天然果実（テンネンカジツ）

「天然果実」とは、民法においての果実＝事物から生じた収益のことを表す。物の使用の対価として受け取る金銭などの「法定果実」と対になっている。収益＝果実を生じた事物は、「元物」と呼ばれる。「天然果実」は、「元物」の本来の用法に沿うことで得られる産出物で、果実・野菜・牛乳・鶏卵・羊毛・動物の子などの他、石山より採掘された石材なども「天然果実」だ。「天然果実」を収取する権利を有する者＝収取権者は、元物より分離する際、収取する権利のある者とされる。なお、当事者間で別の合意を形成することは可能。収取権者は、善意の占有者・所有者・地上権者・永小作権者・不動産質権者などのことで、物権法などの規定によって決められる。