建築施工マニュアル


3.シーリング
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  常に作業に適した服装、装備で、安全保護帽の着用を徹底する。
  所定の場所で喫煙し、作業中は喫煙しない。
  資材の落下、墜落防止に留意し、必要な安全対策を講じる。
  プライマー、ボンドなど溶剤型材料を使用の場合は有機溶剤による中毒症状を起こさぬ様、換気に注意する。又、塗布作業中は火気厳禁とする。
  絶えず作業場の整理整頓に注意し、関係者以外は立ち入り禁止とする。
  シーリング施工後は、手袋をはめて作業しシーリング材は直接手で触れない様に注意する。


 
【シーリング施工後】

  [1] シリコン系         … ガラス関連工事への適用が良好
  [2] ポリサルファイド系    … PCコンクリートへの適用が良好(コンクリート、タイル)
  [3] ポリウレタン系       … ALC板への適用が良好(窓廻り)
  [4] エマルジョン系アクリル … ALC板への適用が良好(ALC目地)

 
【シリコン系】

【ポリサルファイド系】


【ポリウレタン系】
【マスキングテープ】
 
シーリング材の種類と用途


 
  [1] 材料の保管及びチェック
    1. 損傷のない様に留意する、又雨に濡れない様にする。
    2. プライマーは火気に留意し、直射日光に当てない様注意する。
    3. 材料のロット、製品番号を確認。

  [2] 下地面の確認
    1. 下地の亀裂、凸凹、異物の有無。
    2. 充分に乾燥しているか。

  [3] 作業環境条件
    1. 天候に注意する。(晴れた日が望ましい)
    2. 作業場は採光、照明、換気に注意し、他業種の工事と重ならない様にする。
    3. 日没前に作業を終了し、日没後の作業は行わない。

  [4] 副資材の塗布作業
    1. プライマーは、使用直前に開缶し、十分に攪拌してから使用する。(薄めて使用しない事)
    2. プライマーの塗布に際しては、所定の塗布量と指触乾燥時間を守り、ムラのないよう塗布する。

 
  [5] 施工の中断
    1. 施工時の天候が、降雨時、または降雨が予想される場合もしくは降雨で下地が未乾燥不足の場合は、施工を中断する。(下地の乾燥不足は、シートの接着不良になるので十分注意する)
    2. 強風、高温、高湿など気象条件が悪く、施工や安全上支障がある場合は施工を中断する。
    3. 外気温及び下地の温度が5℃以下で、防水下地とシート間などの接着が妨げられる恐れがある場合は、施工しない。

  [6] 養生
    1. 作業周辺は飛散などにより、汚れない様にあらかじめ養生する。
    2. 火花の散る恐れのある溶接溶断の作業や、グラインダーがけの作業をする時。
    3. ネコ車などの運搬者や脚立などを使用し作業をする時。
    4. 左官、塗装、配管作業をする時。
    5. 鉄材、機器類の運搬又は取り付け作業をする時。

 
  [1] 目地状態の確認、清掃
    1. シーリング工事の着工前に目地の状態を調査し、図面通りの寸法、形状をしているかどうか、及び被着面の状態が正常かどうかを確認し、良好と判断されれば施工を開始する。
    2. ゴミ、レイタンス、錆、油分などの除去を行う。油分は溶剤(トロール、など)を布に浸して行う。レイタンスは、ケレン及び刷毛を使用して除去する。
    3. コンクリート、ALC下地は、表面が白くなっている状態が望ましい。

 
  [2] バックアップ材のセット
    1. バックアップ材は、目地寸法の公差を考慮し、かつ取り付けられた状態を検査して、作成用意する。
    2. バックアップ材の位置を正確に保持する為、スケールを使用する。
    3. バックアップ材は、シーリング材と接着せず、かつ、シーリング材の性能を低下させないものとする。

 
  [3] マスキングテープ貼り
    1. プライマー塗布前に定められた位置に正確にかつ、押えを十分に貼る。
    2. マスキングテープはプライマーの溶剤及び、太陽熱によって軟化せず、その粘着材がサッシ及び、ガラスなどの部材に残らないものを選定する。

【エマルジョン系アクリル】

  [4] プライマー塗布及び乾燥
    1. プライマーは、どの被着材に対しても必ず使用する。
    2. プライマー塗布の刷毛は目地に適した大きさ(寸法)及び、形状のもので穂先の柔らかいものを選定する。
    3. 塗布は、目地の両側を必ず別々にゆっくり丁寧に行ない塗布をむらなくする為、刷毛を往復させる。
    4. プライマーの乾燥は30分以上行う事。
  [5] シーリング材の混合
    1. 主材と硬化材のしま模様がなくなる状態まで十分練り混ぜる。(15分程度行う)
    2. 混合中は水分などの混入や可使時間を短縮する様な直射日光は避ける。
    3. 1回に多量に混合すると十分に練り混ぜが出来ないので少量づつ混ぜる。
  [6] 目地への充填
    1. 充填は、混合されたシーリング材を可使時間内に適正なノズルを装着したコーキングガンにて目地の底部より空気が入らない様、注意して行う。
    2. 交叉部分の充填は、下図の順序にて行ない、特に交叉部分に気泡が入らない様に注意する。

【プライマー】
 

  [7] ヘラ仕上げ
    1. ヘラ仕上げは目地に合った金属製のヘラを使い、表面の平滑化と同時に、地底部までシーリングが十分圧入される様に4~5回押さえを行う。
    2. 特に交叉部においては気泡が入りやすいので注意をする。
    3. 当日のシール打止め部分は、必ずヘラにて底部に向かって斜めに押さえておく事。

 


  [8] マスキングテープの除去
    1. 仕上げ完了後、手直し部分の点検を行ない、異常無しを確認して、テープを剥がす。

 
  [9] 施工後の清掃
    1. マスキングテープの張りあと、充填個所以外に付着したシーリング材などは、本体及びシーリング材に影響のない様に清掃する。
    2. コンクリート被着面の清掃は、乾燥後、ワイヤブラシがけ又はサンドペーパがけしてトルエンなどで清掃する。


 
  ALC張り目地
  通路、ベランダ、基礎立上がりなどの伸縮目地及び取合い
  基礎とALC(壁材)の取合い
  ALC(壁材)とサッシ目地