過失（カシツ）

「過失」とは、自分の行為から一定の結果が生じることの予見、認識ができたにもかかわらず、回避するための行為を怠ったこと、または注意を怠ったためにその事実を認識しないことを言う。「過失」はその不注意の程度によって、「重過失」と「軽過失」の二つに分けられる。二つの過失は、社会共同生活を営んでいく上で必要とされる程度の注意、いわゆる善良なる管理者の注意を著しく欠くかどうかによって区別される。民法、商法での「過失」は軽過失のことで、重過失とする場合には、重大なる過失と言う。過失は不法行為責任の基礎を成すものであり、債務不履行の要件である責に帰すべき理由の大きな部分を占める。