建築施工マニュアル


5.コンクリート
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  コンクリート工事は、躯体を形成し、構造耐力及び耐久性を左右するので、特に重要である。
  コンクリートは、レディミクストコンクリートを使用する事、またJIS表示許可工場で製造されたコンクリートをⅠ類として、これを使用する事。


 
  [1] セメント ……… セメントの分類を表1に示す。
 
 
セメントの分類 JISによる

 
  [2] 骨材………… 一般に、骨材の強さがセメントペーストの強さより大きいという仮定のうえに成り立っている。したがって、骨材は堅硬な石質でなければならない。

  [3] …………… 水質は、コンクリートの凝結時間、硬化後のコンクリート強さなどの諸性質及び鋼材の発錆などに影響があり、極めて重要な材料といえる。

  [4] 混和材料…… 使用目的として、以下の様なものがある。
      1. ワーカビリティーの改良
      2. 水密性の増大
      3. 乾燥収縮の低減
      4. 耐久性の向上
      5. 長期材齢又は初期材齢における強度の増大


  [1] コンクリートの製造及び運搬
    1. 製造工場の決定
      下記の項目により、選定を行う。
      ⅰ) JIS表示許可工場であるかどうか
      ⅱ) 材料の貯蔵設備の能力、状態
      ⅲ) 製造設備の能力、状態
      ⅳ) 品質管理の状態
      ⅴ) 工事現場までの運搬時間、運搬能力
    2. 運搬
      「共仕」では、コンクリートの練混ぜ開始から打込み完了までの時間の限度は、外気温が25℃未満の場合は120分、25℃以上の場合は90分と規定されている。

  [2] 調合
    1. 計画調合書は、設計図書に記入された条件をもとに生コン工場に注文書を提出し、調合そのものは、生コン工場側で作成することとする。
    2. 調合強度は、通常の場合、設計基準強度にコンクリートの打込みから28日後までの期間の予想平均気温による強度の補正値、及び強度バラツキを考慮した標準偏差を加えた値以上とする。

  [3] 品質管理
    1. 打込まれるコンクリートの品質管理を十分に行う事。
設計図書による、スランプ、圧縮強度、空気量などを確認し、生コン配合報告書をチェックすること。
    2. 設計図書による指定がある場合は、試験用資料、供試体を採取すること。特記による。

  [4] 打込み
    1. 運搬及び打込みの際に水を加えないようにする。
    2. 圧送に先立ち、富調合モルタル、セメントペーストなどを圧送して、コンクリートの品質の変化を防止する。
    3. コンクリートの種類、1日の打込み量、立地条件などを考慮し、ポンプの台数、材種を決定する。
    4. 打継ぎは、できるだけ少なくなるようにし、応力の小さいところで打継ぐことが必要である。又、梁の付け根で打継がないこと。

  [5] 締固め
    1. 気泡、じゃんか、不充填部などをおこさない為に、棒形振動材あるいは型枠振動材を用いて十分締固め、密実なコンクリートとする。
    2. 振動材は、鉄筋、鉄骨などに触れないように差し込む.。

  [6] 養生・補修
    1. 寒冷期においては、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間以上は、コンクリート温度を2℃以上に保つ。
    2. コンクリート打込み後、初期凍害を受けるおそれのある場合は、初期養生を行う。
    3. コンクリート打込み後、セメントの水和熱により部材断面の中心部温度が外気温より25℃以上高くなるおそれがある場合は、温度応力による悪影響が生じないような養生を行う。
    4. 打込み後のコンクリートは、普通ポルトランドセメントまたは混合セメントのA種の場合5日間以上、高炉セメントB種の場合7日間以上、散水その他の方法で湿潤に保つ。また、気温が高い場合または直射日光を受ける場合には、コンクリート面が乾燥することのないようにする。

 
工 場

カンタブ

ポンプ打ち

コンクリート打ち中