草庵式四畳半の典型的茶室
草葺(くさぶき)入母屋造りの妻入で、軒はきわめて低く、ひなびた外観を形作っている。
躙口(にじりぐち)の正面に床を設け、炉は四畳半切りで洞摩(どうま)を備え、茶道口は太鼓襖一本引きの方立口である。
天井は躙口側半間通りを化粧屋根とし、他は網代天井としている。窓は客座側と口側に下地窓がひとつずつと、突上窓があけられているので、精神性の深い求道的な空間を構成している。
裏千家、又隠の席は、その形式、意匠において利休四畳半をそのまま踏襲した茶室であり、草庵式四畳半の典型的と言えるものである。