建築施工マニュアル


3.舗装
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  駐車場構造上の下層路盤から路面までの部分を舗装というが、その舗装部分の材料により、アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック系舗装、カラー舗装、透水性舗装、排水性舗装などに区分される。尚、ここに記した舗装とは、構内舗装に限定している。構内舗装とは建築物の周囲、駐車場などを施工する場合について記しており、一般道路のような舗装は対象外とする。


 
  [1] 路床
      路床とはアスファルト混合物層又はコンクリート版及び路盤を通じて分散された荷重を最終的に支える部分である。
  [2] 路盤
      路盤とは、舗装路面に作用する荷重を分散させて、路床に伝える役割を果たす部分であり、施工については所定の締固め度と厚さの確保が重要である。


 
  [1] アスファルト舗装
      路盤及び加熱アスファルト舗装の表層又は表層と基層で構成されるたわみ性舗装で、荷重を分散して路床に伝える舗装である。加熱式アスファルト混合物の代わりに、アスファルト乳化剤やカットバックアスファルトをバインダとした常温式アスファルト混合物もあるが、耐久性の面で劣る為、通常は加熱式アスファルトを使用すること。尚、アスファルト舗装にカラー舗装も含まれる。
  [2] コンクリート舗装
      コンクリート版により構成される剛性舗装で、荷重をコンクリート版の曲げ強度で支える構造である。
  [3] ブロック系舗装
      ブロック系舗装とは、コンクリート平板舗装、インターロッキングブロック舗装、舗石舗装を対象とし、これ以外のブロック舗装として、舗石の代わりにタイルを使用したタイル舗装、間伐材を原料とした木塊舗装などがある。
  [4] 透水性舗装
      透水性舗装は、粒状材料層の上に空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物を舗設し、雨水を路床まで浸透させ地中へ還元する舗装で、雨天時の滞水を無くして歩行性を確保する事が目的とした舗装。用途は歩道、広場、一般駐車場、軽交通路などに用いられ、舗装体はアスファルト系、樹脂系、コンクリート系、ブロック系などがある。
  [5] 排水性舗装
      排水性舗装とは、空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物による排水機能層を表層に、その下に不透水層を設け、排水機能層に浸透した水が不透水層上を流下して排水する舗装で、路盤以下へ水が浸透しない構造である。
      透水性舗装と排水性舗装の違いについて 「透水性舗装」歩行者系道路を対象とし、路面の水を路盤以下へ浸透させる。 「排水性舗装」車道を対象とする場合、表層のみが水を通し横方向に排水し、路盤以下への水の浸透をさせず、強度の低下を防ぐ。
  [6] 砂利敷
      砂利敷は砂利や砕石を敷き詰めたもので、非常に簡易な舗装であり、人の通行が可能な程度の支持力しかなく、頻繁に車両が通行するような場所には適さない。また、路面の変形や石の飛散などの破損が始まると、加速的に破損が進行する為、破損などの異常があった場合には迅速に補修する事が重要である。


 
アスファルト舗装

ブロック系舗装
 
      構内舗装は、一般の車道舗装と比較して薄い舗装構造となっており、破損が始まると進行が早く、舗装の状態については定期的に点検する必要があり、破損があった場合には破損状況に応じた補修方法で早急に補修工事を行う。

  補修方法
    1. パッチング  …… 舗装路面に穴があいた場合に、その部分に加熱式アスファルト混合物を充填する工法であるが、あくまでも応急的な補修方法であり、将来的には打換えによる補修をする事が重要。

    2. クラックシール  …… 舗装のひび割れ発生時にアスファルト系の材料をひび割れ箇所に充填する工法のこと。

    3. 局部打換え  …… 舗装の破損している部分について、表層又は表層と路盤を打換える工法。

    4. 表層打換え  …… 舗装の破損範囲が広がっている場合で、路盤以下に問題が生じていないときに、アスファルト混合物又はセメントコンクリート版のみ打換える工法。

    5. 打換え  …… 舗装の破損範囲が広く、路盤にも問題が発生している場合に路床から上側を打換える工法。

    6. 段差修正  …… 舗装路面が不同沈下を起し路面が段差を生じた場合に、段差が小さい場合には、加熱式若しくは常温式アスファルト混合物のすり付けをし、段差が多きい場合には局部的あるいは全面的に路盤から舗装の打換えを行う工法。