にする。
    2. 溶剤系の材料は火気に特に留意し直射日光に当たらない様に注意する。
    3. トルエンなどの希釈剤は作業場に保管せず都度、持ち帰る。
    4. 材料のロット、製造番号などを確認する。必要に応じて控える。

 
  [2] 下地面の確認
    1. 下地の欠損、亀裂、不陸、凹凸、異物の有無。
    2. 充分に乾燥しているか。

  [3] 作業環境条件
    1. 天候に注意する。(晴天が望ましい)
    2. 作業場は採光、照明、換気に注意し、他業種の工事と重ならない様にする。
    3. 日没前に作業を終了し、日没後の作業は行わない。
下地面

  [4] 施工の中断
    1. 施工時の天候が降雨時、又は降雨が予測される場合、もしくは降雨後、下地が乾燥不足の場合は、施工を中止する。(下地の乾燥不足はウレタン塗膜の接着不良及び膨れの原因になるので充分に注意する。)
    2. 強風、高温、高湿などの気象条件が悪く、施工や安全上支障がある場合は施工を中断する。
    3. 外気温及び下地の表面温度が5℃以下で防水下地とウレタン塗膜間などの接着が妨げられる恐れがある場合は、施工をしない。

  [5] 養生
    1. 作業周辺は飛散などにより汚れない様にあらかじめ養生する。
    2. 火花の散る恐れのある溶接溶断の作業や、グラインダーがけの作業をする時は養生する。
    3. ネコ車などの運搬や脚立などを使用し作業する時は養生する。
    4. 左官、塗装、配管作業をする時は養生する。
    5. 鉄材、機器類の運搬又は取り付け作業をする時は養生する。


 
  [1] 下地の確認、清掃
    1. 下地は目違い、欠損、亀裂、不陸、凹凸、突起、異物のないこと。
    2. 勾配は所定通りに下地で確保してあること。
    3. 入隅は通りよく直角とし出隅は通りよく面取りすること。
    4. ドレンなどは防水施工に適したもので、下地に強固に取り付けてあり、錆、欠損がないこと。
    5. 下地を清掃し、埃、塵、泥土などを充分に除去し、乾燥状態であること。

  [2] 金属面処理
    1. 階段部のササラ桁、蹴込み部のシアナミノ系防錆塗料を施した金属鋼板面にケレン掛けを行ない、ウレタン防水材の剥離防止処理として専用の金属面処理剤を規定量塗布する。(0.1kg/㎡)

  [3] プライマー塗布
    1. プライマーはトルエンなどで希釈せずに、充分に攪拌した後、ローラー刷毛などを用いて下地にムラなく均一に塗布し指触乾燥時間を守る。(0.2kg/㎡)

  [4] ウレタン防水材の攪拌混合
    1. ウレタン防水材の攪拌混合は、主剤と硬化剤を攪拌容器に所定量取り出し、低速回転型の高トルク電動攪拌機を用いて充分に混合する。(攪拌時間の目安 3分~5分以上)
    2. 攪拌混合は攪拌機を上下左右に動かし隅々まで混合させる。特に容器の缶底、缶淵は攪拌不良を生じ易いので充分に攪拌混合する。
    3. 冬場などでレベリング性が悪い場合はトルエンを用いて希釈することができる(5%以内)

  [5] クロス補強処理
    1. 階段、廊下、バルコニーの入隅部及び目地部に、攪拌混合したウレタン防水材を規定量(0.3kg/㎡)塗布しクロスを張付ける。(クロス幅=150mm)
    2. クロス張付け直後、上から軽く押え、浮き、しわなどがない様に注意する。
    3. クロスの重ね幅は50mm以上とする。

  [6] ウレタン防水材の塗布(防水層 1層目)
    1. ウレタン防水材塗布前に、クロス補強した部位にクロスの耳が反り上がっている場合はカッターなどで平滑になる様に除去する。また、ゴミ、小石などを綺麗に除去する。
    2. 攪拌混合したウレタン防水材(1:2配合品 比重1.4)を規定量、金コテ、ローラー刷毛などを用いて、塗り残し、塗りムラのない様に均一に塗布する。(1.0kg/㎡)尚、立上り部は専用のウレタン防水材(1:2配合比重1.3)を使用する。

  [7] ウレタン防水材の塗布(防水層 2層目)
    1. 2層目のウレタン防水材の塗布前に、1層目のウレタン防水層に硬化不良、膨れがないか確認する。異常がある場合は補修を行う。
    2. 所定の塗り重ね時間を超えている場合は専用の塗り重ね用プライマーを規定量(0.1kg/㎡)塗布し指触乾燥時間後、2層目のウレタン防水材塗布作業を開始する。
    3. 攪拌混合したウレタン防水材(1:1配合品 比重1.2)を規定量、金コテ、ローラー刷毛などを用いて、塗り残し、塗りムラのない様に均一に塗布する。(1.5kg/㎡)
尚、立上り部は専用のウレタン防水材(1:2配合比重1.3)を使用する。

 
階段部 防水仕様
[1] 金属面処理材
[2] プライマー
[3] 立上り部専用ウレタン防水材
[4] 補強クロス
[5] ウレタン防水材
[6] トップコート
 
平場・立上り部 防水仕様
[1] プライマー
[2] 立上り部専用ウレタン防水材
[3] 補強クロス
[4] ウレタン防水材
[5] トップコート
  [8] トップコート塗布
    1. トップコートを塗布する前に防水層に硬化不良、膨れなどがないか確認する。また、全体の仕上り、端末の納まりを確認する。異常がある場合は補修を行う。
    2. 所定の塗り重ね時間を超えている場合は専用の塗り重ね用プライマーを規定量(0.1kg/㎡)塗布し指触乾燥時間後、トップコート塗布作業を開始する。
    3. トップコートはトルエンなどで希釈せずに、主剤と硬化剤を攪拌容器に取出し、さらに専用の骨材を投入し、低速回転型の高トルク電動攪拌機を用いて充分に混合する。(攪拌時間の目安 3分~5分以上)
    4. 攪拌混合は攪拌機を上下左右に動かし隅々まで混合させる。特に容器の缶底、缶淵は攪拌不良を生じ易いので充分に攪拌混合する。
    5. 攪拌混合したトップコートを規定量、ローラー刷毛、手刷毛などを用いて、塗り残し、塗りムラのない様に均一に塗布する。(0.2kg/㎡)

  [9] 防水層端末処理
    1. 防水層を確認し異常がなければ、防水層端末をウレタンシーリングにて打設する。特に立上り、エアコン室外機置場廻りの水切り、ドレン廻り、スリーブ管廻りに注意する。
トップコート


報告
  業者は防水工事完了後3日以内に会社指定の「防水工事施工完了報告書」を作成し提出する。(※使用材料の数量確認をする)
  報告(提出)後、すみやかに社内検査を実施する。