建築施工マニュアル


3.舗装/路床
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  遮断層は、路床が軟弱な場合、軟弱な路盤用材料と混ざることを防ぐ層である。
  凍上抑制層は、路床や路盤内の水分が凍結して、舗装を持ち上げ舗装が破壊する現象を抑制する層で、凍結が予想される深さまでむ水はけのよい材料に置換え、この置き換えた層が凍上抑制層である。
  フィルター層は、透水性舗装の施工で設けられる層で、透水性の表層、路盤を通過した雨水を路床に浸透させる層であり、このフィルター層を設けないと路床が軟弱化して舗装が破壊する。
  置換え工法は、軟弱な路床土を撤去し、砂、砕石などの支持力の大きい材料で置きかえること。
  安定処理工法は、路床土にセメント、石灰などの安定材(改良材)を混合して固化させ支持力を向上させる。尚、混合する際はバックホウを使用することが多いが、混合装置を取り付け施工し、混合材の飛散に注意するのは当然であるが、混合材の飛散が予想される場合は防塵型の安定剤を使用する。


 
  盛土用材料の品質は建築大臣官房官庁営繕部監修の「建築工事共通仕様書」表3.2.1による。
  透水性舗装のフィルター層に用いる砂は、ごみ、泥、有機物を含まないものとし、75μmふるい通過量を6%以下とする。
  凍上抑制層に使用する材料は凍上を起こしにくい材料で、下記の基準以下のものを使用する。
      75μmふるい通過量を6%以下。 火山灰、火山礫:粗粒で風化の兆候無く、排水性が良好で75μmふるい通過量20%以下、強熱減量4%以下。
      切込砂利 4.76mmふるい通過分のうち75μmふるい通過量が9%以下。

  路床安定処理剤は路床の安定処理を目的として添加する安定材として、セメント、石灰などがあり、安定剤混合時に粉塵発生を抑制した防塵処理を施した安定材も市販されている。


 
  路床土が関東ローム、黒ボクなどの場合、路盤に粘性土が浸入するのを防止する為、厚さ150mm以上の遮断層を設ける必要がある。
  路床土が部分的に悪い場合、その部分を除去し周辺の良質土で埋め戻すか、置換えを行う。
  路床土が粘性度、高含水比の土では、こね返しや過転圧により極端な強度低下する場合が有る為、路床を乱さないように十分注意する必要がある。
  路床が降雨などにより著しく水を含み、締め固めが行えない場合は適切な排水を行ない、十分乾燥した後締め方めを行う。工期的に余裕がない場合においてはセメントや石灰(セメント系及び石灰系土質改良材も含む)などを散布混合し、安定処理すると有効で、砂質土に対してはセメント系、シルト質及び粘性土には石灰系が効果が高く、添加量は路床土の乾燥質量に対し、セメント・石灰系とも2~10%程度を目安とする。