建築施工マニュアル


5.排水処理(雨水処理)
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  給水管と配水管が平行して埋設される場合、原則として両配管の間隔を500mm以内、給水管は配水管の上方に埋設する。
  大きな荷重を受ける事が無い箇所の配水管の最少土かぶりは600mm程度有れば良い。
  管の勾配は特別な場合を除き1/100以上とする事が、汚水との合流排水の場合は適切な勾配でないと、汚物などの停滞の原因となる為、注意が必要である。
  雨水を排水する開始位置、勾配が著しく変化する箇所、管の長さが管径の120倍以内の適当な箇所には桝又はマンホールを設置する事。
  雨水の浸透式排水は、各地方自治体の条例などで規制により十分な調査及び検討が必要である。


 
  JIS規格品を使用。
  配管や桝などについては設計図書で形状、寸法、排水勾配が指示されているが、不明箇所は設計者に質疑応答を書面にて行ない、指示事項は厳守する。

  排水材料の種類
    [1] 遠心力鉄筋コンクリート管(JIS A 5303) 一般的にはヒューム管と呼び、遠心力を応用して製造するコンクリート管をいい、継手にはゴム輪を用い、JIS規格品を使用する。JIS K 6353の規格に適合したものを使用する。 詳細については、管の種類(表1)管の形状及び寸法[B形のみ](表2)ゴムの輪の品質(表3)を参照。
    [2] 硬質塩化ビニル管(JIS K 6741) 主に給排水用及び通気用として使用される硬質塩化ビニル管で、呼び径と厚さの組み合わせで、VPとVUの2種類があり、VU管は厚さが薄いため、土かぶりが大きい箇所には使用しない。
        ※注意: 硬質塩化ビニル管は容易に消えない方法で次ぎの事項を1ヵ所以上、表示する事になっている。
        1. 管の種類と呼び径
        2. 製造年月又はその略号
        3. 製造業者又はその略号 詳細については、管の種類及び呼び径を参照。
    [3]   排水用硬質塩化ビニル管継手(JIS K 6739) この排水用硬質塩化ビニル管継手は、JIS K 6741のVP管を使用する排水配管の冷間差込み接合に用いるもので、継手の形状などは排水用硬質塩化ビニル管継手(表5)を参照。尚、継手には容易に消えない方法で、製造業者名又は商標を表示する事になっている。


 
【遠心力鉄筋コンクリート管】

【硬質塩化ビニル管】

【排水用硬質塩化ビニル管継手】

  根切り ………… 根切りのままで長時間放置すると、降雨などにより崩壊、根切り底が緩んだりし、地下水位の高い地盤では、軟弱化するおそれがあり注意が必要。尚、掘りすぎた場合は山砂などで埋め戻し、根切り底が緩んでいる場合は締め固めること。

  地 業 ………… 根切り面は割り石や砂などの地業の施工がしやすいようにソイルコンパクタなどを用い、また割り石地業ではタンパなどで締め固める。
      砂地業では、不純物を含まない遮断層用の砂を空隙の無い様に30cmごとに締め固める。
      ヒューム管の地業は管の敷設する箇所が、管の支持に適している場合は砂地業とする事が出来るが、軟弱地盤などではその地盤に適したコンクリート、杭打ち地業などの地業形式を取る必要がある。この場合、設計者との十分な打合せ、設計変更の検討を行う必要がある。

  排水桝 ・ マンホール ………… 排水桝・マンホールは、管きょ内の点検、清掃などの為、設置するものであり、管きょの方向、勾配、管径の変化する箇所、段差の生じる箇所及び合流する箇所に設けるものである。
      汚水の混入する排水は桝及び排水溝にはインバートを設ける。
      雨水用排水桝及びインバート桝には15cm以上の泥だめを設ける。
      合流式下水道の場合、雨水系統と汚水系統が合流する合流桝を設けるが、臭気対策としてトラップ桝を設置する事が望ましい。

  ヒューム管の設置 …… 管の設置は下流部より始める。
管の吊降ろしは、管に損傷を与えぬようロープやチェーンブロックなどを用いて行う。
      管は角材などを敷いた上に、置きくさびをかう。
      継手作業が終わったら、良質土で20~30cmずつ両側から埋め戻し、締め固める。
      継手部分にゴム輪を使用する場合は、傷、老化、寸法にくるいがないか確認をし、あらかじめ記しておいた引きこみ目安線まで確実に引きこむ。

  硬質塩化ビニル管 ………… 管の取り扱いには十分注意し、特に管端部の破損には注意が必要である。
 
  通水試験 ………… 排水管の継手部分の接着程度を見計らい、部分的でも良いが全系統で埋め戻しに先立って通水試験を行う。試験方法は末端を適切な方法で閉じて、管径の1/2程度まで注水し、継手部分の漏水検査及び勾配の確認を行う。
 
  埋め戻し ………… 埋め戻す土は良質土とし、車両の通行が予想される箇所についてはコンクリートで保護するか、透水性のよい砂を使用し水締めとし、土かぶりまでの埋め戻しは、管の耐力範囲内でタンパー、ランマなどで締め固め、重機などを使用しない。
 
  浸透施設   浸透施設とは図1のような浸透桝、浸透トレンチ、浸透側溝などがあり、浸透性舗装も浸透設備の一種である。
      浸透面は締め固めないものとし、掘削後床付けを行わず、直ちに敷砂を行ない充填材を投入する。
      充填材投入時は施設内に土砂混入に注意する。
      工事中の排水を、浸透施設に流してはならない。浸透面には土砂流入防止措置をとる。
      浸透施設の工事が完了した後に浸透

 
【排水桝】

【ヒューム管】

【雨水桝施工例】

【雨水浸透桝】

 
浸透施設